クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

賞味期限の高め方

塩漬け、砂糖漬けにコンフィという呼び方もある油漬け。あるいはぬか漬けなんてものもあるけれど、どれもが腐敗を防ぎ保存性を高めるための調理法。

 

腐敗、腐るとソッポ向かれるから腐るわけにはいかず、賞味期限をできるだけ先延ばしするための処方箋として、どれかあるいはその全部を備えていると、食品以外のものも長持ちする。

 

甘やかすばかりの砂糖漬けだとつけ上がるから時には塩対応が必要となり、甘い辛いには踏み込まず、ただ油を売るように暇を持て余している人のニーズに応え続けていると、それはそれで需要がある。とはいえ甘やかしも塩対応も基本はスルーだから効果がなく、持て余すほどの暇もなく寸暇を惜しんで何かに打ち込むアスリート気質が相手だと、腐敗がつけ入る隙もない。

 

食品は腐るとダメになってもう使い物にならないけれど、人材はダメになったからといってポイ捨てするわけにはいかない。腐ってダメになった人材こそを待ち構えているような何かに渡すと、何しでかすかわからないからその種の人たちには決して渡すもんじゃない。

 

砂糖漬けに塩漬けに油漬けと適宜処方箋を変えながら、どの処方箋がもっとも長く賞味期限を保てるのか。試した結果は全滅ながら、わずかに光明が見えたのは金権漬けで、いったん金権漬けにするともっとも腐りにくく、離脱者も少なかった。

 

となると、絶対数が少ないから腐った人、離脱者を出すわけにはいかない組織や何かにとっては金権漬けが現実解となる。常に反金権を叫ぶ塩漬け担当こそが、もっとも腐りやすかったという実例でもあれば、なおさら金権漬けには前のめり。

 

どうあっても多数派と同じにはなれないマイノリティが、最初から生き残りには自覚的で、経済的自立しかめざさないのと同じような構図で、塩や砂糖に油と戯れている間はある意味余裕があった。

 

ソッポ向かれるのが先か絶滅が先かという、時間の問題が間近に迫っていたら、もう塩や砂糖に油は視界にも入れず、金権への道を邁進するしかない。何しろ時間との闘いだから。

 

一寸先は闇という崖っぷちまで追い詰められると、ようやくエンジンがかかって爆発的な瞬発力を発揮する。その瞬発力のおかげで、崖っぷちまで追い詰められたその人はいつもいつも助かってるんだけど、瞬発力の余波や衝撃に巻き込まれる二次被害が大き過ぎるからどうにかして封じ込めたい。

 

という包囲網をかつてないほど精緻かつ広域に張り巡らせてみたけれど、圧倒的な瞬発力でいつも煙のように消え失せるその人の行方は、やっぱり誰も知らない方が与太話としてはミステリアス。