クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

レビュー

文学者が考えた、お金についての異色の本『エンデの遺言 根源からお金を問うこと』読んだ

お金お金、お金お金、お金お金~♪という某マネー番組のテーマソングが、至極しっくりくる仮想通貨バブルが盛り上がってはじけそうな今日この頃。 現金や金塊のように、実体のあるリアルマネーとはまた違う。紙幣や硬貨といった実体もなければ信用の裏付けも…

ウルヴァリンとコーヒーとエチオピアと

1時間くらいのドキュメンタリーを探していて見つけた、『デュカリの夢』。 ハリウッドスターがエチオピアの貧しい村を訪れ、コーヒー栽培農家の生活を体験。その体験をもとに、ハリウッドスターだからできる貧困支援プランがカタチになるまでを追ったもの。…

才能を育てたいというのも欲望の一種、『ギフテッド』を見た

映画には「数学もの」とでも呼びたくなるような、数学者を取り上げた作品、古くは『グッド・ウィル・ハンティング』から『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』に『ビューティフル・マインド』と色々あるけれど、『ギフテッド』も数学もの…

高名な人を別の角度から分析した『一茶の相続争い』読んだ

高名な俳人を、「遺産争い」という別の角度から眺めてみた本 小林一茶といえば、俳句の世界の超有名人。 我ときて遊べや親のない雀 めでたさも中くらいなりおらが春 雀の子そこのけそこのけお馬が通る やせ蛙負けるな一茶ここにあり 有名な句を並べると、そ…

後世に宝物を残すという勝ち方『ブレンダンとケルズの秘密』見てきた

美しい絵本のようなアニメーション映画、『ブレンダンとケルズの秘密』見てきた。 日本の萌え絵やディズニーアニメを見慣れていると、新鮮に感じるちょっと古風なキャラクターに作風は、アイルランドと呼ぶより、ケルティッシュと呼びたくなる。音楽も、幻想…

みんなで楽しく儲けよう♪が悪夢に変わる『マネーモンスター』見た

生放送中の人気テレビ番組に、銃を持った不審者が闖入し、司会者を人質にするというパニックもの。 バグってなんだよ? お金は目的じゃない、知りたいのは「真実」と言われちゃったらどうする? 目撃者となる視聴者は、とっても無責任 大衆が望むのは、偉い…

クズにはクズなりの理由がある『ラリー・フリント』見た

PLAYBOYの創刊者ヒュー・ヘフナー死去のニュースに、そういや彼を主役にした映画があったよな。。とAmazonを探してみたところ、ハスラーの創刊者ラリー・フリントと勘違いしてたことが判明。 ハスラーは劣情をウリにする下品な雑誌 ベビーブーマーが彼らに富…

失敗から学べることは多い『古文書返却の旅』読んだ

『古文書返却の旅 戦後史学史の一齣』という、タイトルからして取っつきにくさ満点。ちなみに、“一齣”の読み方がわからなくてグーグルさんに聞いた。“ひとこま”と読むらしい(帯にはしっかりルビが振ってあった) 古文書返却の旅―戦後史学史の一齣 (中公新書…

テレビドラマをリメイクしたサスペンス映画『消されたヘッドライン』見た

連続ドラマを見るような根気はないけれど、ドラマっぽいものは見たい暇つぶしにちょうどいい、『消されたヘッドライン』見た。 消されたヘッドライン(字幕版) 発売日: 2017/03/17 メディア: Amazonビデオ この商品を含むブログを見る 消されたヘッドライン (…

ハンバーガーがちっとも美味しそうに見えない、『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』見てきた

優秀なセールスマンは、なんでも売る人のこと。 では、この映画の主人公であるマイケル・キートン演じるレイ・クロックは、優秀なセールスマンかというとちょっと違う。何でもは売れなかったから。彼がとっても上手に売ったのは、ビジネスモデルというツルハ…

身近だけどよく知らない、『日本海 その深層で起こってること』

今日から9月。 ・日本代表2018年ワールドカップに出場決定 ・民進党代表に前原氏が選任 ・アメリカ中間層でオピオイド中毒が深刻化 文章を読むときには、それが一体いつ書かれたものなのか。とっても気にする。毎日大量のニュースを読んでいるけれど、今日…

ローカルスタンダードがグローバルスタンダードになるか『Suicaが世界を制覇する』読んだ

タイトルには、“アップルが日本の技術を選んだ理由”と続く。なぜアップルが、国際標準でもないSuicaをApple Payに採用し、JR東日本をビジネスパートナーに選んだのかが、よくわかった。 Suicaが世界を制覇する アップルが日本の技術を選んだ理由 (朝日新書) …

銀行マンと独立系映画産業の蜜月を描いた『ハリウッドがひれ伏した銀行マン』見た

銀行マンと映画産業。 一見食い合わせの悪い両者がコラボしたら、どちらのビジネスも大変潤うことになったとさ。1980年代の独立系映画の隆盛を、金融面、お金の面で支えた人物にスポットを当てたドキュメンタリー。 ハリウッドがひれ伏した銀行マン(字幕版…

お口直しにドリュー・バリモア

ドリュー・バリモアが出てくる映画『2番目のキス』と『ラッキー・ユー』見た。

原油価格はなぜ乱高下するのか『石油を読む』読んだ

2017年2月に刊行された第三版。石油あるいは原油まわりの基礎知識とシェール革命も織り込みながら、最新の事情まで追った一冊。”石油がなくなる詐欺”にも、これを読んでおけば騙されない。 石油を読む〈第3版〉 (日経文庫) 作者: 藤和彦 出版社/メーカー: 日…

高効率で豊かになる社会で、さぁ何しましょ?『スマホでサンマが焼ける日』読んだ

タイトルの勝利で、ついお買い上げ。 (本文とは関係のない画像。でっかいイチゴやでと見せびらかしたかっただけ。) 5年前だったらエイプリールフールネタかな?と一顧だにしなかったけれど、今だったらアリだと思う『スマホでサンマが焼ける日』。 スマホ…

ローマの休日生みの親は、癖のあり過ぎるオッサンだった『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』見た

30℃越えの暑さに負けて、今年初めて扇風機のお世話になる。エアコンのお世話にならなくても済むあたりが、北国仕様。夜になると、風も冷たい。 Amazonビデオで、たまりにたまったウォッチリストの消化活動に励む。つっても、そんなにサクサク進むわけないん…

気候はライフスタイルと直結、『人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか』読んだ

温故知新という言葉が示す通り、古い事柄を調べることで、新しい知見が得られることもある。例えば、1万年以上にわたって通用した経験則が、これからはまったく通用しない可能性だってあることとか。 『人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これか…

実験的な映画、『アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発』見てきた

人はなぜ一線を越えるのか。そして一線を越えかねないことを暴かれた人々は、どう反応するのか。 ハンナ・アーレントが指摘した、ナチス犯罪者アイヒマンが陥った“悪の凡庸さ”。“悪の凡庸さ”を科学的に実証しようとした、社会心理学者のミルグラム博士と彼が…

百聞は一見にしかず『異邦から/へのまなざし―見られる日本・見る日本』読んだ

京都にある国際日本文化研究センター(=日文研)が設立されて、早30年。 日本の文化・歴史を研究する機関なのに、頭に「国際」とついているのは、世界の中で日本の歴史や文化をどう位置付けるのかを、研究命題としているからだとか。 創立30周年を記念して…

チーズとサイエンスのマリアージュ『チーズの科学』読んだ

10年前あるいは20年前と今の日本の家庭料理を比べた時、もっとも顕著な違いは「チーズの登場頻度」じゃないかと思ってる。特に最近人気のレシピ動画では、デザート以外でもチーズが頻出、トローリとろけて伸びてる。 すっかり日本の食卓でも身近になったチー…

先進国と新興国が直接つながることで起きた悲劇『汚れたミルク あるセールスマンの告発』見てきた

世界一の巨大企業、言わば巨人を相手に闘うことになった末端のセールスマンを描いた『汚れたミルク あるセールスマンの告発』見てきた。 『ノー・マンズ・ランド』のダニス・タノヴィッチ監督による、実話をベースにした幻の問題作。先進国と新興国が直接つ…

稼ぐことにしか興味がない国だから滅ぼされた『ある通商国家の興亡 カルタゴの遺書』読んだ

“ハンニバル“といえば一般的にはハンニバル・レクター、ハンニバル・ザ・カニバルの方が有名だけど、カルタゴの名将ハンニバル将軍の方が断然好き。象を率いてアルプスを越え、イタリアにまで攻め入ってローマを震撼させた人。ちなみに、紀元前のお話。 すべ…

子役の少年が超絶カワイイ『LION/ライオン~25年目のただいま~』見てきた

Google Earthで起こした奇跡(映画公式フライヤーより引用) とはちょっと言い過ぎだけど、公開情報大事、超大事。ということが実感できる、『LION/ライオン~25年目のただいま~』見てきた。 LION/ライオン 25年目のただいま ちょっとタレ目でまん丸の大き…

博物館級のドレスにうっとり『メットガラ ドレスをまとった美術館』見てきた

NYのメトロポリタン美術館で開催されるファッションイベント、メットガラ。映画スターや歌手といったセレブたちが、超豪華な衣装で登場することで超有名なイベント。 そのメットガラに密着したドキュメンタリー、『メットガラ ドレスをまとった美術館』を見…

偉人の数奇な人生を描いた『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』見た

グーグルのトップロゴで紹介されたら、その人は偉人。 数学者で科学者のアラン・チューリング。チューリングマシンでその名を後世に残す、普通じゃない人の人生は、やっぱり普通じゃなかった。 ベネディクト・カンバーバッチがアラン・チューリングを演じる…

『暴露の世紀 国家を揺るがすサイバーテロリズム』読んだ

ツールがあったら使ってみたくなるのは人情というもので。 アメリカの諜報機関NSAから「XKEYSCORE」というメールや通信記録の収集・探索が可能な監視ツールの提供を受けた日本側の人、使ってみようと思わなかったのかしらねぇ。。 スノーデン事件にパナマ文…

『チャットボット AIとロボットの進化が変革する未来』読んだ

Amazonの人口知能「Alexa(アレクサ)」を搭載した、echoの日本発売を心待ちにしてる。Echoは、音声を認識するチャットボットという理解で、多分いいはず。 ところでチャットボットって何なのさ???ということで、『チャットボット AIとロボットの進化が変…

スカーレット・ヨハンソンが凛々しい『ゴースト・イン・ザ・シェル』見てきた

スカーレット・ヨハンソン演じる少佐、意外と違和感なし。アニメそのままというには、グラママス過ぎるところが玉に瑕?でもいいの、美しいから。 見てきたのは、2D吹替版。 スカーレット・ヨハンソンの義体に接続された、少佐こと田中敦子の声と思えば、楽…

ニセモノでもマスメディアになれるのか『ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか』読んだ

しばらくカネカネカネと、お金や決済に関する文章を詰め込みまくったので、毛色の違ったものでお口直し。『ネットメディア覇権戦争 偽ニュースはなぜ生まれたか』を読んだ。 この季節、4月にしては30年ぶりとかいう名残り雪が吹雪まくった翌日の最高気温は、…