クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

今月タイトル買いした本2冊

夕方、J-WEVEを聴きながらご飯の支度。
 
 
流れてきた音楽は、『銀河英雄伝説』舞台版のテーマソング、『河村隆一 with 銀河英雄伝説  choir』。舞台では河村隆一ヤン・ウェンリーを演じるらしい。危うく包丁で指切りそうになるところだった。びっくりした。
 
 
J-WEVE×河村隆一×銀河英雄伝説。その組み合わせが驚きなのよ。銀河の歴史、新たな1ページ刻みすぎ。後世の歴史家を混乱のるつぼに陥れてどうするよ。

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暑さでぼんやりした頭も一気に覚醒した。本日気温はぐんぐん上昇し、日中気温は27℃に達していた。湿気が少ないせいか、気温ほどではなかったけれど、それでも暑かった。夕方に覚醒したところで夜更かしになるだけで、大していいこともなし。

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(白いハマナスの花。清々しい香りがする。)
 
本題の、今月タイトル買いした2冊。
 
『とこしえのお嬢さん』と『可愛い世の中』。セレンディピティに導かれ、タイトルだけでサクッと買ってみた。
とこしえのお嬢さん: 記憶のなかの人

とこしえのお嬢さん: 記憶のなかの人

 

 『とこしえのお嬢さん』は、御年94歳の老画家によるエッセイ。かつては東京芸大で教えてもいたらしい。文章を読んでる限りは年齢を感じさせず、若々しい。感性の若さを表してか、ブログ読んでるみたいだった。

 
 
岡本太郎小磯良平のような有名人から無名の戦没画学生まで。著者と袖すり合った人々にまつわるメモワール。著者はなにしろ94歳だから、戦時中のこと、学生紛争時代のこと、留学していた1950年代のパリのこと、東京オリンピックのことと、歴史的な出来事のことごとくを、身をもって経験してる。世の中の大 きな出来事を背景に、個人的な体験、自分史を語る。自分ごとで語ってるから、面白い。
 
 
ずいぶん適当だったんだね。。そう思う武勇伝も多数。
 
 
知己の多くがすでに鬼籍入りしてるだけあって、語られるメモワールも時におぼろげ。嘘かほんとか、本人にももはや判別がつかない。
 
 
ぼやっとした夢みたいな情景が、鮮やかに浮かび上がる。読んでるこちらも一緒に夢を見てるかのようで、儚い夢の場に、同席させてもらったようだった。
 
 
林芙美子「らしき」人に出逢ったエピソードが好き。長生きしたもん勝ちだ。
 

 

可愛い世の中

可愛い世の中

 

 『可愛い世の中』

こちらはタイトルに反し、可愛げがない、面倒な性格をした女性が主人公だった。
 
 
一般的な可愛げもなければ面倒な性格で、ステレオタイプにわかりやすい性格ではない女性の内面を綴ってた。わかりやすくないことが災いし、時には損もする。
 
 
主人公の面倒くささを、説明するのもメンドクサイ。メンドクサイのは、同じようなタイプの人が少ない、絶対的サンプル数に欠けてるから。
 
 
わかりにくいと面倒くさくなる。面倒くさくなることで、生き辛くなる。生き辛くなるからといって、わかりやすさに舵を切ることもないし、できない。わかりにくさと面倒くささを抱えたまま、そのままでいられる居場所を見つけるまでのお話、とでもいいましょうか。
 
 
主人公は30代なかばという設定。
 
 
日本の有史以来もっとも自由を謳歌したアラフォー・アラフィフと違って、今の20代30代を見ていると、「ちゃんとしなきゃ」の縛りがずいぶんキツそう。「社会に受け入れられる」ことに対するプライオリティーが高い。
 
 
社会に受け入れられるを優先させたら、個は後まわし。後まわしに何の疑問ももたず、適応できる人ばかりでもない。
 
 
適応できない人の数だけ、ライフプランも数が揃っていれば、面倒な人も面倒ではなくなるのかも。
 
 
こちらもスルッと読める、ブログのような小説だった。ブログのようなとはいえ、個人の心情をセキララに綴ったブログ、商業主義に押されてそんなにたくさんはないので、セキララっぽい心情に触れたかったら、こういう小説読んだ方が早そう。
 
どちらも、これ以上余計なモン頭に詰め込みたくないわーという、リラックスしたい気分の時におススメ。
 
お休みなさーい。