クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

ヒエラルキー

「手作り」のラベルは、規格化された工業製品ばかりが並ぶなかにあると新鮮。

 

規格化して工業化したあとに生まれた、余暇を使ってできた手作り品なのか。それとも規格化も工業化もできてないけど、蓄積されたノウハウを使ってできた手作り品なのかで、見方も変わるんだけどさ。

 

人間らしいエピソードやフレーズが紛れ込んでいると、あぁこれは人の手によるものなのかと新鮮に映るのは、文章も一緒。実は誰かのクセ、よく使うフレーズや決まり文句。あるいは誤字脱字の多さ。そういったクセをわざと紛れ込ませると、ある人が書いたかのように誤認させることもできる。

 

実はぜーんぶある種の稚拙なAIが書いたものであっても、人が書いてるから稚拙でしょうがないと思わせることも可能かもね。かもかも。

 

ペットとして飼われている犬は、家庭内での自分の序列を「末っ子よりは上で、下から二番目」と認識するんだってさ。昔々読んだフィクションではそうなってた。真偽は知らね。知らないけど、家庭をもうちょっと大きくして、地域やエリアあるいは国家にまで広げると、下から二番目という犬の立ち位置にも説得力が増す。

 

権力の犬とか「あいつは犬だ」と言った場合、あんまりいい意味では使ってない。

 

強者には歯向かわず、可愛がってくれる人には懐き、強者に歯向かい犬を可愛がらない、あるいは犬より可愛がられる人に向かって吠えたてる姿をイメージすれば、しっくりくるから。

 

末っ子は、末っ子だというだけで犬より可愛がられる。家庭内でもっとも格下という侮りと、それでも家庭内の誰よりも愛されがちな対象である末っ子への犬の複雑な心境が、「末っ子よりは上で、下から二番目」という立ち位置に現れるのかも。

 

末っ子を移民に置き換えて、犬を国境警備にあたる治安維持関係者、軍とか警察にあてはめると、個人的にはたいへんしっくりくる。

 

ニューカマーは基本持たざるだから、それなりの庇護が与えられ、人手不足な職場からは金の卵と歓迎もされる。なかにはひどい職場もあるけれど、労働意欲ある新規労働者は基本可愛がられる。ニューカマーが増えれば増えるほど、ニューカマーの受け皿も増え、その中をぐるぐる回っていれば、人に嫌われ時には命の危険もある職に就くこともない。

 

すでに人に嫌われ時には命の危険もある職についてる人からすれば、目障りなことこの上ない。目障りなことこの上ないから、ことさらやかましく吠え立てる犬のように、俺・私たちにこんなイヤな仕事をさせやがってと移民に辛くあたるのが、国境警備にあたる軍や警察といった治安維持関係者。

 

と、見立てれば、越境を試みる不法移民に対し、容赦なく権力をふりかざす彼ら治安維持関係者の姿も納得する。

 

吠える代わりに権力をふりかざしてぶん回してる。権力をふりかざしてぶん回してる姿は、国境を超えてワールドワイドに放送され、一旦ワールドワイドに放送されてしまったらもう彼らは権力の側から離れられなくなり、ますます権力に絡み取られて首が締まっていくのはワンちゃんの方。

 

核家族や独身者が増えた今どきでは、「末っ子よりは上で、下から二番目」という家庭にめぐり合うのも難しい。末っ子よりは上ポジションをめざすより、ひとりっ子として可愛がられる。あるいは頼りにされるポジションめざした方が、犬にとっても犬を飼う家庭にとっても幸せそう。