ツールを使って拡張された現実は、拡張現実。刮目するなら、ツールを使わずに拡張された現実の方。
何でも自作してみると、何気なく口にしているものが何から出来ているのか、よくわかる。
北海道産の野菜が充実するシーズンだから、この夏もいろいろ作ってみた。いろいろ作ったなかで気に入ってるのは、クレープ生地にジャガイモをすりおろし、チーズと一緒にロール状に巻いてトマトソース(あるいはラタトゥイユ)を添えたもの。
じゃがいもをすりおろしているので腹持ちがいい、食事系クレープ。
葉物野菜のサラダに茹でたトウモロコシやピクルス、季節のフルーツでも添えると見た目は質素でも気持ちは上がりまくり。
今どきのトマトは甘味が強くなったせいか、ちょっと煮込むだけでちゃんとしたトマトソースになる。
トマトに限らずとうもろこしにタマネギと、いつのまにか色んな野菜の糖分が増した気がする。野菜だからと油断して食べ過ぎると、菜食中心でもオーバーサイスになりがちなのに、調味料にも糖分がいっぱい。
何からできているのか。原材料チェックをするのはもはや習い性に近いけれど、本当に気にするべきなのは、カロリーの方。
小さじ1杯あるいはみじん切り大さじ1杯はホニャララカロリーという目安は、原材料の糖分やその他に左右される。
素材はいつのまにか糖分マシマシ。昔のままの感覚で、糖分の増した素材にやっぱり糖分の増した素材から出来た調味料を加えると、出来上がるものは糖分超マシマシ。
完成品の総カロリーから逆算し、糖分の増した素材を代替品に置き換えていくと、原材料は一見すると消費者にはなじみのないものが並びがち。コストカット由来の代替品なのか、それとも富栄養化を防ぐ目的での代替品なのか。
気になるポイントはそこだけど、確かめられない時は、自分の舌に聞くのが一番、くびれが教えてくれるのは二番。
ただ茹でただけのじゃがいもは、それだけでも美味しいけれど、ちょっと調味料を足すと、より美味しくなる。ポテトサラダにするような材料を寒天寄せにして、ちょっとだけマヨネーズを添えてみる。
出来たての寒天寄せは、茹でたてのじゃがいもの風味が十分に感じられて、見た目もキレイだった。
とれたてに、茹でたてに、出来たて。
長持ちするよう保存期間が長くなるほどに、その種のとれたて茹でたて出来たては一種の贅沢品になって、生産地からは遠くなっていくのかもしれない。産地をめぐっても、とれたて出来たてに出逢わなくなったら、そこはもう産地じゃない。