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クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

エリザベス女王もかつては19歳のお嬢さんだった、『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』見てきた

タイトルが長い。。御年90歳におなりになった、イギリスのエリザベス女王。イギリス史上最高齢・最長在位を誇る彼女が女王となる前、19歳の日の「或る夜の出来事」を描いた『ロイヤル・ナイト』を見てきた。

 

エリザベス王女が秘密の外出を楽しんだのは、1945年5月8日のヨーロッパ戦勝記念日。連合国軍が敵国ドイツに降伏文書を調印させ、正式に戦争が終わった日。20世紀、もしかしたら21世紀を通じて、「戦争なんてもう二度とごめん」という気分がもっとも盛り上がった、一夜の出来事を史実をもとに描いてる。

6年間続いた戦争が正式に終わる国を挙げてのお祝いの夜。エリザベス王女と妹のマーガレットは生まれて初めてお忍びでバッキンガム宮殿をあとにする。付き添いが目を離した隙に、シャンパンに勢いづいてバスに飛びのったマーガレットを追いかけて街に出たエリザベス。そして人生を変える一夜が幕を開ける。

(映画フライヤーより引用)

 エリザべス王女を演じるのは、サラ・ガドン。「世界で最も美しい顔ベスト100」に4年連続で選ばれているだけあって、たいへんにお美しい。


映画『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』予告編

ポスターその他を見た時には、失礼ながら絶世の美女ではないところがいかにもエリザベス女王っぽい。などと思ったことを深―く反省。画像よりも、話したり動いたりしてる方が、100倍は魅力的だった。

 

ボーイ・ミーツ・ガールな『或る夜の出来事』を踏襲したストーリーながら、ヒロインの魅力で作品の魅力も70%は確実にアップ。

王女さまだけあって、世間知らず。世間知らずだけど、同時に性格の良さや育ちの良さがにじみ出ているので、ほっとけなくてつい手助けしてしまう、可愛らしさや愛らしさも全開だった。

 

エリザベスが街をさまようのも、無鉄砲な妹マーガレットを探すためという趣向で、エリザベス女王のパブリックイメージを損なわないようになっている。

 

ボーイ・ミーツ・ガールで知り合った、空軍所属の兵士ジャックといい感じになりそうでも、そこはやっぱり婚約者のいる身で次期王位継承者だから、どこまでいっても王位継承者にふさわしい振る舞いを忘れない。ついでに父や母、あるいは妹といった家族の仲もよく、円満な家庭で大切に育てられたことも織り込まれている。

次期王位継承者という王道を歩く人は、王道から外れない。外れられない。非凡な人は、どこまでいっても非凡なんだ。

 

世界でもっとも荷の重い、イギリス女王という職務をまっとうしつつある女性への賛辞に貫かれている。

 

『ロイヤル・ナイト』は、女王となる以前の日々を描いているけれど、エリザベス女王戴冠式は、世界で初めてテレビ中継された。以来、その配偶者や息子に娘、嫁や孫にひ孫に至るまで、テレビや雑誌やインターネットといったメディアに晒され続けた。

 

ダイアナ妃の悲劇に、息子や孫のご乱交など少なからぬゴシップ、ネタとしてイギリスのみならず世界中で消費され続けた女性とも言えるのがエリザべス女王。ネタとして消費し続け、儲けさせてももらったメディアから、功労賞くらいもらったって罰は当たらない。

 

「世界で最も美しい顔ベスト100」に選ばれた女優が女王を演じるのも、メディアからの贈り物と考えたらぴったりくる。

 

ときどきネタにされつつも、「私やーめた」で降りられない職務を長年に渡って務め上げた女性だから、基本的には尊敬されてるっぽいのが女王陛下。だけどダイアナ妃が事故死した時には、苛烈なバッシングも浴びていた。

 

ヘレン・ミレンエリザベス女王を演じた『クィーン』は、ダイアナ妃が事故死した当時の出来事を描いたもの。国民的アイドルだったダイアナ妃の死に対して、女王は冷淡過ぎると王室バッシングの矢面に立たされていた。

クィーン [DVD]

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いったん叩いていいと決めた対象を、とことん叩くのは世界中どこにでも見られるメディアの病。女王サイドから見た王室バッシングとはいえ、高位にある人へのメディアからの過剰な攻撃は、見ていて気持ちがいいものではなかった。

 

君臨すれども統治せずな人を叩くより、もっと有益な取材対象はほかにもあるんじゃないの???という疑問がムクムクとわき起こるのは、今も昔も変わらない。

 

サッカー選手やポップスターよりも、王室メンバーの方がぶっちぎりで知名度が高い。叩いても反論できない人をいたずらに追いかけ回すよりも、イギリスやイギリス文化の広告塔として、クリーンなイメージで世界中に認知された方がはるかにお得。そのくらいには、メディアと王室の関係も変わったのかと思わせた。

 

若き日のエリザベスがほんわかといい雰囲気になる空軍兵士のジャックは、いかにもイギリス労働者階級出身っぽい。金融街であるシティーよりも、パブでサッカー見ながらビール飲んでそうな青年。ガタイもよくて、腕っぷしも強い。育ったお家も本当に庶民のお家だった。

 

敵軍を何機か撃墜して勲章も貰っている兵士ながら、血で血を洗う戦争がイヤになった脱走兵(正確には脱走兵になりかけ、だったけど)という設定も、普通の人っぽい。戦争が楽しくてしょうがない人や、冷酷に次々と敵を殺せる人は、普通じゃない。

 

普通の男性らしく、困ったお嬢さんはほっておけず、実は王女さまだと知ると憮然とする。その反応も、本当に普通。

 

さて、その普通の男性とのほんわかワンナイトラブ(というには大変に可愛らしいけど。。)はどういう風に着地するのか。そこに、この作品のテーマがあったんじゃないかと勝手に思ってる。

 

この映画は、イギリス史上最高齢・最長在位を誇るエリザベス女王へのプレゼントにして、素晴らしきイギリス王室のプロパガンダ。作った人にそのつもりは無くても、そう見えちゃったんだからしょうがない。

私は、私の全生涯を、たとえそれが長かろうと短かろうと、あなた方と我々のすべてが属するところの偉大な、威厳ある国家に捧げる決意であることを、あなた方の前に宣言する。

wikiより引用

 21歳の日の誓いをまっとうしつつある女性は、王位につく前から無名の人とも同じ食卓につくことを厭わなかったというエピソードは、女王の株をさらにあげるのにお役立ち。

 

羽目を外さないお嬢様を演じるサラ・ガドンが、とにかく魅力的だった。

 

realsound.jp

お休みなさーい。