クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

札幌国際短編映画祭終了!でも特別上映があるよ

狸小路にある札幌プラザ2・5をメイン会場に開催された札幌国際短編映画祭2015は、10月12日に閉幕した。

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 (写真は使いまわしさ☆)

地味な作品が集まってる&地方都市開催にしては、お客さん入ってたように思う。上映回によっては、満席に近かったりしたから。10周年ということで、去年より宣伝に気合い入れた分が集客に繋がったのか。露出って大事ね。地味な作品でも量を集めると、大作に興味がないモノ好きとお祭り好きが集まってくる。地方都市ゆえにイケイケドンドンなストーリーは、「あーそれって都会の話でしょ」と切断処理される。地味な街には地味な作品を愛する人がいるのさ。

 

 終わってしまった札幌国際短編映画祭だけど、今週末10月17(土)と18(日)に、北海道立近代美術館講堂において特別上映が行われる。

10月17日(土)

■11:00~12:30 ファミリー&チルドレン

■13:00~14:30アワードプレミアムA

■15:00~16:30 フィルムメーカー部門

10月18日(日)

■11:00~12:30 アードマン特集

■13:00~14:30フィルムメーカー部門

■15:00~16:30 アワードプレミアムB

 

プログラムの内容は、「札幌国際短編映画祭アプリ」で確認できる。今年は上映スケジュールがアプリになっていたので、上映会場や上映作品が確認しやすくて便利だった。上映作品の数が多いだけに、どの上映回を見に行くべきか、結構悩む。アプリで手軽に内容チェックできると、悩む時間も短縮できる。

sapporoshortfest.jp

 アワードプレミアムは、受賞作品を二部に分けて上映するのかな???よくわからず。

(追記:やっぱり各種受賞作品を集めたプログラムでした。ベストを知りたい人向けかな)

参加する作品も多かっただけに、受賞作品も多数。

受賞作品リスト☆http://sapporoshortfest.jp/15/awards/☆

フィルムメーカー部門、作品部門、最優秀監督賞、最優秀アジアンショート賞、最優秀国内作品賞、最優秀北海道作品賞、最優秀コンテンポラリー。エクスペリメンタルショート賞、最優秀ドキュメンタリー賞etc.etc. 列挙するのもメンド-なくらい。フィルムメーカー部門賞受賞のイラン人監督の作品、セリフ少な目だけど、印象的な作品だった。イケイケドンドンだと見過ごしてしまう、この世に存在しないかのような人たちを取り上げてた。

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 フィルムメーカー部門AとI-H(もうひとつの世界)の2プログラムしか見てないけど、一番面白かったのは、I-H(もうひとつの世界)で上映された「リアリティー+」。

 

 フランスの作品でパリかどこかの古いアパルトマンに住む男性が主人公。しゃべる家電や電子ガジェットとは無縁な部屋に住む冴えない男性が、理想の自分を手に入れる。とあるチップを体内に埋め込めば、自分と、同じくチップを埋め込んだ人の目には「こうあって欲しい理想の自分」の姿が見えるという、SF的設定。十人並み、ビールっ腹の男性が、モデルのようなイケメン、ナイスガイに変身する。チップの魔法が効いた12時間の間だけ。

 

 チップを埋め込んだ人たちはみーんな美男美女でナイスバディ。自分以外の何者かになりたいと望む人の願望が丸わかりで、面白かった。外見、容姿さえ何とかなれば世界はバラ色に変わると思ってる。理想の自分に生まれ変わったおかげで、態度や物腰も自信に満ちて、ナンパだってヘーキになる。

 

 外見、ツラノカワが人生を左右するという考えは、幻想であって現実でもあることを描いてた。

 

整形にダイエットやエクササイズ。ライザップはパリにはないかもしれないけど、リアルの自分を理想の自分に改造するわけじゃないところがミソ。リアルの自分は変わらないまま、チップが提供する仮想空間の中でだけ変身すれば満足してる。仮想空間の中で、理想のオレと理想のオレに相応しいにパートナー、つまり見たいものが見れるようになったらすっかり充たされて、現実を変える努力は放棄する姿があった。

 

 容姿に優れていれば、遠慮や引け目を感じる場面は少なくなるけれど、容姿に優れているだけで、世界がバラ色に変わるわけでもない。

 

 魔法のチップは12時間限りという設定がまた、ちょっとシンデレラちっく。舞台となった古い街並みに合ってた。

 

 SFならすでにお試しずみのテーマかもしれないけど、スワイプひとつで顏が変えられる。チップの魔法が切れるか切れないかのシーンは、映像で見るから文字よりドキドキ。文字だと想像するしかなくて、インパクトに欠けるから。

 

 プログラム上映前に、監督、作品を作った人からヒトコトあると、ちょっとテンションも上がる。当たり障りのない言葉でも、真摯に受け止められる。ユーチューバーが目の前に現れる感動も、それと似たようなものかも。作り手と受け取り手の距離が近いと、より記憶に残りやすい。

 

 お休みなさーい。