クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

100年の計と桜とお城、弘前に行って来た

こどもの日なのに、母の日>>>>>>>>>>こどもの日という母の日推しの布陣を見るにつけ、シルバー民主主義のかほりがホラ、そこにもあそこにも。

自然豊かな土地に暮らしていると、風情ある建物が時々無性に見たくなる。というわけで、北海道新幹線に乗って弘前まで行って来た。目当てはお城と桜。

遠いよ、北海道新幹線

札幌から在来線に揺られること200分。北海道新幹線の乗換駅となる、新函館北斗駅に到着。200分てなんだよ。。2時間越えたら時間表示にして欲しい。東京名古屋間なら、こだまでも200分かからないと知ってちょっとショック。

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寒いので、2階で新幹線の到着を待つ。

在来線+新幹線+レンタカーという交通手段で臨んだ、初めての青森。何しろ初めてなので、距離感その他がイマイチ掴めない。繁忙期の空港&空港行き電車の混雑を嫌って列車の旅を選んだけれど、新幹線に乗るまでが何しろ遠い。

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カモノハシみたい、長~い。

乗換駅(改札内)にはキオスクがあるのみで、期待したほどステキ駅弁やご当地特産品は見当たらず。改札の外ならステキなものもあったのかも。かもかも。

 

 駅弁タイム。

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根ぼっけの焼きバッテラは、美味しかったけど少量。目論見通り、アップルパイと一緒でちょうどいい具合にお腹がふくれた。手作りっぽい素朴なアップルパイ、美味しかったので帰りにも買って帰ったほど。

 モンドセレクション受賞よりも、原材料はすべて地元産という方が心の琴線に触れまくる。いいものをより安くが大量生産のメリットなのに、さしてよくもなくお高いものを大量生産とか、行き詰まる前の共産圏みたいよな。工場稼働し始めて負担となる減価償却費、モロに消費者に転嫁してんじゃねぇと思うニューフェイス名産品が、観光地には多いので注意してる。


青森~弘前はあっという間

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揺れない静かな新幹線の良さをかみしめること1時間ちょっとで、新青森駅に到着。はやっ。苦労して掘った甲斐もあったってもんだね、青函トンネル。トンネルばっかりで外の景色は楽しめず。でも早いからいーの。

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三内丸山遺跡に行くウサギは注意、狩られるよ!

新青森駅からは、レンタカー。どうせならと、初めてのハイブリッドカー

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ガードレールがリンゴでかわいい。桜並木の桜はすでに葉桜で、今年はやっぱり例年より開花が早かったことを実感する。1時間ちょっとで弘前市内に入り、弘前城も見えてくる。が、駐車場を探してウーロウロ。人も車も、GW&弘前さくらまつり100周年ということで、いっぱい。

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弘前城だ。
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100周年とは知らなかったので、予想以上の人出にビビる。が、東京近郊で行われるイベントに比べればしょせん地方なので、割とすんなり車も停められた。弘前の桜、あるいは花筏をここ最近やたらめったらSNSで見たと思ったけれど、そういうことかと理解する100周年。弘前城は、姫路城ほどちゃんとした(←語彙が貧困)お城ではなかったけれど、満開の桜が不平不満を帳消しにする。

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弘前城内の桜はまだまだ満開で、ひと安心。華やかな桜に圧倒されて、馬鹿みたいに「きれいねー」を連発してた。それ以外に言葉は見つからないし、いらない。千鳥ヶ淵の桜景色も相当好きだったけど、弘前城の桜の方がより華やか。お城と桜は、やっぱりいい。ステキ―。


夕暮れまでお花見タイム

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フランスはお菓子の技術を磨いて世界に冠たるフランス文化の強力な武器としたけれど、日本の文化でフランスのお菓子に匹敵するようなものは何ですか?的な問いを見たことがあるけれど、日本の場合は花見だと思ってる。

 

わっさわさと茂る桜の木、その下に群れ集い、ついでに飲み食いする人々。桜以外の花木も可で、やれ藤だネモフィラだラベンダーだ芝桜だ紅葉だと、老若男女が押し掛ける。人が群れ集う場所には必ず飲食が発生して、弘前城ではブルーシートを敷いてお花見に興じる集団もあれば、沿道に並ぶ出店で買い食いする人もいる。

 

古くは花見団子、今ならラベンダーソフトとか。ご当地名物も必ず発生して、その場所その季節を楽しんでる。

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四季があって、季節季節に咲く花や紅葉を行楽として楽しむ気持ちのありようが、いかにも日本っぽい。お祭りはどこにでもあるもんじゃないけど、花見的行事はどこでもできる。お祭りよりもお花見の方が、普遍性もありげ。

 

本来のお花見は、『花見と桜“日本的なもの再考”』によると、わっさわさと茂る桜の下に群れ集っての飲食のことなんだってさ。飲食を伴う日本のお花見のような行事は、世界的には珍しいそう。

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ただ美しく咲いた花をめでるという本来“文化的素養”がないと楽しめない行事が、飲食と組み合わさって老若男女が文化的素養と関係なしに楽しんでるあたり、いかにも日本っぽい。大名とか、お金持ちとか。貴人がお眼鏡にかなった人を集めて行う観桜会のように、高貴な人は高貴な雰囲気のなかでお花見を楽しみ、そうでない人はそれなりの場所でそれぞれのお花見を楽しんでいる。めっちゃ日本の風土に融け込んだ、他では見られない光景だから、日本の文化の代表だと思った。

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100年前から弘前は桜でいこうと決めて、100年続けた人たちの軌跡。ポスターには数年前から「花筏」が登場し、TwitterSNS花筏がバズり始めた時期と一致するよねと興味深い。

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 弘前といえば桜と反射的に思うけれど、弘前出身の有名人と言われると???

伊達政宗のような、日本史上に燦然と輝くスターがいるわけでなし。なのに春ともなると、桜目当てに大勢が押し掛ける。スター不在だからこそ、生まれた知恵なんすかね。

三沢あたりからなのか、それとももっと遠方からなのか。外国人観光客の姿も多く、数年したらもっと数が増えそう。東京その他の都市で働く、あるいは学ぶ在日外国人が増えたら、GWのような連休には彼らだってどこかに出掛けようとするからね。

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桜と椿が同時に咲くのかと、面白かった。そういや椿も、北海道ではあまり見掛けない花。そもそも北海道の植生が、本州とは違い過ぎる。桜が咲いた後に梅まつりで、常識を揺さぶってくる。

それはともかく。数年分の桜それもソメイヨシノをまとめて見て、数時間かかった移動の疲れも吹っ飛んだ。

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散る花びらでさえ癒し。

桜の木の数だけなら、ここよりももっとすごい場所も今ならあるけれど、100年かけたという来歴の重みがものを言って出色。わざわざ来た甲斐が、十二分にあった。

 

疲れすぎて最初は予定していた藤田記念庭園も、登録有形文化財が店舗になった弘前のスタバやその他レトロ建築物詣ではまた別の、人が多くない時にしましょとスルー。アップルパイ詣でとかも楽しそうなんだけど、それもまた別の機会に。

 

お休みなさーい。