クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

ワンオペ

采配を振るうのに一人で充分なスペースを、一人で切り盛りする。

 

ワンオペを個人的に解釈すればそんな感じ。指図する人間が二人居ては狭すぎて、相当息の合ったコンビでもないと効率が落ちて、効率など上がらない。

 

飲食店開業に特に興味がなくても、一人で切り盛りする際の時間の使い方や食材の使い切り方や使い回し方、献立の組み立て方。高効率の秘訣が覗けるかもと思って手に取った、『ワンオペ店の仕込み術』にはやっぱり効率のヒントがいっぱいつまってた。

 

何をするにも(させるにも)手際がいい。すべきことが頭に入ってる人がテキパキと流れるように動く姿を見る、それも間近に見るのはきっとショーやライブでも見てるようで気持ちがいい。そこに、美味しい料理や飲み物、そつのない接客がついてくるならなお気持ちいい。

 

癒し、リラックス。心地よさにお金が動く都会では、心地よく食事できる場にもお金が落ちるけれど、心地いい場所は心地よさを求める人の数よりいつもちょっぴりしかなく、足りない。

 

足りないのも無理はない。と、素直に納得するハードワーク。ハードワークでありつつ接客業でもあるから愛想も必要で、肉体労働プラス感情労働の昇華した姿がワンオペ繁盛店。

 

そうありたい、そうなりたいと願いつつ叶わない人多数。なのがこの種のワンオペ繁盛店でもあって、ワンオペ繁盛店の店主と、繁盛しているチェーン店の繫忙店の店長と。どちらの方がより難易度が高くてなるのが難しいのか。門外漢にはよくわかりません。

 

わかるのは、一人で切り盛りしている人はやっぱり段取り上手で、段取り力は開陳されたいくつもあるヒントを真似るうちに身に付きそうであるし、効率を上げるためのツールについてもアイデア豊富。

 

あら、今はそんなに便利なものもあるのね。と、効率を上げるためのツールやより美味しく仕上げるためのツールも、必要になった時に追加する脳内リストにしっかりリストアップ。

 

一人ですべてを切り盛りするのは体力的にもハードだけれど、思い通りにならない他人を意のままに動かそうと精神的に疲労するよりも、精神的にはよっぽどすっきりしそう。思い通りに動いてくれるツールも、今では豊富で多品種。

 

他人を変えるより自分を変える方が結局は早い。と思っている、思い通りにならない何かを抱えている時には余計にキラキラ光って見える、ワンオペ繁盛店。

 

言ってみればこの本は聖書のようなもので、本当は目の前で動く肉体労働と感情労働が昇華した姿を見たいけれどハードルが高い。だったらそのエッセンスだけでも拝みたいという時にもいいのかも。

 

出てくる料理はどれも美味しそうで、見たことも聞いたこともない、変わったものではないところに人は潔くお金を払うのかも。かもかも。

 

そう考えると、味覚はやっぱり保守的。