クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

往く春を惜しむ

とある土地や街について、誰がもっとも楽観的な未来予想図を描くかといえば不動産屋さん。悲観は気分で楽観は意思で、多くの資金を投じた不動産屋さんが、お先真っ暗な未来予想図を率先して描くわけがない。

今年もキレイに咲いた、オオバオオヤマレンゲ

悲観的な未来予想図しか描けない人や何かは、“お買い得”になって買い叩けるのを待ってるか、ブランド毀損にメリットがあるからかもね。かもかも。

 

不動産屋さんといってもピンキリで、声が掛かればいつでも、あるいはまた一緒に仕事したいような不動産屋さんがどこになるのか。よく知っている人といえば、仕事を請け負う人たち。この不動産屋さんの仕事なら間違いない。という人や組織が音頭を取った街づくりなら、出来上がる街も未来予想図により近くなる。

 

都市と自然が近く、大都会への交通アクセスも確保されている。アクセスは確保されているけれど、距離あるいは自然環境が壁となって、大都会特有の煩わしさからも一定の距離を置ける。となったら、横並びを厭う人や何かにとってはより好ましい。

 

横並びが好きな人向けには、リトルトーキョーもちゃんと用意されてることだし。

余計なものを切り取ると、空が間延びした

オオバオオヤマレンゲも咲き始めたこの時期に、北国の遅い春を振り返ってみる。大変な思いをした後に見る絶景もいいけれど、期待薄でちょっとそこまでと軽い気持ちで出掛けてみたら、思いがけない絶景に出会った方がより印象深い。

 

北国ならではの、残雪が残る山並みに桜並木。そして流れる川という、絵に描いたような春景色。河川敷には水仙がところどころに群生していて、水仙の黄色がまた春らしいアクセントになっていた。

本州ではどこにでもあるような景色が、逆に珍しい

超有名観光地のそばへと続いている並木道。

 

超有名観光地のそばの桜の木よりも、その奥へと続く桜並木の方が桜の木は古く、平成5年度に堤防の強化と周辺の緑化をめざして桜を植樹したんだとか。四半世紀がかりの景色と思えば、感慨もより深い。

水仙も、桜のように増えるかな

みごとな桜並木が出来上がった頃にはテレビドラマの舞台にもなり、高速道路も延伸された。四半世紀以上前に、堤防の強化と周辺の緑化目的で桜の植樹を決めた人たちが描いた未来予想図と、寸分も違ってなかったらちょっとすごい。それとも棚からボタモチで、予想を大きく上回って出来上がった景色なのか。

 

四半世紀もかけてられるかよと、無理に先を急ぐと無理がたたって、素晴らしい景色は結局絵に描いた餅で終わりそう。駅からも徒歩圏で、大量集客も可能という条件を最大限に生かすとこうなるんだな。

新緑に桜に残雪の残る山がセット

バス以外の公共交通機関が特にないこの辺りは、大量集客に押し出されがちなロコの人にとっての憩いになりそうな場所。ヤマザクラ系は、やっぱりより山里らしさが残る場所でこそ愛でたくなる。

 

風が吹くと湖面にさざ波がたって表情を変える。説明されなきゃわからない最先端アートはすぐに飽きるけど、自然の造形は不変じゃないから眺めていても飽きない。

 

いつ来ても、水量豊富でみずみずしい

枝垂れ桜もソメイヨシノもいいけれど、サクラサイタブームがひと段落したあとの八重桜がきれいだった。クロフネツツジの淡いピンク色とお揃いで、何てことない景色も華やか。ハラハラと白い花びらを散らす可憐なリョクガクザクラも、どっちかっていうと山里で見たい系。桜、種類もいろいろで楽しみ方もいろいろ。

枝垂れ桜
枝垂れ桜
北国にも枝垂れ桜はある。
どれがツツジか、わかりゃしない
北国らしい、早春の花といえばこんなの
散る花びらが可憐&桜が散ったあとのタンポポが可憐な場所

札幌から100キロ圏、ドライブ約2時間コースの景色。

用意された写真スポットからの景色

まだ残雪の残る羊蹄山。この辺りは畑が目立つ場所だけど、田植えが終わったばかりで水の張った水田は、あんまり見掛けないだけに新鮮な景色。観光客は大型バスで通り過ぎる場所。ルートを選べば、撮影&休憩スポットが配置されているので、マナーを守っての観光もしやすくなる。

 

札幌から50キロ圏、ドライブ約1時間コースの景色。

写真で見る方が、本物より青く見える

グルっと一周できる湖岸道路があればいいけれど、国立公園内だから開発するにも限度がある。限度があるから、いつまで見られるのかは未知数ながら、湖面があまりにも鮮やかなコバルトブルーでびっくりした。絵の具を流し込んだような青さで、支笏湖の青さとは明らかに違う色。

湖面が、びっくりするほどのコバルトブルー

もっと近寄って見たくなるけれど、すぐそばには寄れずにやや遠くの展望台から眺めるのみなのが、自然環境保護という態度。

 

結局自然に目を向けるようになるのは不変じゃないからで、手つかずだった場所に下手な開発の手が入ると、やらなきゃよかったのにという景色になりがち。やらなきゃよかったのにという景色、悪い方には変わらず以前の面影を残したままだとホッとする。

 

写真にはとうてい収めきれないという絶景も見たけれど、その絶景を振り返るのはまた別の機会、10連休が遠い遠い思い出になった時にするつもり。贋金づくりが国の基幹産業だったカリオストロの城では、最後にローマ時代の遺跡が出現して、新しい国の基幹産業を示唆していた。

一部分だけ、葉桜。遠目にはヤドリギみたい

他の土地にはない魅力で他の土地より圧倒的に勝ってるものといったら、やっぱり大自然よな、この北国の場合。御しがたい大自然の攻略方法について、お試しするにももってこい。都市化がすすむほど、真逆のものは希少性を増していく。