クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

透明

テクニックや小技、あるいは小細工なんかまったく必要もなく美しいという意味が込められてるから、天人の衣には縫い目なんかないんだな。

 

どれほど好きでももう、ホールケーキを一度に平らげることは無理で、どれほど上等で美味しいお肉でも、200g以上のステーキを平らげるのは無理。胸焼けする。それは加齢に伴う自然現象で、いくつになってもペロッとホールケーキやステーキを食べ続けられるのは、どっちかっていうと超常現象っぽい。

 

3日前に食べたものを思い出すよりも、大昔、脳みそが柔らかい時に夢中で吸収した何かを思い出すのははるかに簡単。フックになる何かがあれば、スルスルと芋づる式に思い出せる。

 

前途洋々だった若者の前途を妬んだものによって、前途洋々だった若者は前途洋々からお先真っ暗に無理やりコース変更を迫られるんだけどさ。お先真っ暗に叩き落されたのは、ただ頼まれただけという無実を証明する大事な証拠となる手紙を燃やされちゃったから。

 

燃やして証拠隠滅したあとは、ノー裁判で絶海の孤島に送り込んで知らんぷり。

 

そんなことができたのも、証拠隠滅をはかった人が犯罪を裁く側に居たから、証拠の手紙の存在が公になると、自身が政治的に窮地に立たされるからで、躊躇なく自身の未来をとって若者の前途を閉ざす。ノー裁判で絶海の孤島に送り込み、あとは野となれ山となれと、野垂れ死にを期待する。

 

監査や査察がない、あるいは監査や査察が機能しない前近代って、ほんとイヤ。

 

絶海の孤島にあり重罪犯を収容する刑務所に送り込まれるような重罪犯が、いったい年に何人居るってのさ。フツーに考えたらそんな場所に送り込まれるような極悪人が、そうそう居てたまるもんか。

 

ついでに、収容場所が先にパンクするほど、基準値を超えて重罪犯が次々に生まれているような時は、裁く方がおかしくなってる時だと決まってる。

 

しかも、裁判の記録もなし。裁判の記録はなく、重罪犯を収容する刑務所に送られたのに、誰もその重罪犯について知らないなんて何ソレ?と、疑問しか浮かばない。

 

昨日までは皇軍と信じて蹶起した青年将校たちが、一夜にして賊軍になったように、ナポレオン支持者の扱いもナポレオン失脚後は一変する。目先の効く、あるいは空気を読むのに長けた人が率先してその空気を作れば、下克上は加速する。

 

下克上を起こすなら、より混乱が大きくなる上の方で起こすに限るから、よくできたお話のなかでは、悪事を足掛かりに栄耀栄華を尽くしたものが、最終的にはお先真っ暗に突き落とされる。

 

そして前近代とちがって、近代や現代では大きな社会的混乱が起きないよう、あらかじめシステムが整えられていて、社会的混乱を防ぐための先行投資も行われている。

 

「社会的混乱を防ぐための先行投資」 > 「社会的大混乱を起こすコスト」という状況で大いなる下克上が起こり、先行投資が単なるムダ金になってもニコニコえびす顔だったら、最初からムダ金を捨てるため。

 

大金をムダ金にしてもニコニコえびす顔だったら、そもそもフツーじゃない。

 

フツーに戻りたかったら、大金をムダ金にする罰ゲームであればともかく。そんな余裕はどこにもないのがフツー。だから、前途洋々だった若者がお先真っ暗に突き落とされ、お先真っ暗に突き落とした側が栄耀栄華を極めてもすべての栄光がチャラになるよう、最終的にはきっつい下克上が起こるよく出来たお話に、拍手喝采が集まるようになっている。

 

世の中がひっくり返るような価値観の逆転は、滅多に起こらない。

 

監査や査察がない、あるいは監査や査察が機能しない前近代的なシステムのもとでは、前近代にありがちな悪事も起こりやすく起こしやすいんだけどさ。それは、前近代的なところで起こることでしょ?で、最先端のシステムを備えたところからはスルーされるだけ。

 

換骨奪胎したチートで最先端のシステムを騙したり欺こうとしても、最先端の側にすぐに換骨奪胎を見破れるような、今さら誰も見向きもしないような古典にさえも通じた人材を揃えてしまえば、チープなチートは通用しない。

 

すべてコストで説明がつく世の中って、考えたらすごく透明かも。

 

コストや資金の出所の説明がつかないのに、いつどんな時でも変わらずに羽振りがいいのは、フツーに考えたら不透明極まりないやね。