ハムレットが異世界転生ものと出会って、主人公に華やかに激しく生きることが似合う名前を付けたら、『果てしなきスカーレット』。
映画公開時は見逃した『果てしなきスカーレット』を、Amazonプライムで見た。ハムレットといえばシェークスピアの有名な悲劇のうちのひとつで、to be or not to beと主人公が苦悩するお話。
『果てしなきスカーレット』は、ハムレットの翻案ともいえるお話だから、主人公のスカーレットも苦悩するけれど、その姿は華やかに激しく生きることがよく似合う名前を背負っているものだから、ハムレットが苦悩する姿とはだーいぶ違う。
さらに、異世界転生ものと出会うことで”復讐”とは全く異なる世界とも隣り合わせ、世界や視野を拡張する大切さも盛り込んでくる。
そもそもがハムレットという悲劇の翻案ものだから、見終わったあとはすっきり爽快という作品ではないけれど。恐らく何度も翻案を重ねた作品を、現代に通じるようにアニメで表現したらこうなるんだという意味で、面白い切り口だし試みだと思った。
ひどい目に遭う若年の主人公が、作品のなかで成長を、それも精神的な成長を遂げるというビルドゥングスロマンを踏襲してもいるから教養的で、その種の知識を動員して見るとより面白く見れる作品なんだと思った。
若干不謹慎だけど、超有名作を素材に何ができるか。という挑戦かつ冒険でもあって、挑戦かつ冒険に対して肯定感が強いと作品にも肯定的で、挑戦や冒険に対する肯定感が強くないと、作品に対しても肯定的になれない。そういう評価を引き出しているのかも。かもかも。
お盆休みに突入して、お盆ともなると空気もヒンヤリしてきて、初秋の気配も薄っすら漂ってくる土地柄。

チェーン店(複数店舗がある、という単純な意味でのチェーン店)での食べ歩き体験がテーマのコラムをまとめた『令和になっても気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』*1も読んだ。
そもそも街歩き雑誌に連載されていたコラムだから、気軽に読める。構えずに読めるけれど、何十年もずっとチェーン店の盛衰を見てきた著者によるコラムだから、細かいところによく気が付いて、その視点や着眼点が面白かった。
コロナの頃のワンシーンを切り取ってもいるから、大袈裟に言えば現代史、特に生活や暮らしに関係する現代のワンシーンが凝縮されている。
列挙されるチェーン店の中には、そもそも馴染みが薄いお店も取り上げられているけれど興味を惹く箇所が何か所もあり、もしもチェーン店がなかったら街の景色や外食シーンの光景は、ずいぶんと違ったものだったろうと読み終わって思った。
用事があって、それなりの人口=市場規模がないと成立しないお店に出向き、その後お腹が空いたらどこで食事するのか。という食事や外食以外が目的で出掛けた時の食事問題は、大体チェーン店が担っているのが都市の姿といっていいはず。
あって当たり。普段は意識することもないけれど、もしもそれらのお店がなかったら、街の姿はどうなっていたんだろうと考えるのはあんまり愉快じゃない。愉快じゃないから、愉快ではないエピソードも含まれている。
未知なる外食チェーンのお店の名前もいっぱい出てきたけれど、街には次々と外食産業から新しい形態のお店が送り出されるものだとつくづく思った。そういう意味では、シリーズ4作目となる今作は、産業のお話でもあるんだろう。
気楽に読めるは構えずに入れると相似形で、ハードルの高いものしかなかった時は、本でもお店でも、手に取るはずがない。あるいは、手に取ってもらえる可能性はぐっと低くなる、という点でも一緒。
*1:kindle版2026年6月1日発行

































