ビストロSMAPが始まったばかりの時、「これでまたひとつ、男が結婚する理由が減る」って言ってる友人がいた。女子力高い専業主婦のお母さんのおかげで、彼女の誕生日にケーキ焼いて、魚三枚におろせて、稲荷寿司も自分で作っちゃうような子だった。
男も料理楽しむことが当たり前になったら、QOL(生活の質)高めるために、わざわざ料理上手な女性と結婚しなくてもすむからって言いたかったらしい。何でも自分でできるようになったら、パートナーに求めるのは安らぎとか癒しとか、あるいは向上心とか。精神面重視するようになるから、この人きっと相手見つけるのに苦労するだろうなーって思ってたら、やっぱりなかなか結婚しなかった。
それはともかく、ビストロSMAPが新鮮だったのは、男の子が(放映開始時はそう呼んでも差し仕えない年齢だった)、男の子らしいぞんざいな口調、かつおふざけを交えながら料理する姿が珍しかったから。
男性料理研究家はそれまでにも居たけど、大抵は女性的で丁寧な言葉遣いで話してること多かったんだよね。料理研究家って基本女性相手のお仕事なので、自然と女性的になったみたい。
ビストロSMAPの場合、男の子が料理してる、その姿は新鮮だったけど、作ってる料理は手が込んでいて、色々コダワリのある「男の料理」路線はしっかり継承してた。そうじゃない料理も登場してたけど、予算は天井知らず・後片付けはアシスタントにお任せわしゃ知らんって感じだった。
それからまた幾星霜経て、男子ごはんが登場した。ケンタロウはあの岸朝子(料理の鉄人のコメンテーター)に、「あのケンタロウ君が大きくなって。。」って言われるような料理界のサラブレッドで、子どもの頃から料理好きなエピソード豊富な人で、テレビ見てるこっちも親戚のおばさんのような気分で応援してた。
アシスタントが当初は料理できない太一君で、二人して「〇〇入れ忘れたー!」とか、大騒ぎしながら料理する姿は、まるでキャンプやBBQで騒いで役に立たない男子そのもの。作ってる料理も「普段の料理」。メンドクサイ手順はできるだけすっ飛ばしながら、要所では「このひと手間でもっと美味しくなる」ってちゃんと伝道してた。あれ見てると、すごく料理が楽しそうに見えた。
料理本色々持ってるし、買い込んできたけど、レシピ通りに作っても間違いなく美味しいのは、私の場合小林カツ代の本が初めてだった。
「レシピ通りに作っても、なぜか美味しくなくて、何でだろ?料理家との相性かな?」なんて人と話してた時、身内が料理研究家っていう人が「美味しくなるコツは本には書かないから。料理教室に来て初めて教えてもらえるもんなんだよ」って言ってた。え~何それ~?って思ったけど、それまでは、そうとしか思えないレシピに料理本も確かにあったから。
実生活でもお母さんだった小林カツ代さん。確かお嬢さんもいたはずだけど、男の子の方が料理の道にすすんで、新しい景色見せてくれると思ってたのに。
もっと見ていたかった。そう思う人ほど煙のように消えちゃうのかも。
鮭とイクラの親子炊き込みご飯。持ってるケンタロウの料理本の中で、最もたくさんリピートしてるメニュー。季節的にもぴったりだから、また作る。
キャベツ適当な大きさにちぎって、ごま油とオイスターソースと酢を同量混ぜたドレッシングであえるサラダもよく作ってた。簡単なのに美味しいんだよね。
お休みなさーい。