クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

熱狂が変える景色

ポケモンGO旋風が、ここ札幌でも猛威をふるっているのか。ゲームとは無縁の生活なので、その辺りのことは確かめようもない。

 

スマホ画面を凝視しながら歩く人が、気持ち増えたような気もするけれど、そもそも札幌は観光地。歩きスマホの人を見かけるのも日常のこと。とつぜん車や自転車の前に飛び出してくれるなよ、と願うばかり。

 

ゲームとは無縁の生活だけど、ゲームを毛嫌いしてるわけでもない。単に、「ゲーム楽しい(*´▽`*)」という回路が開くには、時間がかかりすぎるだけ。他のことをしていた方が、楽しい!という回路がパカパーン!!!と開きやすいだけ。

 

ポケモンGOで気軽に街へと飛び出す人たちは、エンタメを通じて気軽に行動を起こす人たち。

高校生からのゲーム理論 (ちくまプリマー新書)

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 テレビや雑誌は見ない・読まない、CMはスキップ、アドブロックも標準装備済みの「手強い」消費者であっても、ポケモンGOを通じてなら特定企業との接点が持てる。
手強いはずの消費者が、もっとも扱いやすい、チャラい消費者に変わる可能性アリ。

 

イングレスの時は、「ゲームは室内にこもってやるもの」という思い込みが覆された。ポケモンGOでは、マクドナルドのように特定企業がポータルに指定されることで、通常営業をしているだけで集客増につながる仕組みができた。

 

広告やメディアで人を動かすよりも、はるかに大量かつ確実に「人を動かす」方法が確立されたことになるから、ゲームをしない人間でも、今後のなりゆきにはすごーく注目してる。

 ポケモンGOでポータルになれば、客が勝手に寄ってくるんだから。

 

オールドタイプの広告は、ますます意味がなくなって、ダイレクトメールや勧誘電話といったものも姿を消すかも。そうなれば、勧誘目的の個人情報収集も意味がなくなる。合法であっても、気付かぬうちに個人情報が企業から企業へと譲渡されてるような事態が減るのは歓迎。

 

今はまだ位置情報ゲームそのものが黎明期だから、ポータルになっているのも大企業だけ。位置情報ゲームがもっと浸透して、ポータルになる企業の顔触れが変わってくると、「人の動き」もまた変わる。

 

夏のイベントシーズンに合わせて、アウトドアメーカーがスポンサーとなり、キャンプ場なんかをポータルにしても面白そう。

 

レアなキャラクターの配置を過疎ってるキャンプ場のある場所に設定すれば、過疎地に人を誘導することもできる。

 

「人を動かす」のはビッグ・ブラザー的発想でもあるけれど、21世紀のビッグ・ブラザーは、恐怖ではなく楽しさがベースになっている。楽しさがベースにあるから、一日に2万歩あるくのもヘーキになる。しかも、2万歩あるいてもニコニコしてる。すごいよね。

 

金銭がベースになっていたら、報酬に対しての適切な労働かどうかを考えて、働き過ぎをセーブする。

 

恐怖がベースになっていたら、労働の成果物にどれほど価値があっても、隙あらば逃げ出そうとする。

 

ポケモンGOは、「楽しい」で回せる仕組みは時として途方もないパワーを発揮することを証明してる。「辛い」で回してる仕組みは、駆逐される恐怖に怯えてもいいくらい。

 

グリーと聞けばgleeと綴りたくなり、ディーエヌエーと聞けばDNAと書いて、ナニカガマチガッテルとグーグルさんで答え合わせするくらい、ゲームにもウェブサービスにも縁がない。

 

でも、楽しいで回ってる仕組みが生み出す熱狂と、熱狂によるパワーは知っている。

 

ポケモンGOに熱狂することはないけれど、ポケモンGOが生み出す熱狂が何を変えていくのか、考えることには熱心になれる。

bylines.news.yahoo.co.jp

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楽しくないと、やらないよ。お休みなさーい。