クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

『終わりで始まりの4日間』、大して期待してなかったけど良かった

朝起きたらしっかり雪。白い悪魔が散らついてた。

 

ついにやってきた冬将軍に意気消沈。最高気温もひとケタ台と可愛らしい数字が並び、望みは何かと聞かれたら冬眠したい。寒い屋外に出るのがイヤさ。

 

というわけで、外出たくないわーとアマゾンプライムビデオを漁っていて見つけた掘り出し物、『終わりで始まりの4日間』。

 ナタリー・ポートマンが超かわいい。2004年公開の映画だから、今より10歳以上若いナタリー・ポートマンの笑顔が、キラキラ輝いてる。溌剌。キュート。『レオン』のあの子がそのままスクスクと育ち、眩しい笑顔を見せてくれるからいいの。

 

かわいい子役がひん曲がって成長した姿なんて、見たくもないやね。

売れない役者のアンドリューには喜怒哀楽の感情が欠落していた。それは過去のトラウマからなるものだったが、彼はその事実と向き合おうとしない。

そんなとき、母が亡くなった。LAから久々、故郷のニュージャージーに帰ってきた彼は、天真爛漫な少女サムに出会い、少しづつ心を開いていく。
Amazon作品紹介より引用)

 主人公のアンドリューを、ザック・ブラフが演じてる。主演で監督で脚本も書いてる、多才やーん。

過去にトラウマありだけあって、無気力・無感動。ついでに無慈悲も加えてもいいかもしれない。母を亡くしたばかりの父親にも冷淡だから。

 

過去のトラウマ、それも相当に重いやつを、ギリシャ神話のアトラスみたいにどどーんと背負っちゃってるから、アンドリューはいつも憂鬱そう。暗いんだ。

 

母の死でもなければ近寄りもしなかった故郷に、戻って来たアンドリュー。旧友との再会もあれば、新しい女の子との出会いもある。

 

新しく出会った女の子・サムを演じるのがナタリー・ポートマン。超キュートなヒロインで、元気いっぱい。アンドリューとは対照的に、家族からの愛情をいっぱいに受けて育っている。

 

家族間トラブル持ちで陰鬱な青年と、家族から愛情をいっぱいに注がれて育った天真爛漫な女性との組み合わせが、意外としっくりうまくいく。

 

サムがいい意味で鈍感で、アンドリューの憂鬱オーラに染まることがないのがいい。

 

人生のしょっぱなからトラブル続きで、その後の人生も決して順風満帆とはいえず、にもかかわらず、ある程度は裕福だからガムシャラになる必要もなかったら、アンドリューのような青年が出来上がっても不思議はない。

 

人生も家族も思い通りにいかなくて、憂鬱な毎日に突如差し込んだ、まばゆいばかりに輝く女の子がサム。

 

アンドリューのように憂鬱なタイプの男性が惹かれるのは、同じくトラウマ持ちとは限らないとこが面白い。もしかすると同類相哀れむのは、むしろイヤなのかもしれない。

 

足りない部分を持ってる相手だから惹かれていくけれど、帰省中のアンドリューには帰るべきところがある。どうするのかな???という当然抱く疑問に、ラブストーリーらしさ満点、かつそれまでの家族間トラブルにも見事にオチをつけてくるからいい。

 

帰省してたきた街のどんよりした空気。今さら面白いとは思えない遊びに興じる同世代への戸惑いや違和感も、一度故郷を離れた人ならきっと心当たりがある。気怠いけど、幼馴染はアンドリューに気を使ってもいて、優しくもある空気。

 

盛り上がりに欠ける展開を、それでも最後まで面白く見れたのは、見てるこちらが刺激にはもう飢えてないせいか。それとも脚本が上手いせいか。

 

家族や人生の重みも、最後にはスルッと解決して、思いがけない爽快感が待っていた。

 

公開された映画 → DVD → アマゾンプライムのような見放題サービス

になるたびに、”漏れる”作品が出てくるのはきっとある。それでも、映画なら映画を商材に選んだ人たちは、自分たちのサービスに付加価値をつけるために、掘り出し物を掘り出してくると思ってる。

 

おすすめ作品には、見たことも聞いたこともない映画のタイトルや俳優さんの名前が並び、割とラクチンに、出会うこともなかった作品に出会っておりますことよ。

 

お休みなさーい。