クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

武とそれ以外

生鮮食品を買おうと思ったら、わりと複数の選択肢がある。

 

頻繁に買いに行ってる場所は、買いやすい場所。品数や価格に満足してるわけじゃない。複数の選択肢を比較して実感してるのは、生産地に近くなるほど品数は増えて価格もお手頃になるってこと。

 

消費地での購買力が落ちると、この傾向はますます強くなりそう。量がさばけないのなら、品数を絞って単価を上げる方向に進むはずだから。

 

ちょっとそこまで。

 

という感覚で産直野菜がいつでも手に入った場所に住んでた時は、わざわざ遠方から買いに来る人たちを、野菜くらいどこでも手に入るでしょうに。。という気持ちで眺めてた。今では、新鮮かつお手頃価格の両立は、決してどこでもできることじゃないと知っている。

 

高級レストランや料亭でもない一般家庭だったら、まずあきらめるのは新鮮さ。諦められない人は、レジャーを兼ねて遠方のファーマーズマーケットまで車出して買いに行く。あるいはお取り寄せ。

 

皆が皆そうできるわけではないから、冷凍や缶詰だって捨てたもんじゃないと、フレッシュな生鮮食品がウリだったお店も、いつの間にか商品の顔触れは変わっていく。のかもね。

 

開拓時代までさかのぼらなくていいから、例えば30年前の一般的な札幌の家庭の食卓がどんなものだったのか。わりと興味はある。今と違ってもっと魚食や北海道ブランドに寄ってたのか、そうでもなかったのか。

 

本州から離れた北の国という地理的な条件は、札幌という都市を擁していても、きっと「日本の平均的な姿」とは違ってるはずだから。

 

料理本として、長らくきょうの料理を愛用している。昔から食材探訪を兼ねて地方食も取り上げているけれど、そこはやっぱりメインじゃなかった。まだ一般的ではない外国由来のレシピをステキに取り上げていたり、失われそうな伝統食を取り上げたり。NHKがやってるだけあって、やっぱりどこか啓蒙的。

 

まずは材料が手に入らないんですが?ということも、たびたび。

 

そこがテレビの料理番組ならではで、ネットが主戦場になってアプリが主流になると、また違ったアプローチが可能よね。という目で見てる。

 

北海道で珍しいものは、まずはお城。それから観光客を呼べるような観光寺院。どちらも権威の象徴だけど、明治の新政府によって本格的な開拓が始まった来歴ゆえに、権威の象徴となる建物が、他の土地とはちょっと違う。

 

珍しいから、特になじみが薄いこともあってお城を見ると、脳内へぇボタンが連打される。

 

寺社建築は、権威の象徴とはいってもお城のような軍事目的は、特に日本の場合はあんまり感じられない。僧兵を抱え込んでたとこもあるけどさ。海外でも日本でも。断崖絶壁のような極端に侵入が難しい場所を選んでわざわざ建築された宗教建築の来歴を探ってみると、最終的には“迫害”に行き着くんじゃないかと予想してる。

 

お城といえば、立派な天守がつきものと思いがちだけど、実は天守を持たないお城も多いと知ると、意外。*1

 

日本を代表する建築物のお城だけど、立派な天守を持ついわゆるステレオタイプのお城は、実は戦国時代から江戸時代にのみ存在したもの。二千年以上ある日本の歴史の中でも、わずか数百年の短期間しか存在しなかった建築物が、日本を代表する建築物となっているのも考えれば不思議。

 

それに比べたら、寺社建築の歴史はずっと長い。

 

細部には、その時々の“流行”が取り入れられてるのかもしれないけれど、総体で捉えた時の寺社建築のイメージには、あんまりブレがない。北海道の場合は、多分積雪という気象条件ゆえに、わりと独特な形状をしてるとこもあるんだけどさ。

 

お城といえば、やっぱり軍事目的を抜きには語れない。戦争がテクノロジーを進化させる例と思えば納得で、平和になると進化は止まる。寺社建築は、表向き軍事とは別ベクトルのもの。

 

武とそれ以外と。異なる目的で建てられたそれぞれの建築物が、今では日本を代表する建築物となり観光資源となっている来歴は、深堀すればするほど技術の進歩という点でも興味深いかも。現在では再現不可能な技術を再現しようとする試みも、広義で捉えたら技術の一環かもね。かもかも。

 

明治の新政府によって本格的な開拓が始まった来歴ゆえに、権威の象徴となる建物がちと他の土地とは違う北海道で、権威を象徴する建物の作り手は、官と実業家。武力でもなければ、宗教でもない。平和と産業振興の時代に、権威の象徴となる建物を作れるのは、そのクラスタ

 

近頃評判の悪いGAFAだけど、彼らが残す本社は、後世の歴史に残る建築物になるのは間違いなさそ。虚業と実業の結節点になるだけにさ。

 

お休みなさーい。

*1:『城の科学 個性豊かな天守の「超」技術』より