その日のうちに使い切るつもりなら、賞味期限も消費期限も気にならない。
安ければ安いほどお財布に優しいから、見切り品でも十分。だけど、傷みが目立つようだと機械的にカットして加熱して調理してというわけにはいかず、言ってみれば検品に余計な時間がかかるから、見切り品を上手に使いこなせるのは時間にも余裕のある方ということになる。
お財布に優しい素材を手間をいとわず調理できるのは時間持ちで、時間持ちが安い素材を使い倒すと時間待ちの財布は分厚くなっていくばかり。
持てる者がますます豊かになっていく格差の拡大は、食費に限らず結局はそういうことなんだと思う。
加工はたやすいけれど割高。加工はたやすくないけど割安(あるいは激安)な素材のうち、いつも割安な方を好んで使うのはビンボー性かあるいはもったいない精神の現われか。
加工がたやすくはないけれど割安(あるいは激安)な素材を使い続けていると、割安な素材の加工にも長け、使いにくい様々な素材の効率的な使い道や組合せに目覚めると、調達コストはいきなり下がって加工技術は上がる。
技術は上げたい、コストは下げたい。そういう状況で選ぶなら使いにくいけれど割安な素材で、技術が上がってコストが下がればだいたい何でも続く。つまり、持続可能になる。
だから、“もったいない“を途中でやめると技術は上がらずコストも下げることができずにビンボくさっとなって、”もったいない”を貫くとSDGsになる。
加工がたやすくない素材を扱うから時間持ちの方が“もったいない”を貫きやすく、人口逆ピラミッドの社会構造下で時間もフトコロの余裕もある層がたっぷり揃っている今は、もったいないを貫きやすい状況。若年層がたっぷり揃った人口ボーナス期よりも持続可能性を高めやすいから、SDGsの掛け声も大きくなるんだと思った。
時間もフトコロの余裕もたっぷりある方が続けやすい、その逆は続きにくい。
だから続かせたくないものからは、時間もフトコロの余裕も奪われがち。そういうことでもあるのかも。かもかも。
続かなくてもいいと思われた時、時間もフトコロの余裕も奪われがち。続かなくてもいいと思われがちだけど続けなければならないものは、だから時間とフトコロの余裕を常に作りに行く。
ビンボくさっと思われがちなことを貫き続ける人たちは、気付けばいつの間にか強固な砦を築いてるようにも見えて、先例に習うから先行者メリットで先に始めた先達はますます先へと進む。
人口逆ピラミッド型社会では、立派な新築物件はもったいないを貫いたSDGsの最新形態。もったいないを貫くのはたやすくはないから立派な新築物件は生まれにくくなって、帯に短しタスキに長し状態が生まれやすい。
頂上はくっきりはっきり。中腹には雲がかかっていると、コーン型の指輪スタンドに指輪がはまってるようだった。