ただ気分を上げたくなった時に眺める、アラゴルンにレゴラス。見たいのはヴィゴ・モーテンセン演じるアラゴルンにオーランド・ブルーム演じるレゴラスで、演じてる俳優その人をみたいわけじゃない。
実写でもそうでなくても、映像でも文字でも。要するに、あのシーンあのキャラあのセリフや文章が見たいから。という理由で記憶から何度も引っ張り出される限り、呼び出される方は永遠の命を得るに等しいのかも。
今日の真昼頃は26℃くらいと、札幌にしてはやや暑かった。風も空気もヒンヤリしてるから、体感温度的にはもう少し涼しい。
午前四時にはもう日が昇るから、サマータイムにでもすれば余所よりは過ごしやすく短い夏を、より楽しめるのに。
この時間、テレビ塔の時刻表示は消されたまま。
諸々の制限があるせいか、例年の夏に比べると週末、正確には週末明けの街中も閑散としてる気がする。例年は、始発が動くまで時間を潰してるっぽい人たちを見掛けるものだけど。
例年なら時間潰しにもってこいの場所は今、大改造中。
“特別な夏“が終わった後もしばらく工事は続くらしい。すべての工事が終わったあと、何となく時間を潰すのにちょうどよかった場所は、以前のままなのかそれともなのか。都市も生き物のようなものだから、その時々で姿を変える。
札幌のような都市でさえ大改造は厄介で、住民や通勤・通学で利用する側にとってはちょっと(あるいは大いに)憂鬱なもの。大改造が東京クラスになると、もっと厄介でもっと憂鬱な存在として、定住する誰かや何かを憂鬱にしてそう。
土地が広く資源にも恵まれていて、地域に閉じていても経済的に発達して工業化を推進したホニャララは、政治的・外交的に対立したちょっとここでは名前伏せとくねの重要な投資先でもあった。
という一文は、政治的・外交的な対立と経済的対立はイコールではないという歴史的事実を伝えていて、興味深いったらありゃしない。
ホニャララは世界最古の先進国として現在も健在で、先進国として現在も健在な理由あるいは秘訣は、まさにそこに尽きるんだと思う。
低成長だけど成熟した都市や都市文化にすっかり馴染んでいると、成長著しいけれど未成熟な都市や都市文化に馴染むことは、簡単じゃない。
成長著しい新興国に、すっかり成熟した都市から大量に人を送り込んでも、成長性というポジティブな面に目を向けた意見よりも、未成熟というネガティブな面に目を向けた意見になりがちで、総体としてはネガティブ評価をくらいがち。
逆に、成熟した都市に成長著しい新興国から大量に人を送り込むと、低成長というネガティブな面よりも、成熟した都市や都市文化というポジティブな面に目が向きがちで、ポジティブ評価をもらいがち。
大改造の場を、定住者にとってはただ厄介で鬱陶しいものだと捉えると、ネガティブ評価になりがち。だけど、低成長だけど市場の成熟した先進国の都市と、市場は未発達だけど成長意欲旺盛な新興国が出会う場所だと捉えると、ネガティブ評価は覆る。
気持ち的には単身で、先進国から未成熟な新興国や新興都市に、何らかの製品のセールスマンやスポークスマンとして送り込まれた(人によっては過酷な)経験のあとだと、待ってればいいだけなのはただラクチン。
製品単品という点が、システムという面となってお披露目できる機会は、そう滅多にあるもんじゃなし。お披露目をその先に繋げるのが、成熟して低成長に入る先進国あるいは先進都市の生きる道で、生きる道を間違えなかった世界最古の先進国は、先進国としてのブランド価値を、またひとつ上げてゆく。
ブランド価値を着実に上げてゆくと、都市であっても生き物のように、永遠の命を得るようになるのかも。
早朝は空気もヒンヤリしていて、薄着だと寒いくらい。だけど、人の気配を気にすること極小で街の姿を眺められるのは、やっぱりこんな早朝くらい。