クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

北海道お菓子フェアで売り切れに泣く

大通公園その他では、花フェスタだけでなく「北海道お菓子フェア」も開催中。開催を知ってからすごーく楽しみにしていたイベント。いそいそと出かけてみたけれど、事前にもっとよく情報収集しておけば良かった。。という結果に。

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大通公園でも開催中とのことだったけれど、お菓子フェアの会場どこ~???と、しょっぱなからつまずく。オータムフェストのような会場をイメージしていたので、テレビ塔そばのテント会場に大いに戸惑う。しかも、大通公園2丁目の会場は、要有料チケットの入れ替え制。

 

どこに行ったらステキスイーツが食べられるのか。すごーくわかりにくかった。メイン会場は大通公園2丁目会場。お目当ては、さっぽろスイーツ歴代グランプリ。“さっぽろスイーツコンペティションの歴代のグランプリスイーツが集結!”とのことだったので、もう期待しまくってた。

 

大通2丁目会場は、1時間半ごとの入れ替え制で、歌やトークショーのステージイベントつき。札幌国際短編映画祭の作品も同時上映と、盛りだくさんでよくわからないことに。

 

すでに始まっていた回に途中から入ろうしたところ、別の回を熱心に勧められたのも道理。

 

とある回が始まる直前に滑り込んだ会場は、すでに長蛇の列ができていた。1500円のチケットで“”お好きな菓子2個とドリンク1杯“が選べるはずだった。ところが中も長蛇の列で、選ぶものがありませんがな。。

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スイーツは、「スイーツマルシェ」「作りたてスイーツ」「日替わりのフェア限定スイーツ」に「さっぽろスイーツ歴代グランプリコーナー」から2個選べる。選べるはずなんだけど、ほとんど売り切れで選べませんがな。。

 

白い恋人の石屋もロイズも大福もちの一久大福堂も、札幌市民にとって特に目新しいものじゃない。なにもわざわざここで食べんでも。。なスイーツだけがたっぷり残されていた。他のスイーツは工場製ってわけじゃないから、数に限りがあるのはしょうがないんだけど。

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 しょうがないとはわかりつつ、でもやっぱりがっかり。見るだけでもよかったさっぽろスイーツ歴代グランプリにいたっては“完売“だったので、見ることもできずにがっかり感も十割増し。

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f:id:waltham70:20160630221218j:plain周囲からも、残念の声や、こんなイベントとは思わなかったとの声が出てた。要事前リサーチで予習が必要だった。数に限りがあることは、ちゃんと事前アナウンスして欲しかった、チケット買う時にでも。

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いちばん人気もやっぱりさっぽろスイーツ歴代グランプリだったそう。もうちょっと数があるとよかったのに。かえすがえすも残念。確実に食べたい人は、できるだけ早くから並ぶべし。

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(赤れんが庁舎の工芸菓子)

立派なパンフレットに、なんだかなーな運営にも納得の「札幌商工会議所設立110周年記念事業」でした☆

 

赤れんがテラス前の北3条広場にも会場あり。こちらでは、イートインで飲み物やスイーツが楽しめた。そんなに数は多くないけど。

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旭川は福吉カフェの「福吉らて」。三色に分かれていて面白い。混ぜれば抹茶ラテ。小豆の甘みがちょうどいい感じで美味しゅうございました。

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おまけ。暑くなってきたのでアイスクリームが美味しいシーズンに。狸小路商店街7丁目の新しくできたジェラテリア。う月食堂の半分がジェラテリアになっている。どのフレーバーも濃厚でうまうま。この日はこってりダークチョコとあっさりミルクの組み合わせで大満足。小さなお店だけど、ジェラートはすべてこのお店で作っているそう。

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お休みなさーい。

花フェスタ2016札幌に行ってきた

暑かった。。今年初めて暑いと思ったかも。

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ついに外出時には帽子か日傘が必要なシーズンに突入。嬉しい(´▽`) '`,、'`,、風はそれなりに冷たいけれど、日差しがきついのさ。

 

さて、大通公園4~8丁目で開催中の、「花フェスタ2016札幌」に行ってきた。札幌に越してきてから、毎年楽しみにしているイベント。だいたい毎年何かしらの花やハーブを買っている。

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鉢植えなどが買えるフラワーマルシェだけでなく、ハンギングバスケットコンテストや、農業高校生によるガーデニングコンテストなどが行われている。

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(見て楽しい花壇を見て歩くのも作法です)

売り物じゃない部分に気合入りまくり。コンセプトは、「花いっぱいの街ステキねー」

だと思われる。

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フラワーマルシェは、年々規模が縮小していってるような気がしてしょうがない。。寂しいな。ガチでガーデニングが趣味の人は、質・量ともに充実した遠方までわざわざ買いに行くからしょうがないんだけど。

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 (こちらは、ハンギングバスケットコンテストのコーナー)

立派な作品の数々が目を楽しませてくれるも、目の肥えたお客さんになると、「恵庭に比べたら全然ね」と手厳しい。

www.hokkaidolikers.com

新千歳空港のある千歳市にほど近い恵庭市は、市をあげて花の街を掲げているところ。ガーデニングにめいっぱい力を入れてる個人の方も多く、季節限定でオープンガーデニング、我が家のステキなお庭を公開してくれちゃってたりする。駐車スペースに困りそうで、行ったことはないんだけど。

 

労力をかけずに、すてきガーデニングのエッセンスを感じられるのが、この手のイベントのいいところ。恵庭に比べて全然でも、いいの。

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「水やり不要」が訴求ポイントとなった、オール多肉植物のハンギングバスケット。水やり不要のキャッチコピーで、「やってみたい」心理を確実に三段階は後押ししたね。

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(わかりにくいけど、オモチャの蝶々が飛んでいる芸の細かさ)

蘭の展示場もあり。

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へーこれも蘭か。。と思う蘭もあれば、いかにもなゴージャス蘭もあり。この手の嗜好品には熱心な愛好家がつきもので、熱心な愛好家が熱い視線を注いでいた。

 

何かに愛情を注ぎ系の趣味は、犬や猫などペットに愛情を注ぐ人と、ガーデニングや蘭など植物に愛情を注ぐ人とに分かれるような気がしてきた。

 

こちらは、現役農業高校生によるガーデニングコンテスト会場。

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(こんなん、この入れ物を見つけてきた時点で勝利確定やん)

 

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コンセプトとの整合性はよくわからないものの、がんばったことは伝わってくる作品の数々。

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上野ファームや大雪森のガーデンがある、旭川市の旭川農業高校は古民家のあるガーデンをデザイン。この写真では良さは10分の1も伝わってないけれど、旭川は感じのいいカフェやガーデンが揃っているところ。目が肥えてるね、と思わせるデザインだった。

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こちらは大賞をとった、新十津川農業高校の作品。そのままどこかのガーデンに置いてあっても違和感のないナチュラルな仕上がりの作品でした。自然に仕上げるのは、意外と難しそう。

 

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色々あったなかで、家庭菜園風のこちらのガーデンがいちばん好み。“食べられる”という実用性もありつつ、見てもきれい。観光ガーデンではあまり見ないタイプの作品だから新鮮。ガーデニング雑誌にそのまま載ってそうでおしゃれ。

 

冬が厳しい北海道では、色とりどりの花を楽しめるのもごくわずかの期間。ごくわずかな期間、目を楽しませるためにいろいろ工夫してるんだから、すごいねと素直に感心できる。

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(植栽も、夏仕様に衣替え)

冬期になれば、白と黒、あるいは白とグレーに染まる北の国。長くこちらに居る人ほど色彩に飢えるようになるせいか、室内でも花を絶やさない人が多い。

 

花屋の数も多く、どのお店もそれなりにお客さんが入っている。地方の生花店だと、仏壇用の花が主流だったりするけど、この辺りはそんなこともなく、自家消費用が主流っぽい。

 

みどりの指に恵まれてるとはあんまり言えず、せっかく買った鉢も水のやり過ぎなどでダメにしてしまうこともしばしば。今年買った鉢は、ちゃんと花が咲くといいな。

花フェスタ2016札幌は、7月3日(日)まで。

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お休みなさーい。

 

 

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二回見てようやくその良さがわかったような気がする『バベットの晩餐会』

シアターキノにてデジタルリマスター版を鑑賞。“空腹時のご鑑賞にはお気をつけください”との注意書きつき。美食、贅を尽した料理の数々が、かたくなになったココロもとろかし、束の間の心の平穏を取り戻す。ご馳走の効用を、イヤというほど教えてくれる。

バベットの晩餐会 HDニューマスター [DVD]

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19世紀後半、デンマークの小さな漁村で牧師だった父の遺志を継ぎ慎ましく生きる初老の姉妹。ある日、彼女たちのもとにひとりのフランス人女性がやってくる。パリ市の動乱(パリ・コミューン)で家族を失ったバベット。彼女はメイドとして姉妹に仕えるが、ある日偶然買った宝くじで大金を手にする。かつてパリのレストランの名シェフだったバベットは、賞金を使って豪華なディナーを計画するが……。(フライヤーより引用)

美食のある人生か、美食と縁のなき人生か

ヒロインとなるバベットは途中から登場。まずは、バベットの雇い主となる姉妹と、彼女たちが生きる土地の説明から映画は始まる。

 

『年収は「住むところ」で決まる』なんて本もあったけれど、住む場所によって常識も異なれば、思想も左右される。

 

干した魚が主食となり、カチカチに乾燥したパンさえスープになる。パリから遠く離れた北欧の寒村は、客観的に見ればとにかく貧しい。貧しい村で、卑屈にならずに過ごすためのキーワードは“清貧”や“清廉”。清く正しく美しく生きることを規範とした小さな村のミューズがバベットの雇い主である姉妹。若い頃はそりゃもう美人でした。

 

姉妹は暇な時間のほとんどを善行に費やし、そのことに疑問も持たない。牧師である父親がある宗派の創始者でもあったので、姉妹も敬虔なクリスチャンに育っているから。小さな村では善行を施す人と施されるメンバーは固定していて、イヤになって都会に逃げ出しても良さそうなところ、自らの意思で村にとどまり続けた。

 

美人だったので、それぞれ玉の輿に乗って“大きな世界“に飛び出すチャンスもあったのに、棒に振っている。ただし、その時の縁が後々きいてくるので、人生なにが幸いするかわからない。

 

姉妹のもとにバベットが身を寄せたのも、かつての玉の輿がらみ。そこから、パリの革命で家族を失い身ひとつで寒村にやってきたバベットと姉妹との共同生活が始まる。

 

バベットは、小さな村の食生活をレベルアップさせる

よそもののバベットは、デンマークの伝統的な料理も知らない人。よそものながら、少しづつ小さな村の景色の一部として認知されてゆき、景色として馴染む頃にはすっかり料理の腕も上がっていた。

 

清貧と清廉を絵に描いたような老姉妹のキッチンが、バベットのキッチンになるにつれてハーブや調理道具などが充実していく。老姉妹による村人への善行は続いていて、村人はバベットが作った料理の差入れを心待ちにするようになる。美味しいから。

 

乏しい食材であっても美味しいスープを作り出すバベットに、転機が訪れるのはそんな時。宝くじに当たったバベットは、姉妹の父親である牧師兼宗派の創始者の生誕100周年を祝う晩餐会で、ディナーを作らせて欲しいと姉妹に願い出る。費用はバベット持ち。

 

バベットによる豪華絢爛ディナーの噂は村中を駆け巡り、質素倹約に慣れた村人を混乱に陥れる。ここがもうおかしい。ご馳走!わーい(*´▽`*)とならない姿は滑稽で、ちょっと哀れ。豪華絢爛ディナーを食すのは、罰当たりとでもいわんばかり。食べ慣れないものを前にした時、人はただ混乱に陥るのさ。

 

乾燥したパンのスープに慣れた人には、“ウミガメのスープ“は途方もなさ過ぎて途方に暮れてしまうんだから、質素倹約の呪縛恐るべし。

 

質素倹約の呪縛から解き放たれ、美食は美食として楽しめるようになった頃には、頑なで怒りっぽくなりがちだった村人たちも、すっかりほがらかに。

 

小さな村で、暇な時間のすべてを善行に施すようなストイックな生き方を続けていれば、息が詰まる。人間関係を筆頭に、あらゆるものが硬直してくる。

 

新しいメンバーも入ってこない、硬直した村社会では些細なことでもいがみ合うようになる。心が湧きたつようなスバラシイ経験も、そう滅多に起こらない環境で、凝り固まった“いがみ虫”を鎮めるのは、途方もない美酒と美食だった。美食を知る前と後では、人生が変わる。美食には、人生を肯定的なものに変える魔力あり。

ウズラのパイに、南国のフルーツに、年代もののワインに。美酒と美食で滑らかになった口からは、もう憎まれ口も出てこない。美味しいものに囲まれた現代ニッポンは、機嫌よく日々を過ごすチャンスに満ち満ちている。

 

気前のいいバベットの心境やいかに?

バベットの気前のいい振る舞いで、凝り固まり頑なになった村人のココロも解きほぐされ、村には平穏が訪れたけど、さてバベットには何が残ったのか。

 

空腹は最上のソースで、飢えた人を前に存分に腕を振るうのは、料理人冥利につきる。

 

バベットは、パリの一流店でその名を馳せた名料理人だった人。望めばパリに帰れなくもないのに、バベットが選んだのは別の道。料理人が求めるのは、存分に腕をふるえる場所と美味しいと喜んでくれる人がいるところ。

 

「芸術家は貧乏ではない」というセリフがとっても意味深。貧乏の反対は豊かであること。そして、豊かであることには金銭的に豊かであることと、気持ち、精神的に豊かであることのふた通りある。

 

バベットは、パリに行けば金銭的には豊かになれる。でもパリは、彼女から家族を奪った場所でもあり、彼女にもいつまた危害を加えるかわからない場所。自分の大切なものを害した場所や何かを前に、猜疑心を抱えたまま腕をふるうくらいなら、無心になれる別の場所でと考えても不思議はない。

 

気持ち、精神が健やかで穏やかに過ごせる場所や環境を選ぶことも、人を豊かにしてくれる。逆説的に言えば、金銭的にも精神的にも貧しいままの人は、芸術家でも何でもないのかも。

 

この映画は、バブル真っただ中の80年代後半に公開された。十代の頃にレンタルで見て、当時は退屈で良さがちっともわからなかった(静かな映画なので、今見ても退屈な人にはきっと退屈)。同じように美食に彩られた映画でも、同時期に見た『赤い薔薇ソースの伝説』の方がぶっ飛んでるストーリーで好き。

 とはいうものの。豊かさや幸せなんてものは、人によって違う。ある人にとっての幸せの形が、別の人にとっては耐えがたい苦痛になることだってフツーにある。バベットや村人たち、あるいは老婦人の奇妙な生き方も、それはそれでアリ。数が多い生き方が、万人にとっての幸せではないと知るくらいには、大人ですから。

 

真ん中にバラの花、周囲にチェリーやアプリコットを散らしたクグロフっぽいお菓子に目が釘付け。素朴なバターケーキ風だけど、とっても美味しそうだった。

バベットの晩餐会 (ちくま文庫)

バベットの晩餐会 (ちくま文庫)

 

(原作もあり。)

お休みなさーい。

フルーツ缶詰で作る、桃とりんごのミルクプリン

桃プリンを作る予定が、桃の分量が足りなかったので急遽りんごを追加。ミルク風味の優しい味で、口直しのデザートによし。

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(これはスモモの花)
6月も終わりだというのに、半袖にさえなれない涼しさが続くので、アイスクリームが食べたくなるほどじゃない。アイス替わりにもなるのがミルクプリン。

 

【材料】
ももの缶詰 果肉250g、シロップ100ml

牛乳 カップ1/2(100ml)

生クリーム 大さじ2

砂糖 大さじ3(グラニュー糖を切らしていたので、今回はきび砂糖を使用)

粉ゼラチン 4g

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【下準備】
粉ゼラチンを水大さじ1にふり入れて、ふやかしておく。今回使った粉ゼラチンは1スティック5g入りのもの。もったいないけど半端に残しておいてもしょうがないので、目分量で指ひとつまみほど減らして使用。ゼラチンが少ない方が「ふるふるっ」とした出来上がりになる。

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小鍋に、牛乳・生クリーム・砂糖を入れて、弱火にかける。沸騰しないよう注意しながら(沸騰したら吹きこぼれる)かき混ぜる。砂糖が溶ける程度、鍋のふちがふつふつと泡立ってきたら火を止め、ふやかしておいた粉ゼラチンを加える。粉ゼラチンが溶けるまでよく混ぜる。

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ももの分量が足りないことに気づき、急遽りんごの缶詰も追加。りんごの缶詰しか買い置きがなかったのよ。。この缶詰は、固形量がそれぞれ125gなので、2個使うとちょうどいい。

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牛乳が入った小鍋は、水が入ったボウルで冷やしておく。

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桃もりんごも、半分はスライスし、残った半分をシロップとともにフードプロセッサー(あるいはミキサー)にかけてペースト状にする。

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ゼラチン入り牛乳・スライスした桃とりんご、ペースト状にした桃とりんごを合わせ、蓋のできる容器に流し入れる。冷蔵庫で5~6時間冷やして固める。

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完成。

 

仕上げに、ルバーブジャムをひとたらし。そのままでもいいけど、酸味のあるソースがかかっていると、アクセントになっていい。

 

ルバーブジャムを作った時にグラニュー糖も使い切ってしまい、きび砂糖を使ったのでややブラウンがかった色味になった。グラニュー糖、お菓子作る時にしか使わないからな。。使用頻度が低いので、無くなっていることに気づかなかった。グラニュー糖使用だと、もっと白い、ミルキーな雰囲気のプリンになる。

 
4人分だけど、4人分というにはもうちょい多目の量が出来上がる。たっぷりあるのに、砂糖大さじ3しか使ってないから、罪悪感なく食べられる。くだものの糖分はノーカウントで。当分デザートには困らない感じ。

 

休日は、そんなことをしてたらあっという間に終わり。

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 お休みなさーい。

天気の悪い日に北海道を旅行するとどうなるか②

大沼公園への旅行記、続きです。

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 今回泊まったのは、「函館大沼プリンスホテル」。大沼国定公園内にあり、ゴルフ場も隣接するリゾートホテル。このホテルの、中庭をのぞむ温泉『森のゆ』に入ってみたかった。

travel.rakuten.co.jp

1990年に開業と、次々にリゾートホテルがオープンする北海道ではすでに古株。プリンスホテルというブランド自体も、今となっては「時代遅れ」だけどそれでいいの。

 

リゾートホテルで大事なのは立地。その点古くからリゾートホテルを展開するプリンスホテルは、場所だけはいいところに建っているから。

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じゃじゃん、部屋に入るとわっさわさな新緑がお出迎え。この景色が非日常感を演出するからいーの。曇り空の向こうに、駒ヶ岳も一望。天気のいい日であれば、相当すばらしい景色が待っている。

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ホテル自体は古いけど、2015年にリニューアルされているので、思ったよりずっときれいだった。シモンズ社のベッドはたいへん寝心地よし。やっぱりマットレスがいいと、睡眠がはかどる。

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 洗面台が、バスルーム内ではなく室内にあったので驚いた。ある意味使いやすくてよかったかも。バスルーム内はリニューアルの恩恵をあまり感じられず。温泉があるので用なしだから、別にいいんだけど。ホテル開業やリニューアルが続く北海道内では、工事を請け負ってくれる人を見つけるのも大変なんだよね。。

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(アメニティはポーラ。アメニティ類はわりと充実)
どこを見てもわっさわっさな緑が飛び込んでくるリゾートホテルで、雨だったのにゴルフ帰りらしきゲストの姿もチラホラと。外国人比率高し。平日で客が少なかったせいか、勝手に部屋がアップグレードされていた。ラッキー☆

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(4階建てと低層。鳥が翼を広げたような、横に長ーい作りになっている)
ゴルフ場のほかにウォーキングコースもあり、散歩もできる。雨&濃霧のなかのドライブで、体は疲れてないけど神経はささくれだってる。クールダウンを兼ねて、傘さしながら散歩した。

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ホテル敷地内だけあって、“ほどよく人の手で手入れされた自然“なので、熊との遭遇を心配することなく安心して散歩できる。

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緑わっさわさな場所、大沼まで来なくても札幌にも円山公園とかいくらでもあるけど、熊との遭遇が怖い。まじ怖い。

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(どこまで歩いたのか、ひと目でわかるサインが親切。)

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この沼も、ホテルの敷地内。たいへんに自然豊かな場所で、建設許可が降りたことにむしろ感心する。自然環境に配慮すべしとの声の方が大きくなったから、現在だとこの立地に新規でリゾートホテルを立てるのは難しいんじゃないのかと思う。国定公園だから、その辺の規制は国立公園よりゆるいのか。

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(一部殻が割れてるけど、カタツムリ。久しぶりに見た。)

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沼のほとりには東屋もあったけど、施錠されていて入れなかった。。絵の一枚でも描けそうな景色。ほどよく手入れされているとはいえ、ところどころワイルド。足元悪し。

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リゾートホテルで、ルームサービスもなし。しかしレストランはどこもお高い感じ。値段よりも、雰囲気に耐えられそうにない感じ。JR大沼駅近辺に飲食店が固まっていたので、そちらへ偵察に。しかし、こちらもどこも終わるのが早い。

 

夏至の頃だから、なにしろ日が長い。いつまでも明るいので、もうそれなりの時間だということに気が付かず、見渡せばだいたいの飲食店は閉まってる。18時や19時で閉店の店が多く、ラッキーピエロ(注:函館発祥のファーストフード店)まで車走らせようかと思ったくらい。

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ログハウスがおしゃれな『WALD』、開いててよかった。

tabelog.com

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ワンプレートディッシュをオーダー。

・ポークのパン粉焼き

・自家製のキッシュ

・大沼産カワエビとクスクス

・ボロネーゼのペンネ

・豆サラダ

にパンとコーヒー付き。少量多品種かつ家庭的な美味しさで、ちょうどよかった。

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(薪ショップ?も兼営。燃料としての薪、意外と需要があるのが北海道)
お腹いっぱいになって、温泉で温まったあとは、部屋でおとなしく本を読む。

ミカドの肖像 (小学館文庫)

ミカドの肖像 (小学館文庫)

 

 

ホテルというものは、新しく土地を買って始めるというものではないんです。すでにある土地をどう利用するのか、と考えてホテルを作った

もともと国有地であったものが、戦後の皇室制度改革のどさくさで一私企業の手に渡り、再び公有地に戻った。

土地を買う、これが終われば九十九パーセント事業はできたということですね。

人間がひしめきあって狭苦しい日本に神武以来打ち捨てられて雑木が茂り狐狸が住むままになっている土地がある。これを開発するのだ。開発して住宅街を作り鉄道を敷設することだと彼は決心した

(『ミカドの肖像』本文より引用)

 とか、プリンスホテルに泊まりながら読むと、面白くてたまらない。

 

プリンスホテル、どこもいい場所に建っている。北海道でも屈斜路湖富良野に新富良野に湯の川に、どこも景色がいい。札幌のプリンスホテルも、一見不便な場所に建ってるようで、実は大通公園の夜景がきれいに見渡せる。スカイラウンジから見る景色は、雪まつりホワイトイルミネーションの季節には、札幌でいちばんきれいといってもいいくらい。

 

よい土地の来歴は、だいたい然るべき筋の方々に行き当たり、やんごとなき方々からどのように土地を手に入れたか。やんごとなき方々とのビジネスの変遷や、スマホもグーグルもなかった時代に、知識の伝達やあるいは検索はどのような手段で行われていたのか。知的好奇心が刺激されまくり。

 

夜中に鳴り響いた緊急地震警報で眼が冴えてしまったこともあり、寝なきゃと思いつつ夢中で読んだ。ちなみにユラッときた程度で、震源地に近いとはいえ地震の影響はなし。むしろ、けたたましい緊急地震速報にイラっときた。

 

翌日もすっきりしない天気。遊覧船に乗りたかったけど、船が出るかどうかも怪しかったので断念。また来ればいいさ。

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(ニョロニョロした黄色い花はコウホネ。水あげが悪く、生け花用など特殊な用途を除いて花屋さんには並ばない花。)

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大沼といえば「大沼だんご」が名物。物産展でもよく見かける。J大沼公園駅前にある、大沼だんごの「沼の家」は、悪天候にもかかわらず大人気。しかし「沼の家」をスルーし、車で5分ほどの距離にある、やっぱり大沼名物の「二色だんご 谷口菓子舗」へ。

 

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宇治の茶団子に今宮神社のあぶり餅。観光地だったら類似品を扱うお店はぜったいあるはずだと思ったんだ。こちらは個人商店らしく、注文すると店内の厨房で団子を詰めてくれる。二色団子といいつつ、三色もあり。

tabelog.com

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あん・ごま・しょうゆの三パターン。お餅は繭のような形で柔っこい。最初はボリュームに驚いたけど、パクパク食べれた。めちゃ美味しい。その場で詰めてくれたものだと思うと、美味しさもましまし。添加物もなし。素朴だからいい。

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雨も降り始めたところで帰路につく。帰りの高速は一部通行止め。しょうがないので下道で帰る。PAやSAがわりのお店がなんにもないからホントは高速使いたかったんだけど。

トイレに休憩にガソリン補給に。長距離ドライブではひと休みできるところが必須だけど、下道使うとなかなか見つけられない。車を止めるのに適当なところがない、大雨ということで、帰りは写真なし。

 

天気の悪い日に旅行したら写真が撮れない。

 

漁業の街らしく、晴れてさえいれば馬頭観音を祀った神社、それも海沿いとフォトジェニックな被写体もあったけど、スルー。

 

天気が悪かったせいもあるけど、天気が悪いにもかかわらず、そんな場所に車が一台だけポツーンと停まってたりすると、かえってコワイ。大雨のなか、ナニしてるんだ???と怖くて近寄れず。

 

札幌に近づくにつれて、天気も回復。次回は紅葉の頃にでも行ってみたい。

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 おまけ。本日雨上がりの空にかかった虹。蝦夷梅雨、イヤねー。

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閉じ込められた囚人それぞれを心ならずも無邪気な娯楽の種にすることだ

ミカドゲームと残酷日本

(『ミカドの肖像』本文より引用)

 お休みなさーい。

天気の悪い日に北海道を旅行するとどうなるか①

風光明媚な景色がウリの北海道。しかししかし。そういつも晴天に恵まれるとはかぎらない。

 

過日、雨&濃霧という悪天候のなか、札幌から大沼公園めざして片道300キロ5時間のドライブ旅行をしてきた。日頃の行いが悪いので、雨にたたられた。道央自動車道をただひたすら道南めざして走らせるだけとはいえ、コンディションが悪かったのでなかなか大変だった。

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SA(サービスエリア)で撮った濃霧風景。だいたいこんな感じで、視界が非常に悪い。

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(この写真は、高速走行中に撮ったものではありません。念のため。)

「車間距離を十分とる」のは、高速を走る場合の鉄則。ところが濃霧になると、5メートル先も定かでないので、調子にのってスピードを出していると忽然と前の車が現れる。

 

世界経済の先行きが不透明となっても、じわじわと追い詰められていくだけで即死はしない。高速での視界不良は、即死ねる。超あぶない。

 

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登別・洞爺湖と、メジャーな観光地を結ぶ道央自動車道は、結構な山のなか、高所を走っているので霧が発生しやすい。晴れていれば風光明媚な景色が楽しめる自動車道路なんだけど、天気が悪いとただ残念な景色が広がる退屈な道路。車を走らせるのが好きな人じゃないと、北海道はでっかいどうな道路を走るのはかなりツラいものがある。

 

原付バイクも自転車も巻き込む必要がない、基本的には直線が続き、めったに渋滞のない道路は走りやすくて好きさと言えるバカでないと、きっとツラい。

 

片道300キロもあるので、適宜休憩をとっている。休憩を入れて、5時間の行程。すてきPAまたはSAメシがなかなか見つからないのもこのエリア。唯一心惹かれた、八雲PAに隣接する「ハーベスター八雲」へ。

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ケンタッキーフライドチキンのような、各種チキン料理やピザが食べられる。

 

八雲PAと隣接しているので、高速を降りる必要がない。八雲PAの駐車場に車をとめ、てくてく歩いてお店へと向かう。

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ここは、とにかく景色が素晴らしい。晴れていれば。晴れてなくても、噴火湾を見下ろす抜け感のある景色は開放感があっていい。

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(こちらが、先ごろ震度6の局所地震震源地となった噴火湾でございます)

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(白樺林が美しい季節)

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店内は、カフェテラス形式あるいは社食形式になっている。トレイを取り、カウンター越しに欲しいものを店員さんに注文するスタイル。

 

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(窓の外に広がる景色)
ケンタッキー風チキンとフライドポテト、そしてホットビスケットとコーヒー(ドリンクバー)をオーダー。日本ケンタッキーの設立メンバーが経営されているお店だけあって、味はかなりケンタッキー・フライド・チキン。

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(シーズニングのかかり具合もかなりケンタッキー)
ケンタッキー・フライド・チキン。ときどき無性に食べたくなり、ふた口ほど食べたら当分食べなくてもいいやと思えるところまで、かなり忠実にケンタッキー・フライド・チキンだった。石窯で焼いているピザも美味しそうだったけど、サイズが結構大きかったので断念した。次は、ピザを食べてみたい。

 

八雲で高速を降り、噴火湾沿いの「ホタテ街道」を、大沼公園めざして走る。霧に覆われていた高速より走りやすかった。

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噴火湾は漁業が盛んで、噴火湾産の魚介類には日ごろからお世話になっている。特に「ホタテ街道」まで作ってるだけあって、ホタテが有名。なのに、ホタテを食べさせる美味しいお店らしきものは皆目見当たらない。八雲はけっこう市街地も発達してるところだけど、目につくのはロードサイドにありがちなお店ばかり。

 

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現役っぽい漁船もピカピカというより全体的にくたびれていて、漁業従事者の高齢化と関係あるのかと思った。ブイブイいわせてるような船は、また別の場所にあるものか。

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(カラフルな浮玉たち)
漁業その他で食べている街で、観光客はお呼びじゃない感じか。帯広・富良野方面あるいは旭川・上川エリアと違って、「食」の楽しみが少ないのが道南エリア。函館まで行けば、話は別になるけれど。

 

大沼国定公園」。向こうに見えるのは、駒ケ岳。頂上はデコボコでいびつ。

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江戸時代まで富士山のように整った形をした山であったといわれているが、たび重なる火山活動により山頂が吹き飛ばされ、現在のような特異な山容となった。

大沼国定公園ガイドマップより引用)

 吹っ飛んだすか。。おーコワ。

 

大沼には大小の小島がいくつも浮かんでいるせいで、独特の景観を作り出している。あまりよそでは見たことがない景色。こちらも、駒ケ岳の噴火によりできたもので、大沼周辺には126もの小山状の小島あるいは小山があるとか。

 

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(小島との間に橋が渡され、散策できるようになっている)

噴火で吹っ飛んでる最中を考えると阿鼻叫喚な景色が脳裏をよぎる。。有珠山駒ヶ岳と、活火山の多いエリアだけに、今世紀中には再現して欲しくない景色。

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新緑の美しい観光シーズンとはいえ、観光客の姿はまばら。駒ヶ岳登山とセットで、ウォーキングするのにもってこいの場所なのに。傘さしながらや雨合羽を纏いながらの観光が苦ではない人なら、悪天候の方がむしろ空いてる。

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 (水面から顔を出しているニョロニョロとした黄色い花は、コウホネ。今が見頃。)

ぴちぴちちゃぷちゃぷランランランと無邪気に喜べる年齢は、とうの昔に通り過ぎている。傘を差しながらの観光は、ただメンドクサイものだった。ぬかるみを歩くことになるので、靴の汚れも相当なもの。あぁ温泉に入って温まりたいと、とっとと宿にチェックインした。

 

次回に続きます。

waltham7002.hatenadiary.jp

 お休みなさーい。

エリザベス女王もかつては19歳のお嬢さんだった、『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』見てきた

タイトルが長い。。御年90歳におなりになった、イギリスのエリザベス女王。イギリス史上最高齢・最長在位を誇る彼女が女王となる前、19歳の日の「或る夜の出来事」を描いた『ロイヤル・ナイト』を見てきた。

 

エリザベス王女が秘密の外出を楽しんだのは、1945年5月8日のヨーロッパ戦勝記念日。連合国軍が敵国ドイツに降伏文書を調印させ、正式に戦争が終わった日。20世紀、もしかしたら21世紀を通じて、「戦争なんてもう二度とごめん」という気分がもっとも盛り上がった、一夜の出来事を史実をもとに描いてる。

6年間続いた戦争が正式に終わる国を挙げてのお祝いの夜。エリザベス王女と妹のマーガレットは生まれて初めてお忍びでバッキンガム宮殿をあとにする。付き添いが目を離した隙に、シャンパンに勢いづいてバスに飛びのったマーガレットを追いかけて街に出たエリザベス。そして人生を変える一夜が幕を開ける。

(映画フライヤーより引用)

 エリザべス王女を演じるのは、サラ・ガドン。「世界で最も美しい顔ベスト100」に4年連続で選ばれているだけあって、たいへんにお美しい。


映画『ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出』予告編

ポスターその他を見た時には、失礼ながら絶世の美女ではないところがいかにもエリザベス女王っぽい。などと思ったことを深―く反省。画像よりも、話したり動いたりしてる方が、100倍は魅力的だった。

 

ボーイ・ミーツ・ガールな『或る夜の出来事』を踏襲したストーリーながら、ヒロインの魅力で作品の魅力も70%は確実にアップ。

王女さまだけあって、世間知らず。世間知らずだけど、同時に性格の良さや育ちの良さがにじみ出ているので、ほっとけなくてつい手助けしてしまう、可愛らしさや愛らしさも全開だった。

 

エリザベスが街をさまようのも、無鉄砲な妹マーガレットを探すためという趣向で、エリザベス女王のパブリックイメージを損なわないようになっている。

 

ボーイ・ミーツ・ガールで知り合った、空軍所属の兵士ジャックといい感じになりそうでも、そこはやっぱり婚約者のいる身で次期王位継承者だから、どこまでいっても王位継承者にふさわしい振る舞いを忘れない。ついでに父や母、あるいは妹といった家族の仲もよく、円満な家庭で大切に育てられたことも織り込まれている。

次期王位継承者という王道を歩く人は、王道から外れない。外れられない。非凡な人は、どこまでいっても非凡なんだ。

 

世界でもっとも荷の重い、イギリス女王という職務をまっとうしつつある女性への賛辞に貫かれている。

 

『ロイヤル・ナイト』は、女王となる以前の日々を描いているけれど、エリザベス女王戴冠式は、世界で初めてテレビ中継された。以来、その配偶者や息子に娘、嫁や孫にひ孫に至るまで、テレビや雑誌やインターネットといったメディアに晒され続けた。

 

ダイアナ妃の悲劇に、息子や孫のご乱交など少なからぬゴシップ、ネタとしてイギリスのみならず世界中で消費され続けた女性とも言えるのがエリザべス女王。ネタとして消費し続け、儲けさせてももらったメディアから、功労賞くらいもらったって罰は当たらない。

 

「世界で最も美しい顔ベスト100」に選ばれた女優が女王を演じるのも、メディアからの贈り物と考えたらぴったりくる。

 

ときどきネタにされつつも、「私やーめた」で降りられない職務を長年に渡って務め上げた女性だから、基本的には尊敬されてるっぽいのが女王陛下。だけどダイアナ妃が事故死した時には、苛烈なバッシングも浴びていた。

 

ヘレン・ミレンエリザベス女王を演じた『クィーン』は、ダイアナ妃が事故死した当時の出来事を描いたもの。国民的アイドルだったダイアナ妃の死に対して、女王は冷淡過ぎると王室バッシングの矢面に立たされていた。

クィーン [DVD]

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いったん叩いていいと決めた対象を、とことん叩くのは世界中どこにでも見られるメディアの病。女王サイドから見た王室バッシングとはいえ、高位にある人へのメディアからの過剰な攻撃は、見ていて気持ちがいいものではなかった。

 

君臨すれども統治せずな人を叩くより、もっと有益な取材対象はほかにもあるんじゃないの???という疑問がムクムクとわき起こるのは、今も昔も変わらない。

 

サッカー選手やポップスターよりも、王室メンバーの方がぶっちぎりで知名度が高い。叩いても反論できない人をいたずらに追いかけ回すよりも、イギリスやイギリス文化の広告塔として、クリーンなイメージで世界中に認知された方がはるかにお得。そのくらいには、メディアと王室の関係も変わったのかと思わせた。

 

若き日のエリザベスがほんわかといい雰囲気になる空軍兵士のジャックは、いかにもイギリス労働者階級出身っぽい。金融街であるシティーよりも、パブでサッカー見ながらビール飲んでそうな青年。ガタイもよくて、腕っぷしも強い。育ったお家も本当に庶民のお家だった。

 

敵軍を何機か撃墜して勲章も貰っている兵士ながら、血で血を洗う戦争がイヤになった脱走兵(正確には脱走兵になりかけ、だったけど)という設定も、普通の人っぽい。戦争が楽しくてしょうがない人や、冷酷に次々と敵を殺せる人は、普通じゃない。

 

普通の男性らしく、困ったお嬢さんはほっておけず、実は王女さまだと知ると憮然とする。その反応も、本当に普通。

 

さて、その普通の男性とのほんわかワンナイトラブ(というには大変に可愛らしいけど。。)はどういう風に着地するのか。そこに、この作品のテーマがあったんじゃないかと勝手に思ってる。

 

この映画は、イギリス史上最高齢・最長在位を誇るエリザベス女王へのプレゼントにして、素晴らしきイギリス王室のプロパガンダ。作った人にそのつもりは無くても、そう見えちゃったんだからしょうがない。

私は、私の全生涯を、たとえそれが長かろうと短かろうと、あなた方と我々のすべてが属するところの偉大な、威厳ある国家に捧げる決意であることを、あなた方の前に宣言する。

wikiより引用

 21歳の日の誓いをまっとうしつつある女性は、王位につく前から無名の人とも同じ食卓につくことを厭わなかったというエピソードは、女王の株をさらにあげるのにお役立ち。

 

羽目を外さないお嬢様を演じるサラ・ガドンが、とにかく魅力的だった。

 

realsound.jp

お休みなさーい。