クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

メビウスの輪っか

ある市場や業界の特殊性を世界に向けて発信すると、結局得するのは特定市場や業界以外では理解されづらい特殊なもの。同じ市場や業界内でも、あれは特殊と言われがちなもの。

 

逆に、特殊でもなんでもないどこにでもある業界や市場と何も変わるところはないと世界に向けて発信した途端に、評価も世界標準と横並び。得するのは、世間一般でも評価が高いものになる。

 

不謹慎でも一発退場のペナルティを食らわないのは、そこが最先端だから。

 

最先端は、最先端だからという理由でワナビーが押し寄せるから、多少の不謹慎にもビクともしない。ただし、不謹慎が許されるのもそこが最先端のあいだだけ。最先端でもないのに不謹慎を続けると、最先端をめざすワナビーよりただ不謹慎をやりたいだけのワナビーが集う場となって、結局は最先端ではなくなってしまう。

 

一流や名門が、いつまでも一流や名門であり続けるとは限らないのといっしょ。

 

不謹慎がウリだった人やモノ。いつの間にか物分かりがよくなって礼儀正しくなるのは、不謹慎をやりたいだけのワナビーにとって居心地のいい場所であり続けても、別に得しないから。先端をめざそうとする人やモノに見切りつけられたら、最先端も遠くなる。

 

最初から最先端しかめざしてなかった人は、不謹慎にも品行方正にもこだわらない。どっちにしても外面だから。外面だから、その時々でウケがいい方を選ぶだけ。その時々でウケのいい外面を付け替えながら、最先端めざしてあるいは最先端から遅れないよう進んで行く。

 

ユニクロに無印あるいはニトリといった普及品であっても、最安値あるいは値引き価格でしか買わない。その代わり、浮いたお金は普及品以外のものに使うという生活態度の人は、最初からユニクロに無印あるいはニトリといった普及品では満足できない人。

 

普及品では満足できない人が、普及品以外のものを気のすむまで存分に手に入れられるようになったら、もう普及品には見向きもしない。消費に飽きたら生産にまわる。普及品では満足できなかった自分たちが、欲しかったものこそを作るようになり、普及品では満足できなかった人が作ってるものは、たいていは個性的で最先端。

 

最先端にいる間は、個性的。