クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

レビュー

『終わりで始まりの4日間』、大して期待してなかったけど良かった

朝起きたらしっかり雪。白い悪魔が散らついてた。 ついにやってきた冬将軍に意気消沈。最高気温もひとケタ台と可愛らしい数字が並び、望みは何かと聞かれたら冬眠したい。寒い屋外に出るのがイヤさ。 というわけで、外出たくないわーとアマゾンプライムビデ…

シネマ歌舞伎で『スーパー歌舞伎Ⅱワンピース』見てきた

人気漫画『ONE PIECE』を新作歌舞伎にして、さらに映画化した『スーパー歌舞伎Ⅱワンピース』を見てきた。 ONE PIECE×歌舞伎!映画『シネマ歌舞伎 スーパー歌舞伎II ワンピース』予告編 兄弟愛と友情と師弟愛と。FriendshipにPartnershipで、Ship、Ship、Ship…

音楽のまだ活用されてない力に思いを馳せる『パーソナル・ソング』見た

アマゾンビデオより発掘した、短めのドキュメンタリー映画。1時間18分と、短めなところがいい。 パーソナル・ソング(字幕版) 発売日: 2015/06/25 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 文学か音楽か。優劣をつけるのは馬鹿らしいけれど、文字…

『瀬戸の花嫁』ではボブ・ディランのスゴさは伝わらない

ボブ・ディランが日本に与えた影響で、『瀬戸の花嫁』が出てきて膝から崩れ落ちそうになったよ、NHK。 日本ではロック以外の分野にも影響を及ぼしたという、面白い例ではあるけれど、違うんだ。知りたいのは、聴きたいのは、同時代のもっと熱い声なんだ。 紅…

すこし不思議な、サスペンス風映画『パッセンジャーズ』見た

外国人観光客に不法就労させた疑いで宿泊施設が摘発され、転売ヤーで荒稼ぎした女は逮捕され、サイバーエージェントからステマ企業と名指しされた企業も札幌にありと、試される北の大地は、人試し過ぎ。イヤねー。 パッセンジャーズ(字幕版) 発売日: 2013/11…

割とお高いプロジェクターにうっとり。BenQのHT3050使ってみた

<※この記事はPR記事です> BenQ アンバサダープログラムというものがありまして。プロジェクターに興味があったのでとりあえず応募してみたところ、当選。 先日アンバサダープログラム事務局より、まぁまぁお高いプロジェクター、BenQ HT3050が送られてきた…

気持ちよくないところがとっても魅力、『プリズナーズ』見た

日本語の読み書きさえできれば、誰だって文章が綴れる今。社会的意義のある読み物の方が尊くて優先される「べき」とはこれっぽっちも思わない。 複雑なものを複雑なまま理解できないのなら、誤読しようもないもの、キレイ・カワイイ・面白い・美味しそうから…

ギャツビーが初めていい奴だと思えた、ディカプリオ版『華麗なるギャツビー』見た

アメリカで最も多く映画化されている、スコット・フィッツジェラルド原作の『華麗なるギャツビー』見た。ディカプリオ主演バージョンで5回目の映画化だとか。アメリカ人にとっての『細雪』みたいなものか。 華麗なるギャツビー(字幕版) 発売日: 2013/11/26 …

子や孫可愛さに、悪事を見逃すことなかれ。『グラン・トリノ』見た

ウエスト・ミーツ・イースト 西洋と東洋の考え方の違いとして、年少者、特に子供に対する態度にこそ、根本的な文化の違いが顕著に現れるんだってさ。 心理学の偉い感じ(ホントに偉いかどうかは知らん)な西洋人の学者さんが、そう言ってた。西洋では小さな…

炸裂するブラックパワーに圧倒される『ブラッド・ダイヤモンド』見た

自分のために書いてるブログだから、気分が乗らない時は無理して書く必要なし。誰かと競争してるわけでも、誰かからお金をもらってるわけでもないんだから、気ままに休もうがどうしようが、こっちの勝手。 レオナルド・ディカプリオがアフリカで大活躍する、…

『拡張するテレビ―広告と動画とコンテンツビジネスの未来―』読んだ

“拡張するテレビ“ってどういうこと???と、タイトルに惹かれて読んでみた。今のところ、Kindle Unlimited対象商品。 拡張するテレビ ― 広告と動画とコンテンツビジネスの未来 ― (宣伝会議 実践と応用シリーズ) 作者: 境治 出版社/メーカー: 宣伝会議 発売…

サヨナラは新しい日々のはじまり。新海誠による正統派ジュブナイル『星を追う子ども』見た

ジブリアニメでもう一度見たい作品ってなんだろな。。そう思いつつアマゾンプライムビデオを漁っていて見つけた作品 星を追う子ども 発売日: 2013/11/26 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る ジブリアニメじゃないけれど、ジブリに似すぎと批…

傑出した才能が自らを滅ぼしていく『完全なるチェックメイト』見た

東西冷戦時代において米ソ代理戦争ともなったチェス世界王者をかけた世紀の一戦を描いた『完全なるチェックメイト』を見た。不世出の才能を持ちながら、才能に身を滅ぼされたボビー・フィッシャーに迫る。

資本主義は退屈だから、バンクシーが大暴れ『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』見てきた

覆面アーティストのバンクシーがSNSを駆使してニューヨーカーを引っ張り回す『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』見てきた。資本家に席巻されるニューヨークの街で起こっているジェントリフィケーションの問題も織り込みながら、彼の作品が世の中に与えるイン…

低―い位置から見たウェブメディア興亡史『ウェブでメシを食うということ』読んだ

低―い位置から見たウェブメディア興亡史『ウェブでメシを食うということ』読んだ。 ウェブでメシを食うということ 作者: 中川淳一郎 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2016/06/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 角川書店から刊行された…

いざという時には守ると覚悟を決めた大人向け、『シン・ゴジラ』見てきた

男でも女でも、家族持ちの中間管理職以上でエヴァンゲリオンにハマった組織人ならきっと楽しめる、『シン・ゴジラ』を見てきた。ゴジラが出てくる怪獣映画とはいえ大人向けで、板挟みで胃が痛くなる経験をした人ほど楽しめる娯楽作。

子供の頃に感じた故郷の美しさは本物、『フラワーショウ!』見てきた

ガーデニング界におけるオリンピック的イベント、チェルシー・フラワー・ショーがテーマのアイルランド映画、『フラワーショウ!』を見てきた。キュートなガールズサクセスストーリー、時々スピリチュアルありで、気楽に楽しめる娯楽作。

シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT阿弖流為<アテルイ>』見てきた

月イチ歌舞伎の第一弾、『歌舞伎NEXT阿弖流為<アテルイ>』見てきた。アニメからエンターテイメントに入った人にも優しい、めいっぱいエンターテイメントに振り切った作品。キャストも染五郎・勘九郎・七之助と超豪華なだけでなく、脇役まで贅沢な布陣でと…

知的自由は今どこに?『シチズンフォー スノーデンの暴露』見てきた

アメリカの諜報機関NSAが、巨大インターネットやIT企業の協力を得て、アメリカ国民の個人情報を収集していることを暴露した、“スノーデン告発”。渦中の人物であるエドワード・スノーデン氏本人のロングインタビューを含んだ『シチズンフォー スノーデンの暴…

ニューカマーはみな明るい場所をめざせ、『ブルックリン』見てきた

映画『ブルックリン』は、1950年代のアイルランドとニューヨークが舞台。ヒロインが着こなす色鮮やかな当時流行のファッションも見もの。故郷の安定と新天地での新しい暮らしに揺れるヒロインの心情を丁寧に追ったストーリーは、いつの時代のニューカマーに…

『独裁者の部屋』再放送を見て、独裁者を打倒する方法を考える

七夕に願うのは家内安全。千や百の家内安全が集まった先に、世間の平和もあると考えるお花畑の住人。自由がいちばん好きさ。 2015年の日本賞を受賞したドキュメンタリー作品『独裁者の部屋』の再放送1・2回目を見た。 www.nhk.or.jp 民主主義の価値について…

囁くような小さな声しか聞こえてこない、『ひそひそ星』見てきた

邦画では珍しいSF、しかもモノクロ。ごりごりのハイテクノロジーで魅せるSFではなく、きっとストーリードリブンな作品に違いないと思って見に行った。ゆっくりと流れる時間について、つい思いを馳せる。そんな映画だった。 園子温監督作/映画『ひそひそ星』…

二回見てようやくその良さがわかったような気がする『バベットの晩餐会』

シアターキノにてデジタルリマスター版を鑑賞。“空腹時のご鑑賞にはお気をつけください”との注意書きつき。美食、贅を尽した料理の数々が、かたくなになったココロもとろかし、束の間の心の平穏を取り戻す。ご馳走の効用を、イヤというほど教えてくれる。 バ…

エリザベス女王もかつては19歳のお嬢さんだった、『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』見てきた

タイトルが長い。。御年90歳におなりになった、イギリスのエリザベス女王。イギリス史上最高齢・最長在位を誇る彼女が女王となる前、19歳の日の「或る夜の出来事」を描いた『ロイヤル・ナイト』を見てきた。 エリザベス王女が秘密の外出を楽しんだのは、1945…

『花、香る歌』見てきた

ロマンチックなタイトルと、可憐な立ち姿のヒロインに惹かれて見てきた『花、香る歌』。 19世紀後半の朝鮮時代末期を舞台に、タブーを破って伝統芸能“パンソリ”初の女流唄い手となった、実在の人物を描いた伝記映画。地理的には近いのに、その国の文化や伝統…

とぼけた味わいが魅力の『孤独のススメ』を見てきた

ひとことで言えば、とぼけてる。一風変わったおかしみが味わえるオランダ映画『孤独のススメ』を見てきた。タイトルに反して中身はコメディー。哀しみというスパイスもふんだんに取り入れて、わかりやすい喜劇ではなかったけれどこういうのも好き。 オランダ…

ひとりの女性を襲う、徹底的に理不尽な運命を描いた『チェンジリング』

サブタイトルをつけるのなら、THE理不尽。世に母と子供の愛情や愛憎を描いた“母もの”の映画は数多くあれど、これほど理不尽な目に遭う女性はちょっと居ないんじゃないかと思う悲劇の母を、アンジョリーナ・ジョリーが演じてる。 子供の失踪事件×警察や権力構…

異人種間結婚をコメディーにした『最高の花婿』見てきた

異人種間結婚が20%にもおよぶフランスが舞台。人種も宗教も異なる、「期待はずれの婿」を迎える羽目になったファミリーを描いた映画『最高の花婿』見てきた。上映時間97分のうち、8割くらい笑いっぱなし(*^-^*)で超絶楽しかった。 難しいことばで言えば、多…

出口のない世界を生きる『ヤクザと憲法』見てきた

DVD化の予定なし上映期間も限定的と、完全に限定ライブを見に行くような好奇心で見に行った。ヤクザとも暴力とも無縁な一般市民が見た感想は「これ、出口のない生き方や」だった。 暴力団対策法、暴力団排除条例が布かれ、ヤクザは全国で6万人を割った。この…

舌噛んで死んじゃいたいと知性と優しさと

この本の影響から、一生抜け出せそうにないのが『赤頭巾ちゃん気をつけて』。 1969年に刊行された、もう少しで半世紀に手が届きそうな古い本。 赤頭巾ちゃん気をつけて 改版 (中公文庫) 作者: 庄司薫 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2012/12/19 メデ…