完熟トマトはざく切りに。ちぎったバジルをオリーブオイルと合わせてソースにし、よく冷やしてフレッシュチーズ(おもにモッツァレラ)と一緒に食べる。
この夏(7月・8月)に食べたものを振り返った時、登場頻度が高かったのはトマトとトウモロコシの夏野菜。
主菜や副菜、ソースやスープ(時にはポタージュ)にと、何しろ応用範囲が広いから使いやすい。
シンプルイズベストで、切って和えただけのものが今から振り返っても一番美味しかったと思うのは素材のおかげで、素材が美味しくなる季節のおかげ。
意識して“和”に寄せていかないとつい作りやすい洋食に寄っていくから、何度でも繰り返し作りたいリストに入れたいのはたまにしか登場しないもの。
青魚(おもに鯖)とシシトウで作る竜田揚げにはレモンを添えて。肉じゃがから甘味を減らした、あんまり甘くないしょうゆ味のジャガイモとインゲンの煮物も、インゲンが美味しい季節に作りたいからやっぱり夏に食べたくなる。
好物や作り置きがきいて、カレーから焼きチーズカレーのようにアレンジがきいて変身させやすいものは登場頻度も高くなるけれど。登場頻度が高いものだけを集めたら、作るのは楽(らく)になって作る楽しさは薄くなる。
その反面、作り慣れてるわけでもなければ好物でもない。その種のものがお手軽かつ上手に作れるようになった時は、楽しさも増す。
お茶漬けサラサラに混ぜご飯や炊き込みご飯。
暑い時はそんなものでも十分になるけれど、食べさせる相手がいるとそれでは不十分だから献立に悩むことになる。
思えばそもそも好物でもない、肉々しい他家の献立とはいかなるものか?が料理番組やレシピ本の入り口だった。自分ひとりを喜ばすためだったら精進料理に寄っていく。
出汁はしっかりきいているけど薄味で、個々の素材そのものの味が味わえる。その種のものがズラリと並ぶお店を好む人たちの顔ぶれがいつも似たように見えるのは作為でも何でもなくて、単に行動パターンが似た集団ということになるんだろう。
フレッシュフルーツが美味しい季節、おいしいフルーツもたくさん食べた。シンプルイズベストで素材をそのまま味わうのがいちばん美味しいとなるなら、旬のものを旬に味わうフレッシュフルーツが高価になるのも納得しかない。
高級くだもの屋や高級くだものをふんだんに使ったフルーツパフェは、そうやって生まれたんだろうと、ほんのちょっと歴史を追体験したような気分。