クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

目的はクリアー

バンドやろうよ!と言い出すタイプは、たいてい自身が最も目立つ場所、ボーカルやセンターで活躍したいからそう言い出すもんだと思ってる。

 

最も目立つ場所で活躍したいから、僕・私をより輝かせてくれる仲間集めにも熱心で、前のめり。前のめりな気持ちや行動が、その気のない人を動かすこともあるけれど、逆効果になることの方がきっと多い。追い掛け回されたら、イヤになる。

 

そもそもその気のない人は冷めているから、やろうよ!と持ち掛けてきた人ほどには熱狂もせず熱意に感染もしていない。だからやろうよ!と持ち掛けてきた人の利己的な振舞いをいち早く見抜き、深手を負う前に離れていく。

 

成果の配分が不平等だったり、裏方的なバックオフィス業務はないがしろで不平不満が募るようになると、何のためにやろうよ!という呼び掛けに応じたのかもわからなくなってくる。何のためにやってるのかわからなくなった時が分裂の時で、会社のような組織に置き換えてもきっと通じる。

 

バンドやろうよ!と言い出すタイプは、スタートアップで創業者になって脚光を浴びたいタイプと大して変わりゃしないと思ってる。ふんだんな先行投資がないと、結局は生き残りさえ難しいという生態系もよく似てる。

 

一人が二人、二人が三人になって芋づる式に仲間が増えていき、一緒にやると楽しいからと気付けばビッグバンドになったような企業や組織は、成果の配分もバックオフィス業務の振り分けも上手で、上手だから大きくなれた。上手だから不平不満が出ないということではなく、不平不満の処理の仕方、いなし方が上手で下手しない。

 

そもそも目立ちたがりの人が、いつでも最も目立つ立場、例えばボーカルでセンターというポジションを失いたくなかったら、環境を整える。やりたいことは目立つことという、自身の願望に正直で率直なほど、環境整備にも熱心になるもの。

 

目立ちたいという自身の願望には正直で率直であっても、目立つ立場に居続けられるような地味で労の多い環境整備から目を背けると、一緒にやると楽しいからとせっかく増えた仲間も減っていくばかり。

 

数が増え過ぎると、成果の配分やバックオフィス業務あるいはフロント業務の振り分けも、以前と同じでは済まなくなる。以前と同じようにはいかないからと、環境の再整備ができたらメンバーの数が増えても無問題。環境を再整備するよりも現状維持を選び、数は増やさず大きくならずに済ますのも解決方法のひとつ。

 

その場合は大きくなれなかったというよりも、大きくならない方を選んだだけ。

 

大きくなり過ぎない方を選び、円満に分裂しただけでゆるやかな繋がり、人的交流その他でつながりは保たれたままだったら、何かあった時にはまた一緒になれる。必要な時だけ結集し、必要のない時にはつながらない。でも何かがあれば、呼び掛けに応えてまたひとつの大きな集団となる。

 

組織や会社を、大きくするのも小さくするのも自在で思いのまま。思いのままにそのつど目立たせる必要のある何かを大きく目立たせるのが、化け物の女房。

 

鬼や化け物のような存在は、描きやすく表現しやすい存在で作りやすい。描きやすくて表現しやすい存在を、自在に作り出し化け物を動かすエンジンとして餌を与えるのが、女房役のお仕事。

 

この会社が何のためにあって何の役に立っていて、どの辺に需要があるのかよくわからない。という企業や組織(あるいは商売)はだいたい化け物の女房役で、よりわかりやすくよく知られた存在の影なんだと思って偏見の目で見てる。

 

目立ちたかったけど、大きくなれなかったスタートアップ。あるいはビッグネームになれなかったどなたかさん方のセカンドキャリアとしても、ピッタリじゃん。

 

この種の人たちのためのセカンドキャリアを用意するというお仕事を、ボーカルでセンターというポジションを得るまたは失わないための環境整備活動に含めておくと、社会貢献の一環でもあるから理解されやすい。何のためにあって何の役に立っていて、どの辺に需要があるのかよくわからない存在であっても。

 

何のためにあって何の役に立っていて、どの辺に需要があるのかよくわからない存在のために、鬼や化け物役をスカウトするのも女房役のお仕事。ということにして、鬼や化け物役を当のセカンドキャリアのために用意された場所から適宜ピックアップできれば、永久機関になれて永遠に食いっぱぐれはなさそ。

 

食いっぱぐれないところが最大の魅力となるお仕事には、そもそも食いっぱぐれを心配する必要のない人ほど食いつきゃしないだろうけどさ。

 

ボーカルでセンターというポジションで輝きたい人は増えたのに、彼らを輝かせるためのエンジンが足りないと、食いっぱぐれや社会不安を煽って餌となるエンジンを増やしそうな雰囲気さえある。化け物や鬼、あるいは化け物や鬼の作り手だけにさ。

 

だから、何のためにあって何の役に立っていて、どの辺に需要があるのか。クリアーになってると、胡散臭さからも解放されるってもんよな。