クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

もっすごい今さらだけど『スターウォーズ/フォースの覚醒』見た

 見たのは1月、レビューを書くのは2月と出遅れまくり。見ただけですっかり満足。足りないものもなく盛りすぎもなく、そのままの君がただただ好きなスターウォーズ


「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」予告編

それでも思わずにいられない。老けちゃったね、銀河共和国のメンバー。レイア姫、貫禄たっぷり。老けただけでなく、装備もイマイチ。恐怖政治を敷く銀河の覇者に立ち向かうレジスタンスからは若さが失われ、対する帝国軍は、ピッカピッカ。使い捨てOKな兵隊いっぱい、最新設備は何でも揃っていて、大丈夫なのかよ、銀河共和国あるいはレジスタンス。

 

頼みとするのは老いた超人ルーク・スカイウォーカーだけとか、なんて頼りない。大丈夫なのか、正義の味方。

 

レンジスタンスの姿に民主主義を重ね、民主主義でさえ老いるということかと、ほろ苦い思いで鑑賞した。老いた民主主義の希望の星は、はねっかえりのお嬢さんと、元一兵卒。あぁ頼りない。ヒロインが白人、ヒーロー候補が黒人で、ポリティカル・コレクトネスへの配慮もばっちり。行き届いてるね、さすが21世紀のスターウォーズ

 

老兵は去り、C-3POR2-D2のお馴染みコンビにBB-8が加わって、これからはロボットや人工知能の時代だよと念押しされた気分。BB-8が居れば、きっとレジスタンス100人分くらいの活躍をしてくれる。BB-8型の家庭用ロボットが発売されたらかなり欲しい。コロコロ動き回る働きもので、見た目もキュート。インテリアとしても申し分なし。機械に人の仕事が奪われる、それも近未来の姿だね。

 

チャンチャラッチャーン(^^♪と景気よく壮大で、素晴らしい物語の幕開けを予想させるテーマ曲はそのままなのに、中身はもひとつ景気良くいかないところが、もどかしい。強大な敵に立ち向かう酔狂な集団、レジスタンスの心許なさがそのまま表れてる。

 

もどかしくて、心許なくて、大丈夫かと先行きが心配になる。これすべて、現実世界で強大な権力や組織に立ち向かう何者かを表してるようで、勝手に現実を投影して見てた。

 

強大な敵は、世界中から優秀な頭脳が集まる例えばグーグルやアマゾンあるいはアップル。

 

グーグルやアマゾン、あるいはアップルに立ち向かう人や組織。酔狂すぎて、あるいは脆弱すぎて見てられない。同盟となるか傘下に納まり共存共栄をめざすのが現実路線。ところがスターウォーズはフィクションで作り物だから、現実とは違う物語が進行する。巨人、強大な敵に立ち向かう、酔狂な人たち。頼みは超人、ジェダイの騎士ルークとルークに教えを乞うことになるレイ。

 

スティーブ・ジョブズマーク・ザッカーバーグイーロン・マスクに。旧弊な世界を相手に新しい世界を切り開いてきたのは、いつだってひとりの超人。超人が作った王国がやがて次の帝国となって、ルールを作る。

 

これ神話だわ。スターウォーズは、大昔から繰り返されてきた栄枯盛衰をそのまんま踏襲してる(そんなことすでにたくさんの人が指摘ずみなんだけどさ)。今の時代に合わせたビジュアルになってはいるけれど、その中身は神話。悪しきを正すトールの槌も、時代に合わせて変わるだけ。今だったらグーグルアップデートと思えばぴったりくる。巨人の気まぐれで、右往左往するのは今も昔も変わらない。

 

結局のところ神話だから、登場人物も誰が何をするかもすっかりそらんじてる。そらんじている人によって語り継がれ、ますます強固なストーリーとなって世代を超える。

 

神話が世代を超えて語り継がれる。その現場を目撃してると思えば胸熱。お腹いっぱいで胸いっぱい。英雄譚を語り継ぐ吟遊詩人の訪れを待つような気持で、次作を楽しみにしてる。

スター・ウォーズ論 (NHK出版新書)

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神話の力

神話の力

 

 

お休みなさーい。