いちめんの白い花 いちめんの白い花 いちめんの白い花、それは蕎麦の花。
作付面積日本一のそば粉の産地・幌加内に行ってみたのは夏で、ちょうど白い蕎麦の花が満開だった。
それなりの距離をドライブしてみたけれど、作付面積日本一だけあってどこまで行っても白い蕎麦の花畑。“作付面積日本一“とはこういう規模で景色なんだと実感して納得した。
そば粉の産地で原材料供給地に徹しているせいか、どこまでいってもそば畑で行列ができるような蕎麦屋さんらしきものは見つからず。大口顧客が産地に店を出すならまた別で、産地とはそういうもので消費の出口のひとつ“美味しいお蕎麦屋さん”が産地に軒を連ねるようになると、きっと作付計画が狂って収量が落ちる。
札幌からだとかなり遠く、もうちょっとがんばれば稚内にだって着く。そういう場所だから四半期ごとといったショートスパンでなく長―いスパンで産業について考えることができる。
気候のいい時だけしか観光客らしきものは来ず、気候がいい時は収穫の時季とはズレている。そういう季節を選ぶと産地のお邪魔になることもないから、のんびり観光もできるのかも。かもかも。
ちょっと足を伸ばせば朱鞠内湖。響きがきれいで字面も美しい。名は体を表すように景色もいい湖で、ただきれいなだけじゃなくいまだ手つかずっぽい周辺の雰囲気もよかった。
行ってきたのは長距離ドライブにちょうどいい夏で、本当は収穫前の“朱に染まった”そば畑も見に行きたかった。
草紅葉のようなもので、モミジやカエデあるいはイチョウの紅葉とはまた違った秋景色が楽しめそうだと思ったけれど、何しろ収穫前だから時期を見定めるのが難しく、ちょっと行って見てくるには遠い場所だから、“朱に染まった”そば畑を見るのはまたいつかで今度の楽しみに取っておく。
観光客が戻ってインバウンド観光が再び盛り上がると国際的観光地となった場所はきっと混みこみで混雑する。のんびり広々でのーびのーびとロコが楽しめるのは、観光客が二の足を踏むような場所。
観光客フレンドリーに整備された場所は、以前とは違って厳しさを感じることもないただ眺めるとキレイな自然が広がっているだけ。
フレンドリーではない厳しい自然により北海道らしさを感じるのなら、よりワイルドな方角に向かうしかない。
そもそも細かに道の駅が整備されている時点ですでに、立ち往生するような厳しい自然は過去のもの。時には立ち往生を覚悟するようなワイルドで厳しい自然を堪能したかったら未整備な道へと向かうしかないけれど、そっちはきっと呆然とするほどワイルドで厳しい自然の歓迎が待ち構えていると思うの。
どこまで行っても家、住宅が続く土地は作付面積からいっても主要産業は不動産関連(税金含む)。主要産業が異なる土地に足を踏み入れたら、待っているのも違うルール。