札幌ローカルな人なら郷愁を感じるに違いない、札幌医大病院前の『ベーカリー銀座屋』というパン屋さん。残念ながら去年の冬、雪が降る頃には気が付いたら閉店していた。店主の方もご高齢だったから、しょうがない。
素朴なお惣菜系のパンが充実していて、ポテトサラダをはさんだ”サラダパン”が、一番人気でこのお店の代名詞的存在だった。食べログの口コミ数は少ないけど、わざわざ食べログに書き込むまでもないくらい、近隣の人に愛されてたお店。
個人的には、ここのミニ白食パン(適当なネーミング、正式名称は忘れた)が好きだった。普通の食パンの3分の1から4分の1サイズで、皮まで白くてほんのり 甘みがついた食パン。バターをつけるだけで、いくつでも食べられそうなくらい美味しかった。ま、バターつけなくても、そのままで充分美味しかったんだけ ど。
とにかく、残念ながら今では閉店してしまったパン屋さんだけど、店舗は今も健在。
『ベーカリー銀座屋』のロゴもそのままに、ステキな帆布製のバッグのお店として生まれ変わってた。裾上げのハギレや帆布を使った、最近はやりのアップサイクルを意識した品ぞろえのよう。
お店で見た時には、何に使うのかよくわからなかった細長いバッグは、なんと楽器を持ち運ぶためのものだった。オシャレねー。パン屋さんがバゲットを配達する際に使うバッグかと、無駄に想像力働かしてた。
パン屋さん時代の『ベーカリー銀座屋』は、ガラスケースにパンが並ぶ、対面式のパン屋さんだった。ケースに並んだパンの中から好みのパンを選ぶと、お店の人が包んでくれる、古式ゆかしい売り方だった。
なので、ガラスケースの向こうは未知の世界。
おしゃれな鞄屋さんに生まれ変わった今、かつてパンが作られていた作業場は、ミシンなどの縫製用品が並ぶ、ワークスペースに変身してた。
ここがかつてパン屋さんだったことを、しのぶよすがは特になし。
『ベーカリー銀座屋』のロゴに残るのみ。
鞄屋さんなのになぜにベーカリー???と思う、ストーリーのある場所に引っ越してこられたこちらの鞄屋さん、元の店舗はspace1-15(スペースイチイチゴ)にあったらしい。あら、ご近所へのお引越しだったのね。そして、space1-15発のお店と思えば、きっといいものを作っているに違いないという、妙な親近感と安心感も感じる不思議。
美味しいパン屋さんは無くなってしまったけれど、形を変えてのクラフトマンシップは、ちゃんと次に受け継がれていきそうでひと安心。
YOSAKOIが始まるというのに、いまいち冴えない天気で残念な感じ。
お休みなさーい。