クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

『決済の黒船 Apple Pay』 読んだ

決済の黒船と言われましても。おサイフケータイですでに経験済みだしな。。という先入観が、大きく覆った。

 

その姿はよく知るおサイフケータイにそっくりだけど、中身が違う。規格や使われている技術が、そもそも違う。

 

ガラパゴスな日本のおサイフケータイ市場を牛耳ってきたFelica方式に、Appleの方から歩み寄ったところが画期的で、黒船来航という例えもちっとも大袈裟じゃない。

 

 一時は死に体だったNFCを生き返らせたApple Pay

アメリカにおけるおサイフケータイ、デジタルウォレットをめぐる開発競争で、グーグルとAT&Tベライゾンなどの携帯電話会社が、足を引っ張り合って自滅し、一時は死に体となりっつあったところを、Apple Payが美味しくいただきましたという知られざるエピソードは、最高にクールでAppleらしい。

 

Appleらしく、クールでモダンな装丁かつ文字も少な目、行間もスッカスカで読みやすさにたいそう配慮されているけれど、その中身は濃かった。。

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  • NFC:(非接触型近距離無線通信技術)
  • EMV:(ICチップ内蔵クレジットカードの統一規格のひとつ。4桁のPINコード入力にyり本人確認する方式)
  • Touch ID:(指紋認証
  • ライアビリティ・シフト:(EMV対応されていない店舗による偽造カードの損害は、これまでカード会社持ちから、店舗や店舗管理者に課せられる)
  • トークナイゼーション:(オリジナルのクレジットカード情報からバーチャルなクレジットカード情報を生成し、バーチャルなクレジットカード情報にて決済処理する仕組み)

 見慣れない用語のおかげで頭痛が痛くなりそうだったので、整理するとこんな感じ。この辺の用語がすでにわかってる人には、もの足りなく感じるかも。かもかも。

 

そうでない人には、必要にして十分な、決済、とりわけデジタルウォレット市場における世界動向が、コンパクトにまとまってた。

 

現在の決済システムがそのまま使える

 Apple Payにビットコインに。近頃目新しい決済手段が何かとクローズアップされるのは、端末読み取り機、リーダーの更新時期を迎えつつある事情とも大いに関係ありそ。

 

端末が増えても、読み取り機、リーダーが更新されなければ、端末の持ち腐れ。ビットコインを受け入れる端末はまだもの珍しいけれど、Apple Payを受け入れる端末は、コンビニやファストフード店など、そこかしこにあり。

 

つまりApple Payは、トークナイゼーションという新しくより安全な技術を使いながらも、クレジットカードその他で使われている、現在の決済システムがそのまま使えるところがよいところ。

 

大規模なシステム改修を必要としないので、システム構築を請け負う人たちにとってはガッカリポイントかも。反面コストがかからないから、普及させやすい。

 

トークナイゼーションのいいところは、バーチャルなクレジットカード情報で決済処理する仕組みなので、スキミングや個人情報漏洩の心配が無用になるところ。

 

スキミングも個人情報漏洩もイヤなので、無記名のICカードに都度現金でチャージしてる身としては、これ朗報。あら便利じゃん。その感覚で使えるようになるんだから。

 

おまけにトークナイゼーションには「ドメイン化」という拡張機能もついて、メールを振り分けるように、「限度額の設定」や「利用地域国内のみ」といった条件を付けることも可能とか。これは「可能」なことであって、現状ガラパゴスな日本のFelica方式を取り入れたApple Payが、そのまま海外で通用するわけではないけれど。

 

通用しないのは、そこに世界標準であるType A/Bの壁がそびえ立っているから。

 

Type A/BとFelicaが仲良く併用されたリーダーが世界に普及するようになれば、世界旅行も山手線一周くらいの感覚で、出掛けられそうで、地下鉄その他の公共交通システムに乗り入れるのが、Apple Payの近未来における野望っぽい。

 

おサイフケータイの普及にはずみをつけたのは、間違いなく「電車賃(あるいはバス代)を勝手に計算して払ってくれる」だったからな。狙いは正しい。

 

ライアビリティ・シフトが普及を後押しする

 Apple Payのようなモバイルウォレットに、「トークナイゼーション」は続々搭載されつつあって、グーグル・マイクロソフトサムスンが各々開発中のモバイルウォレットにも採用中とか。

 

その背中を押しているのは、VISAのような国際ブランドカードというところがまた興味深い。Apple Payは、従来のクレジットカード決済によるビジネスモデルを踏まえたソフトランディングスタイルなので、どこかの仮想通貨のように、目の敵にもなりにくい。

 

クレジットカード決済方式の何がいいって、現金をチャージする必要がないから、キャッシュレス社会にもそれだけ近くなる。現金の流通量を下げたかったら、現金が必要なシーンをことごとく潰していけばいいという、設計思想もそこには垣間見える。

 

クレジットカード決済方式をベースにしているので、Apple Payも手数料を徴収するモデルとなっている。

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手数料無料の代わりに、個人情報収集モデルのグーグルと、果たしてどっちがいいのか。そこは好みが分かれそう。個人情報を貯めこむことは、かえってリスクと考える人や組織がApple Pay向き。

 

偽造クレジットカード使用時の賠償責任が店舗側にふりかかる、ライアビリティ・シフトが、より安全で便利な決済方法へのアップデートを強力に後押しする。

 

利用者にとっても、「この店舗でクレジット決済すべきか」は常に心配なところ。不安な店では買い物しない、あるいは現金支払いを選ぼうとすると、キャッシュレスにも逆行する。

 

2016年10月からは、Safariでのブラウザ決済にも対応し、ECサイトで買い物する人への利便性向上も打ち出してきているApple Pay。

 

ユニバーサルデザイン

普及拡大の先に見据えているのは、ブルートゥース通信で、財布代わりのスマホを取り出す行為さえ追放する、決済のスマート化。最終章にはApple Payが可能にする便利なことが、あれもこれもと並べられ、そのあたりはビットコインの普及に伴うバラ色の未来予想図とさして変わりなし。

 

ところでキャッシュレス社会、デジタルウォレットによるスマート決済が、一日でも早く実現することを望んでいる人は、きっと健康で口も達者な人じゃない、

 

どんなに店側に急かされようと、「はいはい、ちょっと待ってくださいね~」と上手に店員をあしらえる人には、一日でも早いデジタルウォレットによるスマート決済は、今のところ必要なし。

 

むしろ、図々しくも口達者に振る舞うこともできず、常に申し訳なさと不自由さとともに日々過ごしている人にとってより福音となるはず。

 

すでにある決済システムを利用すれば、デジタルウォレットによるスマート決済の実現がそれだけ早くなる。

 

初めて買ったパソコンは、Appleだった。女こどもが乱暴に扱ってもいいようにデザインされた、使い勝手の良さが決め手だった。

 

Apple Payにも、老若男女を問わず、体のどこかに不自由がある人でも使いやすいよう配慮された、ユニバーサルデザインに通じる設計思想を感じる。

 

トークナイゼーションは、新しい概念であっても理解しやすく、理解しやすいものだから、使いやすい。使いやすいとハードルを下げていくこと、大事やね。

 

よく知ったおサイフケータイとよく似ているけれども、その中身は新しいApple pay。日本というガラパゴスを脱することができるのかどうかが、今後の課題だね。

 

規格や規制という消費者には見えない「国の壁」を、今後も越えていくのかどうか。越えたい人が多ければ、壁もそれだけ早く消滅する。

決済の黒船 Apple Pay (日経FinTech選書)

決済の黒船 Apple Pay (日経FinTech選書)

 

 お休みなさーい。

 

waltham7002.hatenadiary.jp

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鳴り響く脳内へぇボタン

フランスかどこかでは、海中での植物工場を試験的に運営してるとか、ニュースでやってた。

 

海中(あるいは海底だったかも)に透明なドーム型の物体を並べ、その中でハーブやレタスなどの葉物野菜を作ってた。ドーム外の外気温(=水温)が一定で害虫もおらず、植物の生育はむしろ地上より良好らしい。

 

ファーマーは、潜水服着て水中にダイブして農場にお出かけ。

 

ファーマーなのにダイバーでもあって、近未来に予想される食糧危機に備え、あらゆる場所での食糧増産を狙ってるんだとか。一見バカげた思いつきも、実験する余裕があって羨ましいやね。

 

アクセサリーショップで、店員さんから教えてもらった技。

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「留め具部分だけ外に出しておけば、中でチェーンが絡まることもなく、取り出しやすくなりますよ~」と。

 

脳内へぇボタンが鳴り響くほど、感心した豆知識。

 

専門店でお買い物した甲斐がありました。客の機嫌とりゃいいってもんじゃなし。天気の話なんかされてもつき合う気になれないから、アクセサリーの収納豆知識やお手入れ方法なんかを教えてもらった方が、好感度もマシマシ。

 

いったん上昇した気温も、週末にかけて急降下。

 

毎日アウターに悩んでるけど、今日は厚手の冬用ブルゾンで正解だった。首元も、悩んだ末にストール巻いといてよかった。夕方になるとまだまだ風が冷たい。土曜日は、これが春一番ってものか???という強風が吹き荒れていたけれど、春一番だったのかどうかは知らね。

 

欧米では思想を語り、日本では感情を語るのが、かつては文章のお作法としての共通解らしかった。では中産階級が今後も爆発的に増えるアジア諸国は、一体何を語るのか。

 

インドあたりは、欧米の影響力が強そうかつ英語圏だから、やっぱり思想を語ってるのか。じゃあ日本と地理的に近い、東南アジアなんかではどうなるのか。

 

自分の国が豊かになってくると、とかく自国由来のものに誇りを抱きがちだけど、自国の言葉で自分たちの感情を語る前に、SEOに最適化された文章作法を身に着けているのが今どきなのかも。だとしたら、味気なし。知らんけどね、実際のところは。

 

お休みなさーい。

ささやかな言葉

詩人で評論家の大岡信さんが亡くなった。

 

訃報を聞いて、おかしな擬音が思わず口から出たほど驚いた。正確に言うと、高齢ということはわかっていたので、ニュースなどでその死を大きく知るよりもっとひっそり何ヶ月か何年か経ってから、あぁそうなんだという穏やかな形で知りたかった。完全にこっちの都合だけど。

 

教科書にも載っていた、『言葉の力』という文章(随筆?)で出会ったのが最初。柔らかな語り口ながらも論旨が明確で、わかりやすい文章が好きだった。詩や評論という分野の人だけどロジカルで、日本語の持つウェットさと格闘もしていた人。ウェットであることをわかりつつ、そこから脱しようとしてたところが好きだったのかも。今にして思えば。

 

言葉は氷山の一角(『ぐびじん草』、言葉の力より引用)

 というフレーズは、初めて見た時からずっーとずっーと、心に残り続けている。

 

どれほど見目麗しくて一見感じが良さそうに見えても、対面で向き合った時その人の口から出る言葉が口汚いものだったら、それがその人の性根で本性で、だいたい間違いなかった。

 

普段どのような言葉に囲まれて暮らしているのかが丸わかりになるのが、その人の口から発せられる言葉。書き言葉は誤魔化しがきくけど、話し言葉は誤魔化せない。訓練でどうにかなる分野だから、ささいな言葉、日常でポロポロ漏らす言葉にこそ、より真意が表れやすい。

 

本棚から久々に引っ張り出してみた『ぐびじん草』。読み返してみると、ささいな言葉こそ大事なんだということが繰り返して書いてあって、我ながら笑える。影響受けすぎ。

ぐびじん草

ぐびじん草

 

 言葉の皮肉な在り方の一つに、大げさな言葉はわれわれをあまり感動させず、つつましく発せられたささやかな言葉が、しばしば人を深く揺り動かすという事実がある。

 

言葉というもののささやかさを強調したい。一つひとつの言葉はまことに頼りない、ささやかなものだということを言いたい。

 

その大事な素晴らしい言葉というのは、実はそのへんにごろごろ転がっているあたりまえの日常の言葉なんだということに対する徹した認識があるかないか、ということだろう。

 といった調子で、ささやかな言葉を大事にしましょう、ということが書き連ねてある。

 

言葉がキャッチコピー化し過ぎて先鋭化すると、あざとさやどぎつさが先立って、そもそも目にするのも嫌になる心証を、言葉を大量に扱う人だからこそ言い当てている。最初は物珍しかったどぎつい言い方も、100人が一斉にやり出したら、もう見たくもない。

 

可処分時間奪い合いで、アテンションエコノミーがデジタル資産として通用する今では、虚しく響くのもわかってるんだけどさ。ギョーカイの人じゃないんだから、読みたいのは穏やかなもの。

 

訃報を聞いてAmazonで、いい加減『折々のうた』が電子書籍化されてないかチェックしたところ、新書や文芸・評論部門でもランキング入りしていて嬉しかった。書店でも山積みになっている本や著者の中で、健闘している姿がなんだか健気。電子書籍化されていたら、もっと順位が上がっていた気がしてしょうがない。

 

落語もいいんだけどさ。『折々のうた』のようなもの聞いて、しみじみしたい。試しにFebeでも探してみたけどやっぱり見当たらず、ごくごく少数者の意見だってこともよくわかった。世の中が年老いても、しみじみしたい人が増えるとは限らず、年の取り方が変わったものよと、しみじみした。

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しみじみしてても決してそう見えない自分は、やっぱりウェットな人やモノとは相性悪し。

 

お休みなさーい。

クロスホテル札幌に泊まってきた

例年雪まつりが終わって雪融けとなる3月までは、閑散期を迎える札幌。この時期は、ホテルも安い。というわけで、クロスホテル札幌に泊まってきた。

 

どこでもよかったんだけど、決め手となったのは宿泊者専用の展望大浴場。

 

三井ガーデンホテル札幌や札幌プリンスに、新しくできたJRインやラ・ジェント・ステイ札幌大通と、どこも宿泊者専用の温泉や大浴場完備だけど、展望浴場はクロスホテル札幌だけ。足元が悪い季節は、近場で済ますのさ。

 

数え切れないほどその前を通ってるはずなのに、見事に道に迷う。お茶や食事にと、気軽に立ち寄るようなホテルでもないから、場所もうろ覚え。

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(駅前から東急、かに道楽を通り過ぎたその先にあり。)

駅前通り、そこから一本東、また東とウロウロして、ようやくたどり着く。

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通りからちょっと引っ込んでいて、フロントは2階にある。フロントに通じるエスカレーターは、チェックインタイム時は上り一方通行、チェックアウトタイム時には下り一方通行になる。

館内に入った途端、いい香りに包まれる。相当濃厚に、ルームフレグランスが匂ってた。

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こちらのホテル、“アート”がウリにもなってるホテルらしく、エレベーターホールやフロント付近などが、ややアーティスティック。そんでもって暗い。照明抑えめで、ムーディーなところもアートなのか???

f:id:waltham70:20170406213247j:plain(エレベーターホール)

四つ星ホテルといえど、印象はこじんまり。館内はやや狭い。照明抑えめでムーディーなので、ファミリー層に向いてるとは思えない落ち着いた雰囲気なのに、なぜかファミリー層多め。アートも情操教育の一環か。大浴場目当てか。

 

多分、部屋ごとにインテリアは違うはず。

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スタイリッシュ系、オシャレ部屋。窓際の赤い椅子がポイントっぽい。シルバー多めの調度類が、スタイリッシュな雰囲気を盛り上げる。多分、きっと。

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にょにょんと自在に曲がる、このタイプのナイトスタンド好き。角度の調整がしやすくて、具合がいいんだ。

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次々と新しいホテルがオープンする札幌にあっては、すでに古株となったクロスホテル。室内は清潔だけだ、どこもかしこもピッカピカ★ というわけにはいきませぬ。

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赤い椅子に、質感の違うどっしりとした家具(スツール?)を合わせるあたり、インテリアへのこだわりが感じられる。統一感とは別のベクトルで、自分では選ばないインテリアの部屋に泊まれるのも、ホテルのいいところ。

 

デスクの蓋は、持ち上げると鏡になる。座って、テレビでも見ながら身支度したい人向け。

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浴室&洗面スペースは、かなりゆったりで広々。

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ちょっとびっくりしたのは、浴室が洗い場つきだったところ。シャンプーなどのアメニティはミキモト。この辺りが、ビジネスホテルとは違うのよという、こだわりか。洗面台もガラス製。絶対に自宅では選ばないタイプ、水滴がおそろしいおそろしい。

 

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テレビからWi-fiの設定ができるらしいけど、動きまへんがな。。と苦労した。電池切れだったのか??? 面倒になってまぁいいやと放り投げた。そもそも静かな場所で、じっくり本読みたかったんだよな。結局大して読めなかったけど。

 

18階の展望大浴場は、さすがの見晴らしの良さ。やっぱり照明暗めで、スタイリッシュだったんだけど。

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こっちは大浴場と同じフロアの休憩室。駅前に近い繁華街なので、夜景がきれい。

 

内風呂と、天井が吹き抜けになった露天風呂の二種類あり。思ったほど広くはなかったけれど、立地を考えればこんなものか。じゅうぶんのびのびできた。

 

泊まった頃は、雪がまだ散らつく季節。天井吹き抜けの露天風呂だと、雪見風呂が楽しめた。

 

駅前という繁華街で、屋外に広がるのはネオンチカチカの夜景。その中での雪見風呂、はっきりいって超めずらしい。これはステキ。雪見風呂を楽しむためだけに、もう一度来たくなった。

 

郊外に出れば、見渡す限り一面の雪景色の中での雪見風呂だったら珍しくもなんともないけれど、都会的な夜景と雪見風呂のセットは、きっとここだけ。こりゃいいや。

 

ピカピカに真新しいホテルじゃないから、探せばアラのひとつやふたつ、簡単に見つかるけど、別に探さなくてもいい。

 

展望大浴場と同じフロアにある休憩室も、見晴らしがよくてリラックス。人が居ないせいか寒くて、大して長居はできなかったけど。

 

館内のレストランでバイキング付きのところ、バイキングという気分でもなかったのでパス。外に出て、朝食が食べられるところを探す。

 

朝の通勤タイムのピークを、やや過ぎた頃。がら空き。

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駅前~大通で朝食が食べられるところといえば、どこもチェーン店になる。ビル地下にあるような昭和な喫茶店も、行き飽きた。さてどこに行きましょう?で思い出したのが、大通ビッセにある『きのとや』。

 

そうだ、きのとやでモーニングを食べましょう。まだ試したことないし。

 

3種類のうちから選んだのは、クラムチャウダーとクロワッサンのセット。

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クラムチャウダーがめちゃウマ。クリーミーかつ具だくさんで、これは絶対に自宅では出せない味。たいへん美味しゅうございました。コーヒーも並々で、お腹いっぱい。

 

別に大したことはしてないけど、リラックスできた。宿泊者専用大浴場あるいは温泉めざして、大正解だった。

f:id:waltham70:20170405204642j:plain(真ん中に見える緑のもの。それはヤドリギ。)

 

お休みなさーい。

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金融商品としてのビットコインは、特に目新しいものでもなし

耳を澄ませば、雪融け水がポタポタ滴る音が聞こえてくる、急激に暖かくなった春の一日。白樺花粉が飛ぶのは、4月後半から。急激な気温差に、体を慣らすのも大変さ。

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お金は社会を変えるツール

お金は社会を変えるツールで、そのツールの形が変わったら、そりゃ社会も大きく変わるでしょう。以下の文章は『ブロックチェーンの衝撃』を読んだ補足。

ブロックチェーンの衝撃

ブロックチェーンの衝撃

 

 (書影を紹介したいだけ。アフィリエイトは仕込んでません)

 ビットコインについては、テクノロジーの話と社会システムの話がごっちゃになるから、わかりにくい。

 

ビットコインの根幹となる、ブロックチェーンの「改竄されない」や「物理的分散によるダウンタイムの払拭」とか、テクノロジーに関する部分は、エビデンス出せや”が通じたら、かなりわかりやすくなる。出されたところで、こっちはわかんないけどさ。

 

宇宙物理のような純粋学問と違って、ゴリゴリに実用化が先にある技術については、ところでそう簡単に全貌を明らかにできないのもよくわかる。だから、言葉を尽して説明するしかなく、言葉で技術を説明するから、輪郭がぼやけてしまう。

 

ビットコインの発行枚数には、上限アリ

今現在ビットコインに興味を持ち、手を出そうかと考えてる人のほとんどは、値上がり益、キャピタルゲインを期待してるんじゃないかと思う。今買っとけば、いつかは値上がりするのかな???と。

 

近頃ビットコイン推しが甚だしいけれど、ビットコインの発行枚数は、上限が2100万枚ですよ!

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(鍋でご飯を炊く。この日は、鯛をいっしょに炊き込んでみた)

銀行や保険会社が、銀行業法や保険業法といったルールにしばられ運営されているように、ビットコインビットコイン法とでもいうべき「コンプライアンス」にしばられている。

 

で、コンプラの中でももっとも重要なものが「発行枚数に上限があること」。掘り尽したらおしまいで、終了。その基本コンプラを、ビットコインの採掘者(マイナー)など関係者と合意の上変更するのは、現在のところ“とっても大変”だそう。

 

・埋蔵量に限りがある

・パブリックでトラストレスでパーミッションレス、つまり信頼に値しない利害関係者も含んだ不特定多数により、中央管理されずに運営されている

 

その点で、通貨として似た商品を探すより、金やプラチナなどの貴金属の市場をイメージした方が、金融商品としては似てる。

 

資源に限りがある、貴金属関係の金融商品として考えればわかりやすい

安全資産としても選ばれる金。現在でこそ金ETFとして、オンラインで取引できるようになったけれど、そもそも誰かに集中管理されてるものではなし。

 

金と現金との交換市場、あるいは取引所なら、オンラインになるはるか以前から世界中にありましたね、そういや。アンバンクト、銀行が機能しないような未開の地でも、金だったら財やサービスに変えることもできた。

ビットコインは、世界初の上場DAO(自立分散型組織)

株式の上場 上場済み。全世界の取引所で法定通貨との交換市場が立ち上がっている 

『ブロックチェーンの衝撃』より引用

 とのことで、全世界の取引所で法定通貨との交換市場が立ち上がっていれば上場済みってことは、金やダイヤモンドだってとっくに上場済みだったと言うこともできる。でもさ、オンラインで簡単に取引できるようになったのは、やっぱり金ETFという形になってから。

 

ちなみに、この本のこの章*1におけるビットコインの株主は、ビットコイン保有者となっている。

 

埋蔵量が変化することはないけれど、テクノロジーの進歩により、掘削量が増える可能性があるあたり、やっぱりビットコインは金っぽい。

 

金が、金ETFとしてオンラインでも取引可能になったおかげで、最初期から金ETFに投資していた人は、相当なキャピタルゲインを手にしている。換金時さえ間違えなければ。

 

埋蔵量が限られていても、流通が整備されて売買がしやすくなると、取引量も激増する。挙句に、「金買います」と、時には迷惑業者が跋扈することにもなるという、副作用まであった。

 

金を金ETFというフォーマットに載せて、価値をオフラインからオンラインに移転することに成功したから起こった諸々のこと。ところで金やプラチナは、工業用用途というものもありまして。実需の裏付けがあるならともかく、金やプラチナ価格の投機的な高騰は、産業界にとっては、迷惑極まりない。

 

資源価格や為替の変動で、コツコツ積み上げた利益なんて、簡単にふっとんじゃうからな。

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(炊き上がった、鯛めし)

ところでモノづくり、産業界や実業の世界の怒りの前には、虚業なんてひとたまりもない。虚業虚業だけでは生きられないのは、Youtubeからビッグメーカーが広告を引き上げたら、グーグルさんといえども経営に打撃を被ることから想像はたやすい。

 

その点、仮想資源なら実業へのダメージもなく、金余りの出口として、遠慮なく使うことができる。慎ましく生活してる人とは遠い世界で、余剰資金がだぶついてるのが、低金利という時代。創業支援も、ソーシャルレンディングも、余剰資金の出口さ。

 

実業と虚業と。越境しつつある今だからこそ、実業界と上手に融合することが、虚業の生きる道。

 

仮想通貨の実需としての出口、とにもかくにもできたっぽい

ビットコインも、海外との行き来が多い人ならもしかして、使い道も多いのかもしれないけれど、地方都市ではそもそも受け入れているところさえ滅多に見ない。

 

そのままでは“仮想通貨“という虚業に閉じてしまいそうなところ、ビックカメラ受け入れとか、実業との接点が急速に増えて、最初期からのビットコイン投資者へのボーナスステージの準備は、とりあえず整ったみたい。

 

ビットコインというまったく新しい“概念”を信じて、コツコツマイニングしてきた掘削者(マイナー)への支払いにも当初は使われていたというビットコイン。売りたい人ばかりではどうしようもない。買う人が大量に現れてこそ、バブルってもんさ。

 

現在は仮想通貨のフロントランナーにしてトップランナーではあるけれど、フロントランナーがトップランナーであり続けるとは限らない。ボーナスステージによる規模の拡大を経てもなお、止めることも盗むことも改竄することもできないことを、証明し続けることが果たしてできるのか。

 

仮想通貨そのものは、プライベートなものパブリックなものを合わせても、すでに600種類くらいあるという世界。

 

近い将来には、仮想通貨の老舗として高い知名度を誇るけれども、市場での存在感は、さほどでも。。という存在になっている可能性も大いにあり。

 

ビットコインは、法定通貨でもなければ地域通貨でもない。発行主体に中心がなく、プロトコルによって動いているものならば、クレームをぶつける先も定かでないってことさ。

f:id:waltham70:20170405204623j:plain(鯛の身をほぐして、蕗の煮物を細かく刻んだものと三つ葉を和える。うまうま。)

大口顧客に限ってはその限りではないという運用は、各取引所の判断によるもの。ビットコインコンプラに組み込まれたルールなのか、それとも取引所の運用ルールなのかで、混乱しそうになる。

元が基軸通貨としてもっと強かったら、現在のビットコインブームもなかった

ご利用は完全に自己責任での世界で、個人が余裕資金で試してみるならともかく、ビットコインを大量保有する企業はリスクテイカーとしか言いようがない。

 

それもこれも、中国元が思ったほど基軸通貨として流通せず不安定なままで、リスクをとってでも新しい手法に頼ることにしたのかな、とか。世界中で対中貿易は増えてるはずなのに、元の流通量は低空飛行なままで、ドルやユーロが強いままなのか。

 

今後はビットコインという仮想通貨のフロントランナーを叩き台に、自国内で流通させるのにより最適なデジタル通貨の形を探る、第二段階に入って行きそうで、新しい技術周りの話は、楽しいですね。

 

すでにビットコインの取引所は4月から登録制に移行したそうで。次のボーナスステージは、ビットコインETFが誕生した時か。

 

堅実なので、キャピタルゲインのお話よりも、ブロックチェーンによるスマートコントラクトにより興味アリ。お金は社会を変えるツールだから、社会を変えない人が大量に持ってても、しょうがないわな。

 

お休みなさーい。

 

*1:この本は15名の著者+監修者1名による共著。著者それぞれがビットコインについての見解を持っているから

楽天のお買い物情報メディア『それどこ』に寄稿しました

『それどこ』では、電気圧力鍋を使って電気圧力鍋でできるレシピを、いくつかご紹介。色々作ってるけど、やっぱり煮豆を作ってることがいっちゃん多い。

srdk.rakuten.jp

小腹が空いた時の、ほどよいデザートになってちょうどいい。栗やカボチャにサツマイモ、ホコホコした食感のものは、おしなべて女性受けがいいとされているけれど、そこに「豆」も加えたい。いいよ、豆。美味しいよ。

 

甘い煮豆はびっくりするほどたくさんの砂糖を使うので、単なる水煮にしてポタージュスープにするという方法もアリ。

 

カボチャににんじんにカブにさつまいもに。今までたくさんのポタージュスープを作ってきたけれど、白花豆のポタージュは個人的に大ヒットだった。途中の工程で発生する白花豆のペーストが、これまたフムスっぽくて旨いんだな。

waltham7002.hatenadiary.jp

 骨付き肉の料理や煮豆など、今まで「メンドクセ」と思ってスルーしてた料理が、苦にならなくなった。ま、個人の感想だけど。

 

書籍や映画などAmazonのヘビーユーザーだけど、その他日用品や生活用品を買う時には楽天もよく使ってる。なんなら原稿料は楽天ポイントでいいやと思う程度には、お世話になってるリピーター。ちなみに原稿料は、もちろんポイント払いじゃない。

 

自分が使っていてよく知っているサイトからの依頼で、よく知っていて便利に使っているサイトへの寄稿だから引き受けた。使ってもいないのに、これサイコー!とか嘘書かなくてもいい依頼だったから引き受けた。

 

寄稿の内容もブログっぽいカジュアルな文体可で、ブログっぽい文章しか書きたくないからちょうどよかった。

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「ことば」を武器として使うつもりは毛頭ないけれど、いざという時には盾にする気くらいは満々。自分のためにしかことばは使いたくない。他人のために自分のことばを使う気のない人間にとっては、ブログを書いてるくらいでちょうどいい。

 

本や映画のレビューや、レシピの書き起こしに旅行記も、誰に向かって書いてるんだと問われれば、ぜんぶ自分のため。自分のためだから、ステキスクラップブックを作るつもりで、時には馬鹿げた労力を使って書いている。いいね、と思うものについてのことしか書きたくない。

 

顔の見えない他人のために自分のことばを使うのは、もっともイヤなんだ。

 

顔出しだから可ってことでもなく。資金の出所が見えない相手のことは、信用するのが難しい。

 

慎重にならざるを得ない経験をすれば、いやでも慎重になる。それでチャンスを逃したと言われても、痛くもかゆくもなし。

 

それはともかく。電気圧力鍋は、便利です。

 

お休みなさーい。

ボナペティ~が生で聞ける『Julia & Jacques Cooking at Home』

ものすごーく空腹の時でもそうでない時でも、これさえ食べてればハッピー💕 と、ご機嫌になれるようなお気に入りの店を探したいものよ。。

 

隠れ家をウリにする、一見さんお断りなお店は感じ悪くてキライ。誰にでも間口広くオープンなお店で、それでいて美味しいお店を贔屓にしたい。並んでもいいから。

 

メリル・ストリープが「ボナペティ~」とどっから声出てるんだと思う声で、人気料理研究家を演じた『ジュリー&ジュリア』という映画がありまして。

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人生に行き詰まりを感じているNYに住む若い女性ジュリーが、かつてテレビで人気だった料理研究家ジュリアの料理本から凝ったフランス料理を再現してブログにアップして、やがては人気になるというストーリー。

 

現代のNYに住むジュリーの暮らしと、アメリカに本格的なフランス料理を広めたジュリアが生きる1960年代が交差する趣向だった。

 

「ボナペティ~」というのは、料理番組を持つジュリアの決め台詞。フランス料理は高級なものと考えられていた時代に、おバカキャラでフランス料理の伝道師となったらしい。

 

ジュリー&ジュリア』でもちょっとだけ映し出される、当時の料理番組『Julia & Jacques Cooking at Home』、Amazonプライムで見っけ。「ボナペティ~」を実際に聞くことができて感動。ジュリアの髪型や落ち着きのないコミカルな動きが、メリル・ストリープそっくりでびっくりさ。

 

いやまぁ、メリルがジュリア・チャイルドをお手本にしてんだけどさ。

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(つくしがカワイイ。こういう遊び心、好きさ)

エル・ア・ターブルに載ってる料理とオレンジページに載ってる料理ではずいぶん雰囲気が違うものだけど、『Julia & Jacques Cooking at Home』でジュリアが作る料理も、フレンチっぽいけど素朴。現代の感覚からすると、めっちゃ家庭的。

 

洗練されたNYのダイニングシーン(とか言っちゃうよね?雑誌って)と比較すると、まさに「おばあちゃんが作る味」っぽい。

 

きっとセットに違いない、ジュリアが料理を作るキッチン周りもモノがゴチャゴチャで、その垢抜けなさが、素朴な1960年代の雰囲気を濃厚にしてる。あぁ、おばあちゃんちっぽい。

 

モノを貯め込んで捨てないのは、次や将来は買えるかどうかわからないから。モノをポイポイ捨てられるのは、次や将来に必要となった時でも買えるから。という考え方がすっかり身についてしまったので、あぁモノ捨てたい。ジュリアのキッチン周りを見て反省したね。

 

現代アメリカ人のキッチンには必ずある、便利な調理家電や調理ツールが『Julia & Jacques Cooking at Home』では極小。その代わりに、レードルやスパチュラ(ヘラとも言う)のようなグッズがてんこ盛り。

 

盛り付けに使う食器も、派手すぎずに実用的すぎないラインで、見てて楽しい。1960年代のアメリカには、分厚い中間層がしっかり存在してたことがよくわかる。

 

記念すべき放送第一回に作ってる料理がステーキやハンバーガーという、アメリカンなメニューなところもご愛敬。どの辺がフレンチなんや???と、思うメニュー多し。

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(こいつはフランクフルター・クランツ)

 今や日本のコンビニでも手に入る“クレーム・ブリュレ”。この時代は、フランスの本物のリッチデザートとして新鮮な存在だったかと思うと、不思議な気分。

 

クレーム・ブリュレと言えば、最後にバーナーで表面をあぶってカチカチにするものだけど、バーナーが消火器?と思うサイズなところが、レトロ。

 

ジュリー&ジュリア』では、ずいぶん凝ったフランス料理を作っていたけど、『Julia & Jacques Cooking at Home』で作ってる料理はどれも、フレンチ???と思うカジュアルさ。

 

材料も、現代の日本のスーパー、特に都市部だったら苦もなく手に入りそうなものばかりで、半世紀も経てば、日常レベルがどれだけグレードアップしたかがよくわかる。

 

しばらく退屈しなさそ。

 

お休みなさーい。