クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

観光客に優しい場所で観光する

ホワイトイルミネーションが始まったのに雪はなく、雪が降らない師走は師走気分も薄くて気持ちはまだ晩秋。

 

雪が降らないと秋が長い。秋が長くなると紅葉も長く楽しめる。今年は例年になく、北海道でも紅葉を楽しんだ人が多かったんじゃないだろうか。

 

マルセイバターサンドがきっと一番有名だけど、おやつとしてよく買うのは万作におふたりでにマルセイキャラメルあたり。

 

六花亭といえば北海道を代表するお菓子メーカー。帯広(より細かく言うと中札内村)にある観光施設”六花の森”には、ずっーと行きたいと思っていた。なので、紅葉のというより落葉の季節に行ってきた。


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国立公園に比べると、第一印象は思ったよりこじんまり。

 

ただしそれは、安心して緑いっぱいの景色のなかを歩ける範囲のことで、六花亭のカフェや工場あるいは美術館を含めた六花の森そのものはやっぱりべらぼうに広い。そしてただ広いだけでなく、広大な敷地内はどこもきれいに手入れされている。

 

あいにくの天気でも無問題なのは、美術館が点在しているから。悪天候でも観光できるよう設計されているくらい、観光客ウェルカム。


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(彫刻作品もいっぱいで、アートいっぱい)

六花亭の包装紙のように、色とりどりの花が咲くさまを楽しめるのは春や夏。だけど、紅葉あるいは落葉した森や林もまたいいもので、国立公園内の森や林を気ままにぶらぶら歩くのは時に危険と隣り合わせなことを思った時。観光客が安全に観光気分を満喫できる森はとっても偉大。

 

しかもその偉大な森が、もともとはお菓子、きっと今でも一番人気のバターサンドから始まったと思うとただ感動しかなかった。

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お土産にちょうどいいバターサンドのお値段、売れ筋は千円から1500円くらい?そのくらいだったら、自分へのご褒美としても絶妙に買いやすい。

 

お菓子は余裕の産物。とはいってもほんのちょっとの余裕で手が届く。ほんのちょっとの余裕が積み重なると人工の森が出来上がり、どこかで失われた自然の森の代わりに人工の森に落ちたお金がまたどこか別の場所で、自然の回復や文化の普及や振興に使われる。

 

机上の空論でも妄想でもなくそのシステムあるいはサイクルが、目の前に現実として現れている。そういう意味でも感動と感心しかなかった。

 

北海道に住んでいると、カフェに図書館に音楽などの文化ホール、六花亭の文化振興や普及にかける(かけた)情熱けた外れだとよく思う。その原資がそもそもはお菓子で、とっても贅沢ではないけれど”豊かさ”につながっている。

 

マーガリンではなくバターたっぷりで、クッキー生地もソフト。生ケーキほどではないけれど賞味期限はそう長くなく日持ちはしない。

 

毎日は無理でも時々ならOK。少数だけでなく万人に通じる。

 

その種の余裕が積み重なると、次の世代にも”豊かなもの”が残せて、豊かな森が出来上がる。

 

六花の森がある中札内村のほど近く、岩内仙峡という景勝地にも足を伸ばしてみた。今年は寒暖差が激しかったおかげもあってか、”仙峡”という名称がちっとも大げさでないくらい、紅葉が見事だった。


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十勝八十八か所のひとつであったり、岩内国民ほにゃらら(公園?)の文字が見えたり。六花の森が超有名観光地で管理が行き届いているのに比べると、野趣たっぷり。

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野趣たっぷりだから、現地に明るい人ほどより楽しめそうな場所。観光客はどこまで踏み込んでいいかよくわからないから、人目のある場所をグールグル。落ち葉を踏みしめながら、流れる水の音を聞きながら、紅葉のなかを歩くのはただ楽しい。

 

ただ楽しいけれど、自然のなかを歩くだけでもレジャーになって楽しいのは、自然の方がより貴重だと思っているから。

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自然、あるいは緑いっぱいが貴重だと思っていると、わざわざあるいは遠路はるばる足を伸ばす。はるばる出掛けてはみるけれど、自然が勝り過ぎるところへは行かないし行きたくない。という向きには、ハイシーズンを外していても人気の観光ルートで超有名観光地を含む北海道ガーデン街道は、それぞれに見どころがあった。

 


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(ここは真鍋庭園。見応えのある樹木がいっぱい)

そもそも北海道では秋が短い。その短い秋のいつ頃を狙って行けばいいのか、悩ましいところ。大雪山では9月もなかばを過ぎると紅葉が始まるけれど、六花の森が営業終了となる間際、10月の終わり頃でも紅葉が楽しめる場所は、探せば他にもいろいろあるはず。