クローズドなつもりのオープン・ノート

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いざという時には守ると覚悟を決めた大人向け、『シン・ゴジラ』見てきた

男でも女でも、家族持ちの中間管理職以上でエヴァンゲリオンにハマった組織人ならきっと楽しめる、『シン・ゴジラ』見てきた。ゴジラが出てくる怪獣映画とはいえ、これ完全に大人向けですわ。


『シン・ゴジラ』予告

ゴジラに限らず怪獣映画全般に興味ナシ、エヴァには銀英伝ほどの思い入れナシ。見に行こうと言われるまで、視界にさえ入ってなかった『シン・ゴジラ』だけど、予想以上に大人向けで、最後まで飽きることなくストーリーに集中できた。

 

すでに大人、守られる側ではなく守る側の立場の人視点に立って作られた作品なので、「子供置いてけぼり」との指摘はまったく正しい。守るべき何かを抱えつつ、板挟みになった経験のある大人ほど、胸熱になれそう。

 

上司と部下、理想と現実のギャップ、情と理、子供か親か。板挟みの形にもイロイロあり。板挟みになりながら、それでも大切な何かを守り切ろうと最適解を求めて出口のない道を歩いた。そんな経験のある人ほど、共感できる要素あるある。なので、ある程度の年輪を経た大人向け。

 

ゴジラ襲来!倒せ―!!!と単純にドンパチできない「大人の事情」を濃密に描いた、怪獣映画というよりパニック映画にして、大災害の裏面を描いた作品。脅威のレベルも定かでない、前例のない緊急事態を、どう乗り切るのか。そこに主眼が置かれてるから、ドンパチやってスッキリという、単純なストーリーがキライな人の鑑賞にも耐える。


ついでに対ゴジラ相手のドンパチなので、リアルな暴力シーンは苦手な人でもダイジョーブかと。一種のファンタジーだから。

超法規的措置をとるにも、まずは適法かどうかが厳しく問われる。その姿に、どれほど安堵を感じたか。結局のところ日本は法治国家なんだから、まずは法に照らすのが組織人なのさ。

 

板挟みになった経験のある人ほど、胸熱になれそうと書いたものの、登場人物たちが板挟みで苦悩するシーンは実はあんまり描かれない。なぜならメインの登場人物となる官邸・自衛隊、関係機関といった彼らは、いざという時には「守る」ことが決まっている人たち。だから、ゆらがない。

 

そして守ることが大前提なのに、守る方法がわからないから苦悩する姿が描かれている。できることは限られている、万能じゃない人たちが、手探りで進んでいくからいーの。

 

彼らは、日本という国がなければ居場所を失う人たち。

 

社内公用語は英語、売上の30%以上は海外というグローバルカンパニーであれば、いざとなれば日本を捨て、本社も従業員も外国に移せばなんとか生き延びることができる。どこの国でもやっていける、突出したアーティストでも説得力に欠ける。

 

そんな人や組織は、国境を越えてどこにでも行けるから、守ることにこだわりがない。こだわりのない人は、対消滅させたところでさして胸が痛むこともない。

 

守りたい、残したいと思う人が、対消滅させないためにギリギリまで知恵を絞る。その姿に既視感を覚えるから、胸熱なんだ。

 

守ろうとするのは日本という国がなければならない、日本に依存した人たちとはいえ、個々人は世界に職場を求めても何とかなりそうな優秀な人たち。そんな彼らが、いざという時には全力であなたを、あなた方を守りますというメッセージをビシバシ発してくる。

 

何があっても日本に残らざるを得ない人は、見捨てられないと思ってきっと安堵する。そして守る立場の人は、見捨てるものかとやっぱり気持ちを強くするのかも。

 

エヴァの音楽使ってるし。どれほどの脅威なのか、弱点は何のかがわからないゴジラを、使徒に置き換えても問題なし。ゴジラだけどエヴァエヴァだけどゴジラ。初代ゴジラからの系譜やバックボーンの代わりに、エヴァさえ知っていればOK。それでも十分楽しめた。

 

ゴジラを倒すのは、超人でもなくスーパーモンスターでもなく、データ。徹底的にデータを分析し、ゴジラを無力化する方法を探る姿は、情報こそ力となった時代のゴジラの倒し方にふさわしい。そのデータが取引材料にもなるところも、なお今の時代っぽい。

 

ニコ動っぽい実況あり、Twitterに“よっぴー”というアカウントありで、小技もいっぱい。細部にも遊びがあって笑える。石原さとみのキャラもよかったけど、私は市川実日子押し。眉さえボサボサで、でも職務には真摯という設定は大変好物です。

 

バンクシー・ダズ・ニューヨーク』に『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』に『裸足の季節』にと、見たい映画が目白押し。でもシン・ゴジラ』を見て“明日もガンバロー”と元気が出るのなら、お付き合いするのもなんてことない。こっちだってお花畑とかお花畑とか。気がすすまないであろう場所を、散々引っ張り回してるんだから。

タワマンが景気よくぶっ壊れていくところは、フィクションだから爽快。繁栄を謳歌するよりも、もしかすると廃墟から立ち上がるパターンの方が、はるかに馬鹿力を発揮しやすいのが日本なのかも。それはそれでどうなのよと思いつつも、面白かったよ。

 

お休みなさーい。

 

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