風光明媚な景色がウリの北海道。しかししかし。そういつも晴天に恵まれるとはかぎらない。
過日、雨&濃霧という悪天候のなか、札幌から大沼公園めざして片道300キロ5時間のドライブ旅行をしてきた。日頃の行いが悪いので、雨にたたられた。道央自動車道をただひたすら道南めざして走らせるだけとはいえ、コンディションが悪かったのでなかなか大変だった。
SA(サービスエリア)で撮った濃霧風景。だいたいこんな感じで、視界が非常に悪い。
(この写真は、高速走行中に撮ったものではありません。念のため。)
「車間距離を十分とる」のは、高速を走る場合の鉄則。ところが濃霧になると、5メートル先も定かでないので、調子にのってスピードを出していると忽然と前の車が現れる。
世界経済の先行きが不透明となっても、じわじわと追い詰められていくだけで即死はしない。高速での視界不良は、即死ねる。超あぶない。
登別・洞爺湖と、メジャーな観光地を結ぶ道央自動車道は、結構な山のなか、高所を走っているので霧が発生しやすい。晴れていれば風光明媚な景色が楽しめる自動車道路なんだけど、天気が悪いとただ残念な景色が広がる退屈な道路。車を走らせるのが好きな人じゃないと、北海道はでっかいどうな道路を走るのはかなりツラいものがある。
原付バイクも自転車も巻き込む必要がない、基本的には直線が続き、めったに渋滞のない道路は走りやすくて好きさと言えるバカでないと、きっとツラい。
片道300キロもあるので、適宜休憩をとっている。休憩を入れて、5時間の行程。すてきPAまたはSAメシがなかなか見つからないのもこのエリア。唯一心惹かれた、八雲PAに隣接する「ハーベスター八雲」へ。
ケンタッキーフライドチキンのような、各種チキン料理やピザが食べられる。
八雲PAと隣接しているので、高速を降りる必要がない。八雲PAの駐車場に車をとめ、てくてく歩いてお店へと向かう。
ここは、とにかく景色が素晴らしい。晴れていれば。晴れてなくても、噴火湾を見下ろす抜け感のある景色は開放感があっていい。
(こちらが、先ごろ震度6の局所地震の震源地となった噴火湾でございます)
(白樺林が美しい季節)
店内は、カフェテラス形式あるいは社食形式になっている。トレイを取り、カウンター越しに欲しいものを店員さんに注文するスタイル。
(窓の外に広がる景色)
ケンタッキー風チキンとフライドポテト、そしてホットビスケットとコーヒー(ドリンクバー)をオーダー。日本ケンタッキーの設立メンバーが経営されているお店だけあって、味はかなりケンタッキー・フライド・チキン。
(シーズニングのかかり具合もかなりケンタッキー)
ケンタッキー・フライド・チキン。ときどき無性に食べたくなり、ふた口ほど食べたら当分食べなくてもいいやと思えるところまで、かなり忠実にケンタッキー・フライド・チキンだった。石窯で焼いているピザも美味しそうだったけど、サイズが結構大きかったので断念した。次は、ピザを食べてみたい。
八雲で高速を降り、噴火湾沿いの「ホタテ街道」を、大沼公園めざして走る。霧に覆われていた高速より走りやすかった。
噴火湾は漁業が盛んで、噴火湾産の魚介類には日ごろからお世話になっている。特に「ホタテ街道」まで作ってるだけあって、ホタテが有名。なのに、ホタテを食べさせる美味しいお店らしきものは皆目見当たらない。八雲はけっこう市街地も発達してるところだけど、目につくのはロードサイドにありがちなお店ばかり。
現役っぽい漁船もピカピカというより全体的にくたびれていて、漁業従事者の高齢化と関係あるのかと思った。ブイブイいわせてるような船は、また別の場所にあるものか。
(カラフルな浮玉たち)
漁業その他で食べている街で、観光客はお呼びじゃない感じか。帯広・富良野方面あるいは旭川・上川エリアと違って、「食」の楽しみが少ないのが道南エリア。函館まで行けば、話は別になるけれど。
「大沼国定公園」。向こうに見えるのは、駒ケ岳。頂上はデコボコでいびつ。
江戸時代まで富士山のように整った形をした山であったといわれているが、たび重なる火山活動により山頂が吹き飛ばされ、現在のような特異な山容となった。
(大沼国定公園ガイドマップより引用)
吹っ飛んだすか。。おーコワ。
大沼には大小の小島がいくつも浮かんでいるせいで、独特の景観を作り出している。あまりよそでは見たことがない景色。こちらも、駒ケ岳の噴火によりできたもので、大沼周辺には126もの小山状の小島あるいは小山があるとか。
(小島との間に橋が渡され、散策できるようになっている)
噴火で吹っ飛んでる最中を考えると阿鼻叫喚な景色が脳裏をよぎる。。有珠山に駒ヶ岳と、活火山の多いエリアだけに、今世紀中には再現して欲しくない景色。
新緑の美しい観光シーズンとはいえ、観光客の姿はまばら。駒ヶ岳登山とセットで、ウォーキングするのにもってこいの場所なのに。傘さしながらや雨合羽を纏いながらの観光が苦ではない人なら、悪天候の方がむしろ空いてる。
(水面から顔を出しているニョロニョロとした黄色い花は、コウホネ。今が見頃。)
ぴちぴちちゃぷちゃぷランランランと無邪気に喜べる年齢は、とうの昔に通り過ぎている。傘を差しながらの観光は、ただメンドクサイものだった。ぬかるみを歩くことになるので、靴の汚れも相当なもの。あぁ温泉に入って温まりたいと、とっとと宿にチェックインした。
次回に続きます。
お休みなさーい。