クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

ワラビがいっぱい

スズランを見に行ったついでに買ってみたワラビ。遠目から見ると手首くらいの量に見えたけど実は足首ほどの量があり、アク抜きという下処理を経ると水を吸ってか膝かな?と思うような量になった。

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ワラビがいっぱい。素材がいっぱいだから、アレも作ろうコレも作ろうとアイデアもいっぱい浮かんだけれど、しょう油味の佃煮を作るとあっという間に量がはけた。

 

作るのもあっという間なら消費するのもあっという間。山菜のシーズンになるとあちこちで山菜摘みらしき人を見掛けるのも納得で、消費に合わせようと思ったらせっせと摘むしかない。

 

保存性を考えたらやっぱりしょう油味で煮詰めるのが一番で、そればっかりだと飽きるのでオイルベースも試してみた。

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ワラビのペペロンチーノとワラビのアヒージョ。

 

にんにくとオリーブオイルにハーブ塩・鷹の爪ベースで、アヒージョにはマッシュルームとホタテ。

 

ワラビのペペロンチーノは、和風パスタにツナとレタス(or葉物野菜)を合わせてサラダに。ツナはベーコンやその他の動物性タンパクに変えても抜きでもよくて、ツナやレタスと和えたサラダは、マカロニを和えてもピザやガレットにトッピングしてもいいと思った。

 

ワラビのアヒージョはそのままでも卵(ポーチドエッグ)を落としてもいいし、茹でたポテトと和えればお酒のおつまみ系にもなりそう。

 

最後は好みの野菜(玉ねぎその他)と一緒にピラフや洋風炊き込みご飯にすれば、きれいさっぱり消費できるけれど、何しろ消費に追いつかないので、キクラゲと一緒にごま油で卵炒めや、オイスターソースで中華風にまでは至らなかった。

 

要するに、“そこでしか採れそうもない旬のもの”があったら食べたいと思うのがつらつらと書き連ねたワラビの利用法で、その種のものがその近辺でも食べられたら観光に来たという気分が盛り上がる。ありがちな利用法、例えば山菜そばくらいしかなかったら工場見学にでも来たような気分になる。

 

いつでもどこでも食べられそうなものが、ちゃんと美味しいというのはそれはそれですごいことで、例えば山あいの地方ではよく食べられるものとして“山菜そば”という食文化を選んだんだとも思える。

 

植生や環境がよく似た地域なら、東西(あるいは南北)を問わずに食文化もよく似たものに収斂していくのかも。

 

効率を言い出すと結局はそうなってゆき、食分野でもっとも高効率といえばやっぱりきっとマクドナルドでファストフードで、ファストフードであっても文化は文化ですでに食文化のひとつになっている。

 

文化だから好悪が分かれて、マクドナルドがあった方がスローな食文化も実は生き延びやすいんじゃないかと思った。家庭内に閉じていた食文化に外食という選択肢が加わり、外食のうちでもファストフードという選択肢が加わったことで、毎日食べても飽きないようなウチメシに回帰していくような。

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内でも外でも、選択肢が増えるほどに豊かさは実感しやすい。

 

家庭内に閉じていたウチメシは、担い手(作り手)が居なくなると外食やテイクアウトやデリバリーのようなものに頼るしかなくなり、消えたあるいは消えつつあるウチメシの代替という需要があるから、外食その他に家庭の味が引き継がれていく。

 

引継ぎ先のないウチメシ=食文化は消えていく。だから、ファストフードであっても引継ぎ先のある本来はスローフードの方が、生き延びやすいのかも。