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クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

知的自由は今どこに?『シチズンフォー スノーデンの暴露』見てきた

お母さん、メディアを騒がせたあの事件。結局はどうなったんでしょうね。

 

電波やネットをジャックする勢いで、「その話題」で持ちきりだったのも過去のこと。アメリカの諜報機関NSA国家安全保障局)が、巨大インターネットやIT企業の協力を得て、アメリカ国民の個人情報を収集していることを暴露した、“スノーデン告発”。


渦中の人物であったエドワード・スノーデン氏本人のロングインタビューを含んだ『シチズンフォー スノーデンの暴露』を見てきた。


映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』予告編

 2013年6月3日、ローラは“シチズンフォー”の求めにより、旧知のジャーナリスト、グレン・グリーンウォルドとともに香港へ向かった。ホテルで二人を待っていたのは29歳の元CIA職員エドワード・スノーデン。彼の語る一部始終をローラのカメラが記録する中、驚くべき事実が明かされてゆく。

NSAや他国の機関がどのような仕組みを使い、テロや犯罪への関与と無関係にあらゆる国民の電話の会話、メールの内容からインターネットで検索した言葉まで、すべての通信記録を収集。分析しているのか。グレンたちが驚いたことに、スノーデンは自ら内部告発者として名乗り出ることを望んでいた。

なぜ彼は、自身や恋人の身に重大な危険が及ぶことが予測されたにもかかわらず、この告発に至ったのか……。(映画公式サイトより引用)

 知的自由を求めての行動が、自由社会をさらなる混乱に陥れる

まずびっくりしたのは、“スノーデン告発”が、映画化ありきで行われていたこと。

 

アメリカ政府による民間企業、それも名だたる世界的大企業を巻き込んでの大量の市民監視という驚くべき事件は、日本でもセンセーショナルに報道された。

www.nhk.or.jp

告発に踏み切ったのは、エドワード・スノーデンという青年。NSA国家安全保障局)より業務委託を受けた、コンサルティング会社の情報技術者だった。

 

政府公認でビッグデータ、クレジットカードによる購買履歴や、電話の送受信記録などを解析して、アメリカ市民の大量監視に従事していた人物。映画の中でも、盗聴や監視についての手口が、ほんのちょっと明らかにされる。

 

この映画では、告発はインターネットの「知的自由」を求めてのことだったと、本人の口からも何度も説明される。でも、知的自由を求めたはずの青年が今いる場所は、自由社会をさらなる混乱に陥れそうで、見終った後には何とも言えない後味の悪さが残る。なんであなた、そこに居るのさ。

 

内部告発者にも、存分に反論の場を与えているのはフェアだけど。。

エドワード・スノーデンが、内部告発者として実名顔出しインタビューに応じた場所は、アメリカではなく香港。一国二制度で、強権が発動されにくい場所。

インタビューは8日間にも及んでいるけれど、その間にも彼の身辺に監視が及んでいるかのようなエピソードが、挟み込まれる。

 

インターネットの「知的自由」、立場にかかわらず、誰もが自由に発言できる場を志向する彼は、監視が言論や知的自由を萎縮させると説く。そりゃそうだ。

 

権力者の“不都合な真実“を暴露した後、身辺で「次はお前の番だぞ」と言わんばかりの不審な事件が相次ぎ、得体の知れない人物につきまとわれ、耳元で”ふざけるな“と囁かれ続ければ、大抵の人間は口をつぐむ。

また人格とは切り離して欲しいとの彼の訴えは、同時に人格攻撃も盛んだったことをうかがわせる。

 

そして、連続して起こる不審な出来事は、告発や暴露の信ぴょう性をこの上なく高めてくれる。「あら、やっぱり痛いとこついたのね」と。

 

痛いところをついていたから、香港でエドワード・スノーデンのロングインタビューに成功した、英ガーディアン紙の記者はピュリッツァー賞をとり、映画はアカデミー賞を受賞した。すべてがうまく運び過ぎていて、気持ち悪いんだ。

うまくいくに違いない告発者(しかも映画ばえするビジュアル持ち)が選ばれ、告発者が適切に報道できる人を選んで、それぞれに名誉を与え、「悪いのはアイツ」と名指ししている。

 

無差別テロという不幸を経て、大量の市民監視に舵を切らざるを得なかった国。バカげた数の監視対象者の数は、誰も信じられないという不信の証。

 

「信じられない」が「信じられる」に転じるには、信頼を積み重ねるしかない。それがデータを積み上げることであったら、データの提供もやむを得ないと考える、当方はグーグルもアマゾンもアップルもユーチューブも信頼したいマン、もといパーソン。

 

アマゾンのおすすめ、リコメンドをめっちゃ信頼してる。赤の他人よりアマゾンのリコマンド、システムを信頼し、システムに頼っている人間は、システムの不正をにわかには信じられない。

 

おまけに、経済的自由を求めて知的研鑽を積んできた人たちに、絶大な信頼を寄せている。

 

チートや知的怠慢を許さない人が、知的自由の担い手

この作品では、グーグルやアマゾン、アップルにフェイスブックといった、世界に名だたる巨大インターネットやIT企業の協力のもと、政府が個人情報の収集に従事していたと暴露される。

 

ただ名指しされた企業側も、事件が公になった時点で、法的に適切な範囲で政府の協力要請に従っただけと声明を出していたりする。法がテクノロジーの進化や、テクノロジーの進化がもたらした、新しい問題に追いついてなかったことも浮き彫りにする。

 

世界に名だたる巨大インターネットやIT企業は、経済的自由を求めて知的研鑽を積んだ人たちが集まる場所。

 

経済的自由を求めて知的研鑽を積んできた人たちが、自分たちの居場所の知的怠慢を放置するだろうか?いーや、そうは思わない。

 

組織を危険に陥れる、知的に怠慢な人が居れば、その人はきっと追放される。何人か追放したところで、優秀な志願者が後を絶たない組織なんだから、困りもしない。

 

バカげた数の人間が監視対象になっていて、しかもアメリカ国内にとどまらず、他国にまで監視対象を広げていると知れば、そこは素直にバカげていると呆れられる。

 

監視に回す労力を他に回せば、もっと生産的なことができそうだから。

 

ただ、もし〇〇がなければ、もっと□□だったろうという、根拠希薄なロジックを信じた結果、見事に資本主義あるいは近代民主主義国家の雄であった大国が、落ちぶれそうになってるのをつい最近目撃したところ。

 

かえすがえすも、なんであなたそこに居るのさという違和感が、強くなるばかり。知的自由を求めたあげく、独裁者の庇護下に入るとか、いったいどんなパラドックスだよ。

 

“捜査とは、人生に立入り壊すもの”というナレーション通り、人生を破壊された彼には選択の余地はなかったのか。抑圧の記憶も生々しい場所でこそ、知的自由も活性化するとの判断なのか。

 

内部告発者である彼が、その場所にとどまり続けるかぎり、事件は一応の決着を見せたようで、事件の余波は今後も大きくなると予感させる終わり方。事件の経緯よりも、今後の行方の方が、よっぽどミステリー。

 

その行方は、経済的自由を求めて知的研鑽を積んできた人たちに、ぜひとも検証をお願いしたいところ。

 

メディアを騒がせたあの事件、結局はこうなったでは終わらずに、知的自由の行く先がますます気になった。ちょっとした好奇心で検索しても、訓練された専門家の言葉に迷わずたどりつける、その状態こそが、知的自由ってものではないでしょうか。

wired.jp

暴露―スノーデンが私に託したファイル―

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スノーデン・ショック――民主主義にひそむ監視の脅威

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お休みなさーい。

 

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