クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

十和田湖から盛美園、そして青森へ

洞爺湖サミットの時は、ザ・ウィンザーホテル洞爺という超高級ホテルがあったけれど、国賓級のゲストをおもてなしするに足るホテル、札幌にあるのか???格式があるホテルはあるけどね。国賓級や超VIPしか使えないフロアとかが、あるのかもね。かもかも。

 

花粉症に悩む季節は、頭使うより身体使いましょ。

 

というわけでもないけれど、今さらながらGWに行った青森旅行の振り返り。反芻は記憶の定着に欠かせなくて、反芻することもなく次々と目新しいことにばかり追い掛けていたら、そりゃ「記憶にございません」の連発にもなるわな。

 

十和田湖畔へ

弘前城の夜桜に未練を残しつつ、宿泊先に選んだ十和田湖畔のホテルに向かう。カーナビに教えられて始めて知った、泊まったホテルの所在地は秋田で、十和田湖周辺は青森と秋田が入り混じってる。カーナビが「青森に入りました」「秋田に入りました」と、やかましい。

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標高の高い場所は、まだ雪が残る。

泊まったホテルは、冬季は閉鎖されるリゾートホテル、十和田プリンスホテル。部屋の備品なんかは古さが否めないけれど、オープンしたてということもあって清潔感あり。共用部分はきれいにリニューアルしていたので、みんなが使う場所ファーストで納得感もある。

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ホテルから眺める湖畔の景色が何より素晴らしいところ。十和田プリンスに泊まりながら読む『ミカドの肖像』は、色んな感慨を呼び起こして臨場感もましまし。土地の収用が終わったら事業もほぼ完成に近づくんだとか。

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下品な上物を次々に建てて、地主が土地を手放すのを期待したところで、いつまでも待てる地主の方が最後は強い。

 

ということを考えながら美味を堪能し、温泉につかってた。夕食はブッフェではなくフルコースディナー。その時点で客層が選別されているホテル。車がないと来れない場所でもあるから、喧噪が苦手あるいは嫌いな人向け。

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翌日は十和田湖周辺をドライブ。雪の間は運転しないブランク後、おまけに山道で慣れないレンタカーと三重苦を抱えながらのドライブには、ひと気のない道がピッタリ。ハイブリッドカーの燃費の良さに、感動したね。

石油業界も電力界隈も潤さず、潤うのは高性能な電池を作る能力を持つエレクトロニクスな国だけだったら、そりゃ憎まれるわハイブリッドカー。燃費よすぎ。

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ドライブがてらに立ち寄った、ほんとはこっちに泊まりたかった(予約が取れなかった)登録有形文化財指定の十和田ホテル。秋田杉をふんだんに使った、木造三階建ての歴史あるリゾートホテル。もともとは外国人観光客向けとのことで、日光の金谷ホテルみたいなものかも。

 

ラウンジでのコーヒーサービスありとのことで寄ってみたけれど、想像してたような“ホテルでコーヒーサービス”とはちと違ったので、許可を得て数枚写真撮っただけで退散した。

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湖畔沿いの道には、スプリングエフェメラルと呼びたいような可憐な野の花、キクザキイチリンソウ(多分)がそこかしこに咲いていた。ハイシーズンの夏と違って、湖も静かでひと気もなし。静かというのは、贅沢の一種なんだと実感できる。

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春先の風物詩なのか、ヤドリギもわっさわさ。ちゅうちゅう生気を吸われる、宿られた樹が可哀そうになる勢いの、宿られっぷり。雪解け水のおかげで水量もたっぷりで、水もきれい。

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もうちょっと車を走らせれば奥入瀬渓谷まですぐそこ、50キロ先くらいではあったけれど、詰め込み過ぎにしたくないからスルー。初夏、あるいは紅葉の季節がもっともステキなら、やっぱりその季節に行きたい場所でもあり。春先は緑も少なくて、ちょっと寂しすぎ。

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最大多数の最大幸福を願う超存在がもしいるとすれば、“行楽日和”の実現こそが最大多数の最大幸福への近道で、気候が整うというのは実に偉大。「それ大洪水のさなかにも言えんのか?」というフレーズは、ありとあらゆる余裕の産物を殺すからね。

 

車の運転に疲れた(飽きたとも言う)あとは、湖畔の遊歩道をテクテク歩く。湖畔沿いでそれなりに自然を堪能できる代わりに、熊の出没を心配しなくてもいい。なんて素晴らしい。

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里の春というタイトルで、日曜画家が絵を描きそうな光景。

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翌朝は早起きして、日の出を見る。ビルの間から顔を出すお日様とモノは一緒なのに、見る場所が違うと、どうしてこんなにもありがたいのか。湖面に写る太陽の道が、神々しい。

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和洋折衷な珍建築、盛美園

チェックアウトしたあとは、青森に戻る前に平川市にある“盛美園”に寄る。京都の無鄰菴や青風荘と並ぶ三名園のひとつと言われたら、ちょっと足をのばして見るかという気にもなる。無鄰菴はわかるけど、青風荘ってナニ?ってかドコ?なんだけどさ。

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こんな場所にあるのかと、ちょっとビックリ。こんな建物なのかと実物見てさらにビックリ。建築探偵桜井京介の事件簿にでも出てきそうな、完全和洋折衷な二階建て。一階は純和風、二階は純然たる洋館で、遊びごころに溢れすぎ。

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お庭は純和風で、借景としてどこかの山でも欲しいところが周辺はリンゴ畑っぽい(確信なし)ので、ノー借景な和風庭園。山が見えてないこともないけれど、写真見返したら写ってないほど山は遠い。

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不思議な建物が不思議な場所にあるもんだと、狐につままれた気分であとにし、青森に向かう。近隣ならいざ知らず、二度と行くことはない場所だから見ておいてよかった。

 

青森港で海沿いをお散歩

さて青森に向かうものの、どこに行けばいいのかイマイチよくわからず。とりあえず海をめざす。青森にもベイブリッジがあり、ラブリッジという名の海の上の気持ちのいい遊歩道を歩く。

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遠くからでもよく見えていた、巨大クルーズ船。動くホテルみたい。

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青森、よく考えたら三方が海に面するという稀有な立地。海運が盛んだった、例えば江戸時代なんかは、今の青森とは違ってもっと活気ある豊かな土地だったのかもという気にもなる。

 

その土地がもっとも豊かだった時代の来歴に従うというのは、ある意味無理のない経済振興策かも。そこで気になるのが札幌で、札幌の来歴って何さ???と考えたら、いちばんしっくりくるのは中央集権国家の直轄地。旧政権の生き残り極小で、街づくりは新政府の思いのまま。というのは、今に残る歴史的建造物が教えてくれる。

 

積荷の代わりに人を運んでくる巨大クルーズ船の寄港は、地元経済にプラマイでどういう影響があるのか。白神山地など超メジャー級観光地だけを潤してる可能性もあるけれど、超メジャー級となった観光地に押し出される形で、今までとは違う観光地が生まれる可能性もあるよな。ゴージャスとは真逆の方向性で。

 

青森駅周辺は、古い商店街もあって街歩きにもよさげだった。ちょっと昔の趣が瞬間冷凍されているようで、歩き甲斐もありそうで。が、疲れていたのと微妙に新幹線の時間が気になる頃合いだったので、早々に新青森駅へと向かう。

 

新青森駅で遅いお昼とお土産物をあさって、新幹線までの時間をつぶす。

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帆立天丼、胃もたれしそうでスルーしたけれど、味見した限りではとっても美味しくて海鮮丼よりオススメだった。

 

車だと遠くまで回れるけれど、一ヶ所当たりの経験値は低くなるので、次来るなら「街歩き」あるいは「白神山地」とかテーマ決めて回りましょ。札幌市民>>>>>>>>>>>>>北海道民という意識なので、気付きにくいけど青森は隣県。めっちゃ遠いんだけどさ。

 

お隣だから、もっと気軽に遊びに行きたいもの。頼るならやっぱ、LCCかな。青森旅行記、おしまい。

 

waltham7002.hatenadiary.jp