クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

新幹線が開通したら、きっと札幌の未来もこうなるんだろう。

早咲きの桜が満開、ソメイヨシノもそろそろ開花しそうと南の方からは桜前線上昇との便りが聞こえてくる頃、札幌にはまだ雪。

 

といっても市内中心部でたっぷり、あるいはどっさり雪が残っている箇所はどっちかっていうと観光客向けという感じ。実用的に使われる人通りの多い場所はもうほとんど雪もなく歩きやすい。


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雪深い季節には通行禁止となる創成川公園も、もう今なら歩ける。


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(こちらはちょっと前の円山公園

雪が解けた春先が、最も閑散とする時季なんだと以前観光に行った温泉地で聞いたことがあるけれど。転入転出で民族大移動のシーズンでもあるから、街中はやっぱり年中人が多い。

 

2023年度(2023年4月〜2024年3月)はとにかく遠方へのお出かけが増えた。

 

新千歳空港の次によく行ったのは、福岡空港。空港から地下鉄で博多駅に向かうという使い方。山陽新幹線にも久しぶりに乗った。行くたびに、街がきれいで立派になっていくのを感じてる。博多一箇所だけがきれいで立派になってなっていってるわけではなく、波及効果が徐々に周辺まで拡がっていって、“成長期”に入ったんだと思った。

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北海道新幹線の札幌延伸に向け、札幌駅は今大工事中。工事中の状態が数年は続くからきれいで立派になった姿は想像しにくいけれど、札幌に新幹線が開通した未来はきっとこうなるんだろうと、博多や新幹線沿線を眺めてた。

 

商用公用私用と、純然たる観光目的以外にも“用事”で訪れる人が多いのが都市で都会。そして用事のついでに観光名所を訪れ、名物を買ったり食べたりしてる。

 

荷物が多いと行動範囲はせまくなり、荷物が少なく身軽だと行動範囲は俄然広くなる。

 

小さなお子様連れだと身軽に動けない代わりに、お子様連れには必須な場所、オムツ替えやその他が使いやすいきれいな場所には詳しくなるし、何だったら身軽に動き回れるコツみたいなものにも詳しくなる。

 

荷物が少なく身軽だと行動範囲は広くなって、下手したら住まいと職場を往復するだけの人より詳しくなっていくかもしれない。

 

その街にしかないものがどこにあるのか。その街に不案内な人間でも使いやすい場所やサービスはどこにあるのか。その目で見て確かめていくから、一度しか来ない人たちよりも見る目は厳しくなる。

 

だから、商用公用私用と観光目的以外で訪れる人が増えて多くなると、厳しいチェックをくぐり抜けたものが残っていくことになり、街がきれいで立派になっていく。

 

使う人の声を反映したものが残っていく。ユーザー目線とはつまりそういうことで、空港には飛行機に乗る人のための、新幹線の構内には新幹線に乗る人のためのサービスが作られていく。

 

必要とする人のために必要とするものを作ると、お金が落ちる。落ちたお金がその地を豊かにし、だから街がきれいで立派になっていく。言葉にすればそれだけのこと。

 

とはいえ使わない人を想定した施設設計から、使う人を想定した施設設計への転換は、言うほど簡単ではなかったんだろう。

 

ユーザーフレンドリーな場所は、ユーザがいっぱいで混み混み。時間的余裕や金銭的余裕があれば、混雑を回避する手段も複数になる。

 

金銭的ゆとりが博多駅や空港に集中すれば、空港や駅がきれいで立派になり、時間的ゆとりが空港や博多駅よりも離れた場所をきれいで立派にしていく。最も繁華な場所だけでなく、郊外や周辺にまで波及していくのならそういうことで、金銭的余裕だけでも成らず、時間的余裕がある人も巻き込んでいるから成長軌道に乗れて成長が続く。

 

この場合貧乏暇なしは成長痛のようなもので、痛みを乗り越えればどちらかの余裕に恵まれるんだと確信できたとき、成長は加速するんだろう。

 

そして新幹線が札幌に開通したとき、札幌の未来もきっとそうなるんだろう。金銭的余裕と時間的余裕という、成長の糧となる双方の余裕を食い潰しさえしなければ。

 

博多市内の土地勘には乏しいので、ものすごく目立つ場所にあるホテル以外、すんなりたどり着ける自信がない。そんな時は新幹線でひと駅、小倉(こくら)駅の駅前にあるホテルを選ぶ方が確実にたどり着けるしわかりやすい。

 

博多〜小倉間は、北海道に置き換えると感覚的には札幌〜小樽間のようなもの。空港行き特急、快速エアポートが停車する小樽は札幌よりも見通しがきくから、観光客も目的の場所を探しやすいはず。新幹線が開通して新小樽駅ができた時には、また変わるのかもしれないけれど。

 

ついでに土地勘の全くない場所ほど、見るもの全てが物珍しくて面白い。私にとっては初めて訪れた小倉がそうだった。意外ときれいでステキなリバーサイドにお城。想像以上に狭い商店街は休前日のせいもあってか賑やかで、雰囲気を味わうのにちょうどよかった。


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息抜きする場所、実用的に使う場所。あるいは逆に背伸びする場所と、旅慣れるほどに複数の場所を使い分けるようになるのかも。

 

交流人口の拡大の具体的なイメージとは、つまりそういうことになるんだろう。