クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

車やレースに興味関心が薄くても楽しめる、『F1/エフワン』見てきた

ブラッド・ピットといえば、ハンサム。ブラッド・ピットといえば、カッコいい。人好きのする笑顔が魅力的な美青年は、年を取ってもやっぱりカッコよかった。

 

ブラッド・ピットがカーレーサーを演じる映画、『F1/エフワン』見てきた。観終わったあとの気分は、爽快。

 

優勝圏外のチームに招聘された、ブラピ演じる主人公のソニー・ヘイズは、レーサーとしてのキャリアは長いけれど無冠。無冠だけどキャリアは長く、正攻法ではない走り方も知っているクセの強い人物。

 

音速の貴公子というキャッチフレーズを背負ったF1界のスーパースターがいたけれど。貴公子でもなければスーパースターでもない。だけどプレーヤー=レーサーとしてのキャリアは長く、一定の評価は得ているかつての天才、今は職人気質なレーサー役を、ギラギラ野心を燃やす必要もなくほどよく枯れた(=渋くなった)ブラピが、年齢相応に演じていて好感度大。カッコいい。

 

映画は全編にわたってF1という祝祭の場に相応しい賑やかな音楽に彩られ、演出も派手。娯楽映画はこうでなくっちゃという趣向でいっぱい。F1の売りはなんと言っても爆音だから、大きなスクリーンでまずは見てみたかった。

 

ストーリーも娯楽映画らしく、過度に複雑になり過ぎず、とはいえ緩急はしっかりあるので退屈はしない。娯楽としてとっても安心できるつくりになっていた。楽しめる。

 

『リバー・ランズ・スルー・イット』から何十年も経つと、かつての美青年も渋くなって日本流に言えばすでに還暦を越えている。還暦を越えても鍛え上げられた身体には洗い晒しのジーンズやシャツというカジュアルなスタイルがよく似合い、ひと昔前の60歳オーバーとは全然違う。

 

『リバー・ランズ・スルー・イット』ではフライ・フィッシングというものがあることを知り、『セブン』や吸血鬼ものなど彼が主役でなければ見ることも記憶に留めることもなかった。それら多数の作品を思ったとき、観客を呼べるビッグスターの偉大さがよくわかる。

 

『F1/エフワン』で、ビッグではないレーサーを演じるブラピは、息子のような年齢のチームメイト、ジョシュア・ピアスと衝突しながら共にトップをめざす。ジョシュア・ピアスにはステージママのように母親が付き添っていて、お金のかかるモータースポーツの最高峰であるF1にさえ参入できる、ニューリッチらしい雰囲気でいっぱい。

 

時速300キロで超高性能マシンが走り回るサーキットは時には大破して、安全第一な大衆車の世界とは真逆。

 

真逆だから、クラッシュのようなマイナスイメージが先行すると、少子高齢化でただでさえ少ない子供を危ない目には遭わせたくないと、新規参入できる土壌(=資金に余裕ができた)が整ってもニューカマーの参入は捗らなくなるかもしれない。

 

作中で主人公のソニー・ヘイズは、何度か「お金が目的じゃない」と繰り返す。清貧から生まれてくる台詞ではなく、界隈が潤ってお金が回るためにはリスクがあってもリスクを乗り越えなくてはならず、お金という余裕があればリスク対策にお金が回せるということなんだと、個人的には理解した。

 

着飾った人々が集い、投資対象としてチームを値踏みする。

 

自動車産業オイルマネー、さらにいえば道路を作る人、そうした産業にとっても祝祭の場であるF1やサーキットは、大衆車一台売って儲けはなんぼという世界とは対照的で、一度に動くお金は桁違い。

 

大衆車一台売ってなんぼでは足りないお金が、やりようによっては瞬く間に集まる。そういう場が、安全第一で想定外が許されなくなると予定調和、言い換えれば出来レース色に染まると観客は興ざめで、お金も集まらなくなる。

 

産業が潤っていれば興行も派手で、ド派手な興行がニューリッチを産業に運んでくる。そうした好循環の一環が、モータースポーツを題材にしたコンテンツ。なのかもしれない。

 

お金が目的ではないソニーが求めるものは、お金では買えないもの。走り切った時の爽快感や、チームが一体となった時の達成感や高揚感も、お金では買えない。

 

お金では買えないものだから、自らやりだし走り出す人が増えたとき、年齢相応に枯れて渋くなっても人好きのする笑顔は相変わらずでそのまま。カッコいい人は年を取ってもカッコいいままで、例え見たこともないような変わった車に乗っていてもステキだった。


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札幌では今年も大通公園でビアガーデンが始まって、夏真っ盛り。狸小路の狸が二匹で羊は一匹。祝祭気分もいっぱいさ。


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