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クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

『暴露の世紀 国家を揺るがすサイバーテロリズム』読んだ

ツールがあったら使ってみたくなるのは人情というもので。

 

アメリカの諜報機関NSAから「XKEYSCORE」というメールや通信記録の収集・探索が可能な監視ツールの提供を受けた日本側の人、使ってみようと思わなかったのかしらねぇ。。

 

スノーデン事件にパナマ文書に、毎日どこかで起こっている個人情報の漏洩に。現代は暴露の時代だから読んでみた、『暴露の世紀 国家を揺るがすサイバーテロリズム』。

 どこかで秘密のビジネスを行いデジタルの痕跡を残している者は、今日もはや枕を高くして眠ることなどできない(本文より引用)

 TwitterにFBにインスタグラムにスナップチャットにと。SNSをはじめとするネットのデジタルツールは発達し続けているけれど、どこにも誰にも監視されずにやり取りできる安住の地なんて、デジタルの世界にはもはやないのさ。

 

ということがよくわかる本書だった。食べたもの・行ったところ・会った人。個人はSNSで積極的にプライバシーを自ら暴露し、国家や要人の隠し事は、スノーデンファイルやパナマ文書のように、暴きたい人によって暴露される。

 

サイバー空間も国家の諜報機関の重要な拠点となり、諜報活動を行うインテリジェンス機関にとっては手つかずの領域が広がり続けている。21世紀のスパイ合戦は、サイバー空間でこそ活発で、オリンピックなどの国家事業に対しては、全世界から格好の標的になる。

 

2012年開催のロンドンオリンピックでは、二億件のサイバー攻撃があったとか。

 

攻撃は最大の防御とはいえ、相手がわからなければ反撃のしようもない。そんな状態では、企業も国家も非戦や不戦を貫くのは難しい。狙われる以上は狙ってくる相手を特定し、何らかの手段を取らないと、ただ損害を被るだけ。やられ損なんだ。

 

そしてサイバー攻撃による情報漏洩は、国家間の緊張を高めるリスクや政治材料にもなっている。情報統制に厳しく、サイバー空間も国家が管理すべしとするロシアや中国と。対照的に表現の自由や情報流通の自由を大事と考える、日米欧と。

 

情報やデータに対して、根本的に考え方の違う国からうっかりデータの提供を求められたら大変で、セキュリティに関するセンシティブな状況もわかりやすく述べられていた。

 

いちユーザーは深く考えずに使っているけれど、IT企業にとっては頭の痛いところかつ、金の卵で悩ましいところ。セキュリティに関する技術の多くは、民間でも使える両用技術で、今の時代容易にお金に代わるのがセキュリティ対策技術なのさ。

 

暗号とかね。暗号化によって、データの読み取りに時間がかかるようになってるんだってさ。情報が抜かれて困るサイドには朗報。

 

日本では求められた時に、必要とあれば提供するスタイルが主流で、アメリカのように常時ピックアップな状態ではないのが普通と知って、ひと安心。何が不法でグレーゾーンなのかも、よくわかる。

 

拡大解釈されて、いち市民まで国家や諜報機関あるいは軍の監視対象となるなんて、嫌すぎるからな。

 

サイバー空間のセキュリティ周りの話は、一般人にはブラックボックスなことが多い。

 

わからないことが多すぎるから、どこからがグレーゾーンなのかや、現行の問題点についても、簡潔に指摘されている親切設計な本だった。

 

国家とIT企業は一枚岩ではないし、セキュリティ上必要とはいえ、不必要に国家が個人のプライバシーを暴くことのリスクも織り込んでいる。

 

法治国家や組織は、法的な問題を進んで抱えたがったりしない。

本来のハッカーとは、技術を使って世界をより良いものにしようとする人たちのことだった。インターネットはそのためのツールだったにもかかわらず、人々のプライバシーを侵害し、自由な発言を抑圧するものになりつつある(本文より引用)

 ことを憂慮しつつ、それでも暴露は止まらないと予言してもいる。日本人は千年の昔から、あいつ気に食わねぇとか日記に書き残してきた民族だからな。

人に危害を加えようとする人たちは、ますます自己暴露に慎重になり、姿を隠そうとするだろう。(本文より引用)

 

人の顔見るなり逃げ出していった人のこと、よく覚えてるよ。

 

いったいどんだけやましいことしたんだか。忘れない。暴露がやまない世の中で、顔出しして意見表明する人の価値は、長期的に上がっていくんでしょう。

 

アレルギーで鼻づまりに苦しむ身では、あんまり深いこと考えられなかったけど、サイバーテロについて初心者が知るにはちょうどよかった。

 

お休みなさーい。