クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

遠くに行きたい

地名としてはポピュラーでも(少なくとも北海道内では)、自分にとってはポピュラーではない場所、釧路に行ってきた。

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(朝の釧路川沿い。ウォーキングするのにちょうどよかった。)

サービスエリアの少ない道東道(どうとうどう)をただひたすら東へと走ること270~280キロあまり。札幌からだと300キロには達しないくらい遠くへ行くと、たどり着いたのはまずは道の駅阿寒丹頂の里

 

釧路が太平洋沿岸の街なら、阿寒は湖の街。空港からもそう遠くない道の駅は海から湖に至る道中にあり、釧路・阿寒・鶴居村といえばタンチョウ観光で有名なところ。雪原に舞うタンチョウの群れという景色も、個人的には北海道観光の定番のひとつ。

 

タンチョウなのか、それとも単なるツルなのか。行ったのはまだ夏といっていい9月初旬だったけれど、冬にだけやってくるわけではなくツルはその辺を飛び回ってた。


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(ツルとシカ。自然豊か〜。)

大型の鳥が空からバッサバサ舞い降りてくると、やっぱり迫力がある。これが冬で雪の中だったら、きっともっとファンタジック。

 

そして釧路といえば湿原で、”日本最大の湿原”というものもこの目で見てみたかった。

 

国立公園が大体どこもそうであるように、釧路湿原国立公園もざっくり周辺すべてが国立公園内で、初めて行くとどこを目指せばいいのかよくわからない。

 

よくわからないなりに、釧路湿原といえばトロッコ列車のような観光列車ノロッコ号での観光でしょ。と、釧路駅からノロッコ号にも乗ってみた。


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行ってきたのは9月の初旬で、まだ晩夏と言っていい頃。平日とはいえ遅い夏休みを満喫する人達多数で、観光列車もギッシリ。湿原ウォーキングを楽しむ人達もどっさりで、もうちょっと閑散としてるかと期待していたので予想と違ってびっくりだった。


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遅い夏休みでもこれほど混むんだったら夏休み期間中はもっと混み合ってそうで、観光するにも根性や忍耐力が試されそう。

 

湿原を歩くのか、眺めるのか(カヌーやカヤックで下るという選択肢もあり)。歩くにしても眺めるにしても何しろ国立公園内だから、どこでもご自由にというわけにはいかず。

 

より原初の面影を残した湿原を安全に歩きたいと思う気持ちにぴったりだったのは、温根内の木道。はるばる出掛けてでも見たいのはこんな景色。


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国立公園になる以前から湿原はそこにあり、昔っからその辺を歩き回ってた人達と違ってビジターは、決められた場所で遊んでる方が諸々安心で安全。

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(ひろびろホッカイドーな景色。)

国立公園になった方が後だから、単なる観光目的で訪れる人達とはまた別の目的、例えば一種の里帰りや墓参りのような気持ちで訪れる人達もいるんだろうとも思った。

 

ノロッコ号の出発駅でもある釧路駅やその周辺は、フツーに街で都市。


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居酒屋っぽいお店はすぐに目につくけれど、それ以外を見つけようとすると難しかった。

襟裳岬に行った時も思ったけれど、”いかにも”と思わせる典型的な湿原らしいor襟裳岬らしい観光客向けの景色はそのままな一方で、全然らしくない生活利便性が整った脱観光地な景色が広がっていた。

 

脱観光地エリア>観光地エリアだと観光ルートの整備が進み、観光地エリア>脱観光地エリアなほど観光ルートもゆるやかになってバラエティ豊かで自由度も高くなるのかも。

 

釧路といえば夕日。夕焼けが美しい街としても有名だそうで、確かに釧路川にかかる幣舞橋からの夕景色はキレイだった。


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橋からは海に抜けた景色、海の方から見ると装飾性あふれた橋のせいかおかげかヨーロッパ、あるいは行ったことないけどイメージとしてのイスタンブールっぽくってステキだった。


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夕暮れ時だけでなく、朝ウォーキングしていても気持ちがよかった釧路川沿いは、アートがいっぱい。

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歩きながら楽しかった景色は眺めるだけでも気持ちよく、海の方を見ても街の方を見ても眺めが良かったホテルの前には、円山動物園前にある彫像と同じテイストの作品が。

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一輪のユリを手に鳥の翼に乗った女性の姿は、童話か何かがモチーフなのかも。

 

ラムサール条約登録湿地という名称は、北海道内でいくつか(例えばウトナイ湖サロベツ湿原、大沼)見かけるけれど、日本最大の湿地を擁する釧路は日本で最初のラムサール条約登録湿地なんだとか。

 

1975年の登録から、もう少しで半世紀。半世紀も経てば湿原の景色も変わり、環境に対する意識が変わると、自然環境豊かな景色に対する評価も変わる。

 

タンチョウだけでなく多様な水鳥が湿原や雪原を飛来する景色は、自然豊かだから絵になる景色。自然豊かでない場所に鳥類が大量に押し寄せるとヒッチコックの『鳥』的な景色になって、ちょっとだけじゃなくただ怖い。

 

吉祥の象徴として特に縁起物では昔からよく目にするツルは、羽ばたいてる姿も絵になるし、大地に降り立っても姿がいい。

 

背景は雪原や緑いっぱい、あるいは夕日がよく似合い、プライバシーを気にしなくてもいい場所で眺めたい。


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何しろ遠くて、日帰りできない。特によりフォトジェニックになる冬季になるほど気軽には出掛けられなくなって、ハードルが高くなる。だからこそ、湿原目的でもタンチョウ目的(←何しろ天然記念物)でも思い切って出掛けるのにちょうどよかった。

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