クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

リライトされるおとぎ話

日差しはきついけど風は涼しいので、日陰にいれば快適。
夏を満喫できる一日だった。
 
 
マレフィセント』見てきた。「眠れる森の美女」オーロラ姫に呪いをかけた悪い妖精を、アンジェリーナ・ジョリーが演じる映画。
マレフィセント (字幕版)
 

 ディズニー映画とはいえ、そこは『トゥーム・レイダー』でララ・クロフトを演じたアンジェリーナ・ジョリー(アンジー)が主役だもの。闘う姿もカッコ良かった。

 
 
実の娘ヴィヴィアン・ジョリー=ピットとも初共演してたんだけど、”邪悪な妖精”マレフィセントに扮したアンジーを見ても泣かなかった子役は、実の娘だけ だった。というエピソードもお気に入り。怒ったアンジー(=マレフィセント)、邪悪さもすっかり板について、迫力があってかなーり怖かった。
 
 
やっぱね、”邪悪な妖精”は怒らしちゃいけないのよ。えらいことになるから。
 
この後は、内容に若干触れてるから折り畳み。興味のある方だけどうぞ。
 
 
「眠れる森の美女」を、呪いをかけた魔女視点から再構築したこの映画見て、誰もがよく知るおとぎ話を今さら映画化することの意味について、つい考えてしまった。
 
 
おとぎ話にはつきものの王子様、この映画でももちろん出てくるんだけど、王子様、影薄いんだよね。。
 
 
大体森で出会ってひとめぼれ、そんな王子様のキスで呪いが解けて目が覚めるんだったら、”真実の愛”が安すぎる。嘘くさい。
 
 
呪いを一発でチャラにしてくれる。そんな都合のいい、強力な”呪い返し”なんて存在しない。これ、現代におけるおとぎ話において、大事なことその1かもしれない。
 
 
アナと雪の女王』でもそうだったけど、近頃のディズニーは「王子様」に手厳しい。それは多分、王子様が富と名声の象徴であって、王という絶対的権力への前段階だから手厳しいのかも。
 
 
そして、現代における”おとぎ話サプライヤー”として強力な地位にあるディズニーが、呪い=おとぎの国を崩壊させるものとして名指しで戦犯扱いしてるのは、「野心や欲望」。野心や欲望に目が眩み、ダークサイドに堕ちた人物を描くことで、そう訴えているように思った。
 
 
観客としては、「真実の愛」が誰に宿ってるのか。割とすぐにわかってしまう。
 
 
※もう一人(一人とカウントしていいのか若干迷うけど。)、こっちに「真実の愛」宿っててもいいかもと思うキャラクターもいたけど、その後に続く伏線の回収を思うと、ちょっと弱いんだよね。この段落は、見てる人にしかわからない書き方してる。
 
 
アナと雪の女王』でもそうだったけど、真実の愛なんて、そんなに簡単に生まれるものじゃない。
 
 
憎らしいと思うから目が追ったのか。目で追ううちに、憎悪よりも大きな感情が育ったのか。時には憎らしく疎ましく思いながら、それでも見守り続ける。そっち の方がずっと、「真実の愛」っぽい。時間をかけて育てた真実の愛だからこそ、呪いも解けるほど強力な力を持つ。その方が、ひとめぼれよりずっとありそう。
 
 
そして、真実の愛で目覚めたお姫様の恩返しも、気が効いててステキだった。もらった恩を最大限大きくして返す、もらいっぱなしじゃない関係性は、見ていても気持ちがいい。
 
 
お姫様の誕生という寿ぐべきイベントを呪ったマレフィセントは、人間からすると恐ろしい魔女。でも、たまたま妖精や怪物の国の守護者として生まれたマレフィセントは、自分の国を守り切っただけ。立場が違えば見方も変わって、別のストーリーが生まれる。
 
 
身分も住む所も固定された、中世の封建制とは違う世の中だもの。いつ立場が入れ替わって、何が起こるかわからない。これ、現代におけるおとぎ話において、大事なことその2かも。
 
 
それからは妖精も怪物も人間も、みんな仲良く楽しく暮らしましたとさ。
 
 
そんな、妖精も怪物も人間もみんな仲良く楽しく暮らすおとぎの国に、未だにシンパシー感じてるから、おとぎの国の復活で幕を閉じる物語が心地よかった。
 
 
ついでに、「真実の愛」が宿ってそうなもう一人のキャラにスポットあてて、またまたスピンオフ作品作ってもいいんじゃないかと。贔屓にする人案外居そうと睨んでる。
 
 
この後にも「美女と野獣」の実写映画化と、おとぎ話をリライトした映画の公開が予定されてる。お馴染みのおとぎ話が、どう現代風にリライトされるのか。それも楽しみにしてる。
 
では良い週末を。お休みなさーい。
 

 

 

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