クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

中途半端なお金の使い道

誰かを不愉快にさせるのはわりと簡単で、特に芸はいらない。その反対に誰か、それも見知らぬ誰かを愉快な気持ちにするのは難しくて、だから難しいことをやってのける人に称賛が集まるのは当然のこと。

 

特定業界にだけ通じるジャーゴンを散りばめ身内意識を強調するのは、お愛想目当て。見知らぬ人ではなかったら、お付き合いでお愛想のひとつも言うものだから。義理やお付き合いでお愛想のひとつでも言っとくかという気持ちは、愉快とは別のもの。どっちかっていうと、そんな気持ちにさせるものは煩わしい。

 

住宅ローンや子供の数だけかかる教育費といった、大きな出費を控えてる人にとって、百万円というお金は中途半端。あると助かるけれど、あったとしても大きな出費に呑み込まれ、有難みは薄れがち。貰ったらもちろん嬉しいんだけどさ。

 

中途半端な金額のお金、ただバラ蒔くだけじゃなく、より有難みが増す使い道は何かと考えたら、思いつくのは生産手段のアップデート、つまり設備投資。その場合、小さなお店や事業者の方が、100万という中途半端な大金でできる設備投資もより効果的に思える。

 

すでに何らかの生産手段を持ち、何かを生み出しているけれども、大量生産や大量受注に応えるのは難しいから事業規模は細々。というお店や事業を想定してる。

 

具体的にイメージできるのは飲食店ぐらいしかないけれど、厨房用品の進化は著しく、著しく進化した機能に応じてお値段もそれなりになってるから、設備投資としてはちょうどよさげ。

 

細々と事業を営みつつ生活しつつ、設備投資資金を別途貯めるのは大変で、だからローンになるけどローンを組むのは、それなりに長く続けることが織り込み済みの場合に限られる。

 

コンビニやスーパーあるいはドラッグストアといった大手だけでなく、地域内の同業者との競争も激しいからそう大きな伸びしろも期待もできず、気力が続く限りはとりあえず続けるつもりでローンを組まないお店は、きっとそれなりにある。長期の見通しが立たなかったら、負債は増やせない。

 

それなりにあるのは今のうちだけで、そのうちあっという間になくなってしまうのが、この種の小さなお店や事業。

 

生産手段を早めにアップデートして、気力が続く期間を延ばすことができたら、お店の寿命もそれだけ長くなる。早い方がいいのは、早くしないとツールの進化にもついていけなくなるから。

 

結構長くやってるような、歴史あるお店で使ってるツールは、やっぱりお店の歴史に準じて相応に古いことがほとんど。気力が続く限りのうちにはツールが壊れるまではというケースも相当数ありそうで、もう修理するのさえ難しいものを使い続けてるように見えることもたびたび。近頃は、そういうお店もすでに減りつつあるけどさ。

 

本気で長く事業を続けるつもりがある人だったら、設備投資プランくらいすでに持ってそうなもの。

 

ローンを組まずに済み、設備投資資金を貯めこむ時間を節約出来るチャンスがあったら、事業に前のめりな人ほど積極的に手を挙げればいいだけ。前のめりになれない人は、前のめりになれないだけの理由があるから、その理由を取りのぞけば、ちょっとは前のめりになれるかも。

 

小資本でもできるお店や事業が消えると、街の景色はたいてい殺風景になって、どこも一緒で似たような景色になってゆく。

 

駅前の一等地にお店、それも路面店を構えているのは聞いたことのある大企業ばかりになると、景気がいいんだか悪いんだかもわかりゃしない。地面のお値段相応に、高い賃料を払えるのはやっぱり大企業。でもその中で働く人がお金使う場所は、コスパに優れたお店ばっかりだと、景気よくお金が循環してるようにはまったく見えず。

 

生産手段を持たない、特に何かを生み出してるわけでもない人にお金渡しても、まわり回って誰かのためという経済圏も小さくまとまりがちで、使い出という意味もあんまりないかも。

 

お休みなさーい。