クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

悲しい嘘

別に師業(注:そんな言葉はない)でも何でもないけど、終日小走り駆け足でチョコマカしてる。師走ねー。 
 
 
母親から、お歳暮兼ねた愛の救援物資届いた。小腹が空いていたので、その中の「原了郭の黒七味を使った進々堂製ラスク」を夕食前につまんでた。

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辛いー。結構な辛党でもある私が食べても辛いんだから、辛いのが苦手な人には相当辛口かも。
 
 
おやつにするより、酒のつまみとして食べたい感じ。チーズのっけて、トースターでちょっと温めると美味しそー。スパイシーであんまりたくさん食べられないから、2、3枚つまむだけで小腹もいっぱいになった。
 
 
原 了郭の黒七味、いつの間にかすっかり有名になっちゃったから、お土産に買ったり貰ったりした人も多そう。知る人ぞ知る、七味界の逸品じゃないかな(←適 当)。「黒」七味だけあって、色も黒っぽい。山椒の香りが強いせいなのか、普通の七味よりも腹黒そうな、複雑なお味がする。
 
 
容れ物がまた、木製の丸だったり八角形だったりする独特の筒状で、ちょっとかっこいい。そんでもっていちいち鼻みたいなツマミを取って振りかけるから、正直面倒。
 
 
ちょっと高級そうだし、実際ハウスやS&Bの七味に比べたらお高いはず。だから、飲食店に黒七味置いてあると「おっ」と思う。ちょっといい調味料使ってるのね、いい調味料使ってるから、他のお料理も期待できそうね。そう勝手に期待する。
 
 
ところが世の中には、その「期待」を逆手に取るお店もあるんだよねー。まだ関東に居た頃、わざわざ魚が美味しいと評判のお店に出掛けた。そこのお店にも原了郭の黒七味が置いてあって、これはって期待したんだけど、容れ物だけが「原了郭の黒七味」で、中身は普通の赤い七味だった。
 
 
趣のある容れ物使ってみたかっただけ。そう言われたらその通りなんだけど、何か感じ悪いなーって思った。ついでにお料理の値段も全般にお高くお味はさほどでもなかったので、チクショウ東京と思ったことをよく覚えてる。
 
 
わざとなのか、天然なのか。わかる人にはすぐわかるようなこと、なんでするんだろーなーって、その時も思ったけど、わかったところでわざわざ指摘する人なんて滅多にいないから、そのままなんだろうね。
 
 
日本人女性が英語で書いて、日本語に翻訳された逆輸入小説『めぐみ』の作者、キョウコ・モリの書いた『悲しい嘘』っていうエッセイ持ってるんだよね。1998年発行の昔の本。英語のタイトルはPolite Lies。日本で20年過ごした後、アメリカで20年暮らした人が、たまに帰国する日本で感じる違和感なんかをまとめてる。
 
 
そ の中で『本当は買い物に行くのを手伝って欲しいのに、寒いですねと話しかけてくる人だっている。日本語ではふたつのことを口にしても、それをひとつにまと めるとこまでは話さないものだから』なんて書いてる。ふたつの間に隠された真意を見抜かないと、KYなんて言われちゃうのは今に始まったことじゃないんだ よねー。
 
 
クイズ解くだけなら、「ふたつの出来事をつないでひとつにする」のは割と簡単。現実だと、クイズ解いた後どーするの?が待ってることが多いから、寒いですねーそーですねーで済ませちゃう。
 
 
ついでに『誰が誰の上に立つのか、どれくらい親しくするのか、誰が決定権を握って誰がそれに合わせるのか、すべてが決まってから会話ははじまる。ならばどうして会話などするのだろう』って、評価を下したうえで会話をしても虚しい儀式をしているようとも書いてある。
 
 
虚しいって気持ちが強いと、言葉がうまく出てこない。それ良くわかるわー。全てが決定した上で話すのはごっこ遊びのようなもので、儀式ばったこと(も)キライだから、めちゃ気が進まない。
 
 
絶対に話しかけたりするはずがない状況作って、Politeだけど本気じゃないそらぞらしい誘い何回も繰り返して。あぁほんと、ここは日本だなーって思う。七味ラスク食べられるのも、日本ならではのお楽しみだけど。
 

お休みなさーい。

悲しい嘘