夏至を過ぎても何だかうすら寒くて、もうすぐ7月!初夏!という上天気も続かない。
ほんの数ヵ月前は記録的な大雪だったから、暑さの心配をするよりは理にかなっているかも。かもかも。
ほんの数ヵ月前は、記録的な大雪だった。
記録的ということは当分の間同じようなことは起こらないということで、レアケース。レアケースだから、“繰り返されるいつもの出来事”にまぎれて忘れ去られがち。
雪の上のラブレター。願いははたして叶ったんだろうか?毎シーズン雪に悩まされてうんざりしていたら、こんなメッセージは出てきそうにない。
見慣れたいつもの景色が一変した。
フェンスが隠れるほど雪が降り積もった野球場。
雪だるま殺人事件。
いつもは見上げている梅の木も、見下ろすかのようだった梅林。
路肩だから、排雪や除雪の都合上か雪で覆い隠されそうになった街中のモニュメント。
気分は歩くスキー場だった大通公園も、春になると芝生が顔を出して並木も緑いっぱいで花が咲き乱れ、モノトーンだった景色が一変する。
ずっと雪でもずっと緑でもなく、季節ごとに表情を変えるから見飽きない。
大雪にも負けずに春には芽吹いて若葉はみるみる成長し、今年もやっぱり色鮮やかだったり香りのいい花を咲かせたり実をつけたりする植物は、ただたくましい。だからたくましさを何よりも愛するむきからは、そりゃ愛される。
所与の条件が厳しいから、たくましくないと生き残れない。生き残っているものは、一見儚げに見えてもやっぱりたくましくて、本当に儚いものは厳しい環境から速やかにサルベージして、温室でぬくぬくと育てるに限るとも思った。
北国育ちで儚い粉雪のような印象がピッタリくるものは温室育ちで、北国育ちでたくましい印象がぴったりかぶるものは、厳しい環境に順応あるいは適応したもの。
適応したものと適応できないものを一律に扱うのは無理があるから環境も変わっていき、環境に応じて適応したものが、適応を求めて変わる環境に異議を唱え始めるのは不適応の始まり。なのかも。かもかも。
遠目に見ると、東坡肉みたいだった雪の地層。