クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

『ふしぎな国道』読んだ。

国道という、とってもありふれたものから非日常な楽しみを見出した国道マニアたち。道路趣味という奥深ーい世界の深淵は、大変興味深いものだった。面白い。地図や写真も豊富です。
 

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本書は、日本の道路行政の問題について鋭く分析・検討し、何事か物申すような本ではない。各地のグ絶景やグルメを楽しむための、ドライブガイドのような本でもない。本書は、「道路」そのものを楽しむために書かれた、「国道マニア」の入門書だ。(本書より)
 
鉄道ファンには「乗り鉄」「撮り鉄」という言葉があるように、道路ファンにも、それぞれ流派があるらしい。
 
 
たかが国道、されど国道。

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道路ファンの中でも最大派閥である「酷道趣味」、整備状態の悪い道を好んで走破する趣味のことはなんとなく知っていた。
 
 
そうした、道路に特別な関心を持ってなくても見当がつくようなものから、そんな楽しみ方があったのかと目からウロコが落ちるようなものまで。多種多彩な「国道」の楽しみ方が網羅されていた。
 
酷道走破以外にも
・国道の名所を見に行く
・場合によっては複数県にまたがるような国道を、一定のルール  のもとに走り切る
・国道走破の様子を撮影する
・国道標識を写真に収める
・道路元標を発掘する
はては、国道を使わずに走行できるルートを地図上で探し実行に移すという、「非国道走行」まで。
 
 
道路という、一見無個性な存在からよくもまあこれだけと思うほどの、個性的な楽しみ方が紹介されていた。人間の想像力は無限大だ。。
 

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ふだん利用している道が、国道なのか道道(どうどうと読みます。他府県なら県道にあたる道)なのか、ほとんど無頓着。そんな無頓着な人間でさえ、
・次からは起終点を意識しよう
・最高速度制限が引き上げられているか注意しよう
・あるいは消えゆく「40高中」を見たら撮影しておこう
 
と、ライトな道路趣味が芽生えた。
 
 
鉄道よりも車、道路を使う方が一般的な地域はまだまだ多いはず。そんな車社会の人たちにとっては、日常を非日常に変える、指南書としても。
 
 
国道走破の様子を撮影する「車載動画」については、前から興味があったんだよね。ドライブレコーダー、欲しくなってしまった。
 

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 「非国道走行」に顕著なんだけど、自由度の高いところにオリジナルルールを設け、不自由さを楽しむやり方なんかは、他の分野でも応用できそう。
 
 
提供された写真や、紹介されているサイトなどから、趣味人口の拡大にはSNSのコミュニティが大きく寄与したことがわかる。好きなことについて、存分に語る場でもあったよね、SNS。同好の士でわいわいとやっている、楽しげな様子も伝わってくるようだった。
 
 
面白いことなんて、その気になったらいくらでも見つけられる。
 
お休みなさーい。
 
ふしぎな国道 (講談社現代新書)

ふしぎな国道 (講談社現代新書)

 
ふしぎな国道 講談社現代新書

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