クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

白菜のポタージュスープ

本格的に寒くなってきたので、ポタージュスープが嬉しい季節。

 

にんじん、かぼちゃ、カブ、じゃがいも、さつまいも、玉ねぎ、ビーツ。色々な野菜でポタージュスープを作ってきたけれど、冬に美味しい野菜といえば、白菜。白菜とネギといえば、鍋には欠かせない食材。

 

その白菜とネギで、ポタージュスープを作ってみた。出来たのは、白いポタージュスープ。

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(タイムを飾ってみた。葉先も使っているのでやや緑。白い部分だけ使うと、より白い仕上がりに)

ざく切りにした白菜と小口切りにしたネギをバターで炒め、水とブイヨンキューブを加え、ハーブソルトなどで味を整えたあとは柔らかくなるまで煮る。あとはブレンダーでペースト状にすれば、白菜のポタージュの出来上がり。

 

白菜1/8にネギ半分で、2カップ分はできる(←加えた水の量は2カップ半ほど)。白菜1/4くらい、あっという間に消費できる。白菜の白い部分は煮ると甘くなり、甘味のある野菜なら大体どんな野菜でもポタージュスープにすれば美味しくなるだろうと思ってる。

 

牛乳や生クリームを加えてもいいけれど、白菜とスープだけでも充分に美味しい。シンプルに季節の野菜のうま味を味わいたかったら、シンプルにポタージュで味わう方が好み。和食でいう”すり流し”は、こんな感じなんだろう。

 

市販のブイヨンキューブの代わりに、鶏肉や豚肉などをゆでた茹で汁や、あるいは魚介のゆで汁などを使うとよりオリジナルな仕上がり。肉類の茹で汁か魚介の茹で汁かは、こぶだしかかつおだしか、それとも煮干しだしかのようなもの。

 

手に入りやすく安価かつ好みのもので作ると”わが家””わが地域”の味になって、一般的にどこでも手に入りやすいものを使うと、一般的な味になるんだろう。

 

白菜の一般的な食べ方といえば、まずは漬け物か鍋。朝ごはんは和食派でもなければ、朝から白菜は多分あんまり食べない。サラダ、という手段はあるけれど。ポタージュにすると朝から体も温まり、かつ汁物なので胃もたれもしにくい。

 

生野菜は生のままだと一見量はすごく多いように見えても、火を通してしまえばあっという間に量が減る。

 

この種の食材は、量が少な過ぎると消費のスピードに追い付かず、多過ぎると消費できずに余らしてしまう。自然と在庫管理に敏感になるから、本来生鮮食品の取り扱いが多い店舗ほど、在庫管理にも長けているはず。生鮮食品を消費地に運ぶ側は、どこが上手で上手でないかもよく知ってるはずで、その差が店舗にも現れるはず。

師走前にまず始末

100g35円。800gちょっとで300円ちょっと。

 

税抜き本体価格なら280円台という、諸事物価高騰のおり、近頃ではめったに見ないお買い得品。その見た目も滅多に見掛けない魚系たんぱく質でちょっとグロかった、マグロの血合い。ブリ照り、ブリの照り焼きだったらちょっとだけ色が濃くなった、あの部分が血合い。

 

マグロになると血合いの部分もビッグサイズで、何を作ろうかとワクワクしたけれど、割とあっさり片付いた。

 

見たことのない食材、それもお買い得価格で量もたっぷりあった時。創作意欲が刺激されるのが趣味的に調理してる方で、創作意欲が減退するのが義務的に調理してる方。という見分け方は、一面では真実だと思う。

 

水洗いしてキッチンペーパーで水分をよくぬぐったあとで、まずはオーソドックスに煮付けにしてみた、マグロの血合い。生臭いかと心配したけれどそんなことは全くなく、美味しく食べた。GOOD。天かすとだしとしょうが汁で作った、たぬきご飯との相性もよく、最近では作る人も食べる人も減ったかもしれない、かつおのなまり節の煮物を思い出した。

 

自家製ツナを作ろうかと思ったけれど、油を大量に使うので単に蒸して揚げて、カツにしてみたマグロの血合いカツ。GOOD。

 

パン粉の代わりに麩、車麩を使ったのでパン粉で作る揚げ物より見た目はこんがり。お味噌汁(すき焼きの時にも使うけど)に使うのは焼き麩、車麩は煮物に使うとたんぱく質代わり。戻すときには水ではなくだしで戻すと味が薄くならず、味もよく染みる。

 

揚げ物以外の使い方として、ラザニア風にも挑戦。

 

玉ねぎと合わせたトマトソースと、ペンネ・マッシュルーム・あさりに角切りにした血合いをホワイトソースであえ、仕上げにチーズとパセリ。ツナクリームのグラタンorツナクリームパスタにヒントを得て作ってみた。GOOD。

 

ツナと塩こぶで作る炊き込みご飯が好きなので、ツナの代わりに血合いで作った炊き込みご飯も、あっさりしたピラフ風でGOOD。何杯でもお代わりできる味で、食べ過ぎ危険。叩き梅と合わせておにぎりにすると、梅干しの酸味が加わってこれもまたGOOD。

 

煮物、揚げ物(カツ)、ラザニア風グラタンに炊き込みご飯。これだけ作っても、まだ下処理した血合いは残ってる。さすが800g、量たっぷり。

 

色が濃いからひき肉のように使えばよく、ひき肉のように使えるけれど脂身は含んでないのでひき肉よりヘルシー。ひき肉の亜種だと思えば、レパートリーは無限。

 

無限で使い道が広い。かつ、お手頃価格だから滅多に出回るものではなく本当にレアものだったに違いない。


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雪が降って積もっても、一瞬で解ける。といえ寒くなったので暖かい汁物がうれしい季節。ゴマ豆腐といえば冷たいまま食べるものだけど、煮奴のように煮て野菜(春菊・白菜など)を添えると、寒い季節にも食べられる一品ができた。


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(雪は降ったし氷も張ったけど、氷薄そう)


できたといえば、切干し大根を柔らかくなるまで湯通しし、ピクルス液に漬け込むとザワークラフト風。

 

使えるものは全部使う。天かすやおからのような副産物も取り入れる。高野豆腐、麩、切干し大根などの乾物は時にホニャララ代わりで便利にも使えて、長期保存が効く。

 

そのすべてに共通するのは”始末”の発想で、きれいに始末がつくからこの種の食材と、食材を使った調理法が好きなんだ。という人の冷蔵庫の中身はきっと、洋の東西を問わずにスッキリしてるはず。


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ホワイトイルミネーションもクリスマスマーケットも始まったので、日が落ちたあともキラキラしてる、札幌市中心部。大都会に比べればささやか。ささやかだからキラキラを初めて経験する、小さいお子様連れでも安心して出掛けられる。

 

負担が大きい方の負担や難しさを減らす。その際には、誰やどこの負担に目を向けているのかで、大体の制度設計が見えてくる。

デコレーションで遊ぶ

雪が降る前が一番寒い。

 

一瞬小雪が散らついたけれど今日の札幌は晴れていて、そのせいかおかげか先週までとは違って空気も冷たい。本当に怖いのは雪より凍結。転ばないよう両手でバランスを取る、ペンギン歩きのシーズンがまたやって来る。


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ハロウィンが終わると、街中のディスプレイもいきなりクリスマス仕様。クリスマスや年末のことは、本来勤労感謝の日が終わってから考えたい。

 

クリスマスケーキを紹介する動画などを見ていると、特別なのは飾り付けでデコレーション。簡単そうに見えて、慣れないときれいにも手早くもできないのがこの種のデコレーション。キャラ弁作りでキャリアでも積んでいれば、また別。

 

仮装もパーティもしないけれどハロウィンプレートを作るのは、デコレーションを試す(というより遊ぶ)いい機会だから。今年のハロウィンは、パングラタンバージョンとオムそばで作るオバケバージョンの二通り作ってみた。


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(デコペンでのお絵描きは、たまーにしかやらないからちっとも上達しない)

薄焼き卵の中身はオムライスではなく焼きそば。付け合せはガーリックシュリンプや鮭フライで、食材を使い回して普段の食事にも使おうとすると、デコレーションでそれっぽさを出すしかない。

 

ビーツの水煮に漬け込んだうずらの卵はしっかりピンクに染まり、今年はうずらの卵でオバケも作ってみた。うずらの卵で作るウサギは割と簡単。キャラクターものをそれっぽく可愛く作ろうとすると、やっつけではちょっと無理。


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(ウサギがのったパングラタンのお隣は、お月見用のウサギまんじゅう)

ミートソースの上を歩くブラックオリーブの蜘蛛は、溶岩やマグマの上を歩く蜘蛛を表現したかったけれど足が壊れやすく、マッシュポテトの方が扱いやすかったかも。だけど、白いマッシュポテトの上は歩かせたくなかったんだ。

 

人によっては勤労感謝の日(というより感謝祭)、クリスマスに年末年始、バレンタインと続くホリデーシーズン。つい、がんばって凝ったものを作りたくなるけれど、深呼吸でもしてクールダウン。


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(左側は一見ハロウィンっぽいけれど、実はメキシコ?の行事、日本で言えばお盆のような日の飾り付けなんだとか。松ぼっくりの使い方がステキなのは、クリスマス仕様)

 

揚げただけのただの真ん丸なドーナツ、(しかも不揃い)に粉砂糖を振って、イチゴやヒイラギの葉っぱで飾っただけのクリスマス向けデザート(料理研究家土井善晴氏がテレビの料理番組で作ってた)は手作り感いっぱいで、ものすごく納得感のある”手作り”デザートだった。

 

今年作ったハロウィンプレートのデザートは、かぼちゃプリン

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(器の底面が狭かったので、ちょっと前のめり気味。)

ケーキの方が日持ちするので、かぼちゃでスイーツを作るならケーキになりがち。一般家庭でプリンを長期保存するのは難しく、2,3日はプリンばっかり食べる羽目になったけれど、プリンが上手に作れた時はやっぱり嬉しい。

 

どこでも売ってるスイーツ。家庭で作るより、圧倒的にリッチでバラエティ豊富。だから作るより買うになりがちだけど、作る人が全くいなくなったらと考えると恐ろしい。

 

たかがまんじゅう、たかが団子。手作りするなんて思いもよらない、想定外となった時、レシピは門外不出になって素材も入手困難になりそうだから。


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今はまだそれなりにどこでも買えるけれど、レシピはすでに簡単には手に入らない。お菓子作りの本は世の中にあふれているけれど、いまだかつてそのスイーツの作り方は見たことがない。そういうスイーツにこっそり心当たりがあるけれど、それはきっとわざとで、大げさに言えば文化の盛衰や興亡に関係していて、素材や何かに高値がつく頃に復活するんだろうと思ってる。

 

スーパーやコンビニ、あるいはカルディなどの輸入食品を扱う日本のお店では割とよく見かける。だけど、そのスイーツやスナックの本国(母国?)では、すでに入手困難か製造中止となって久しい。みたいなものもあるのかも。かもかも。


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りんごでお菓子を作りながら、『アップフェルラント物語』を思う

まだまだ緑が目立った大通公園中島公園の紅葉も、ここ数日でちょっとは進んだんじゃないかと思う、神無月ももう下旬。


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これは先週の中島公園イチョウはまだ青々。

八百万の神様が出雲に集うから、出雲では神在月。出雲以外では神無月で、出雲に行くなら十月と思う人が多かったなら千客万来で、客=人を連れてくるから神様なんだ。という理解はある意味では正しいはず。

 

ケーキにすることが多いりんごで蒸しケーキ。


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蒸したてはりんごの甘酸っぱい香りが拡がって、蒸しパンのようなものだから胃にも優しい。大きめのりんごだったら半分でできる。

 

りんご半分、薄力粉85gとベーキングパウダー小さじ1(ともに事前にふるっておく)、砂糖は55g、卵は1個に牛乳25cc(大さじ1と2/3)。卵、砂糖、粉類、りんご、牛乳の順に混ぜ合わせ、蒸し器で蒸すこと強火で20分~30分。

 

りんごの皮を残した蒸しあがりはさつまいもの蒸しパンみたいで、さつまいもでもきっと作れる。レシピの量が半端なのは、本来は倍量で作るものを1/2量にしたから。もともとは『1つのボウルでできるお菓子』という本に載っていたもの。

 

木(おそらくはりんごの木)に登った少年が、窓の向こうにいる少女と見つめ合っている。20世紀の空想科学小説少年少女向け、最初期のライトノベル群のひとつともいえる『アップフェルラント物語』の表紙イラストには、快活そうな少年と利発そうな少女が描かれている。

 

少年が囚われの身の少女と出逢う、あるいは見つけるところから『アップフェルラント物語』はスタートする。

 

この物語にはふた組の男女が登場し、ひと組目は少年と少女。もうひと組は、少年の保護者と言っていい年齢の男性と、男性よりは若い女性。

 

舞台は中央ヨーロッパの小国アップフェルラント。時代は1900年代に入ったばかりの頃で第一次大戦前、日本では日露戦争の頃で、この頃地図にはポーランドという独立国はない。という時代を存分に生かしている。

 

昔々のジュブナイル、少年少女向けの空想科学小説の内容を今でもよく覚えているのは、時代設定・構成・ストーリーテリング、そのすべてが巧みだと今でも感心するから。

 

編み物が好きな女王が統治する小国が、圧倒的な兵力と軍事力を誇る大国に攻め込まれる、つまり帝国主義。攻め込まれるけれど、ふた組の男女の活躍もあって最後には小国が大国を撃退し、小国の独立と平和は守られる。つまり民族主義

 

というストーリー展開が心地いいのは、日本生まれだから。

 

オーストリア、ロシア、ドイツそしてフランス。大国がひしめく当時のヨーロッパ大陸で、ポーランドは大国の思惑で地図から消滅してしまった。ポーランドという小国出身でポーランド再興のために動く人物、それも魅力的な女性が第二ヒロインのような立場で登場し、大国に翻弄された小国から大国を翻弄する人物が生まれるという設定が、まず感心ポイントその1。

 

大国に翻弄されるけれど結果的には生き残った小国アップフェルラントには、小国ならではの生き残りの知恵があった。小国が生き残るための戦略は女王が紡ぐ編み物のように気が長くて息が長く、短日月では到底真似できないものだというところが感心ポイントその2。

 

物語に引き込まれるというよりも、小国が生き残るための戦略というパーツがより印象に残っている。

 

第一ヒロインである利発な少女は、小国の未来がかかった大きな秘密を受け継いでいる。だから悪漢に狙われ、狙われた少女を少年が見つけ、少年の保護者である紳士的な男性が少女をめぐる陰謀に巻き込まれ、ポーランド再興という大望を抱いた危険人物でもある女性(容姿を裏切るじゃじゃ馬)と出逢う。という趣向。

 

少年少女向けだから、語り口は優しく平易。それでいて端正で、『名探偵コナン』がそうであるように、子供向けだけど子供向けに高い知性と教養を誇る人物が書いてるとしか思えない内容になっている。

 

作者の田中芳樹もふた組の主人公、少年ヴェルと少女フリーダ、フライシャー警部と女傑アリアーナが活躍する『アップフェルラント物語』を気に入っていたようで、書かれざる彼らが活躍する続編についてあとがきで語ってる。

 

快活な少年と利発な少女、良識を備えた大人の男性と大人の魅力たっぷりな非常識で行動力ある女性。というキャラ設定は、日本のサブカルチャーでは定番かつ伝統でもあるだろう。

 

”世界大戦”を人類が初めて体験する。その少し前に、軍事力と兵力に勝る大国に小国が翻弄あるいは蹂躙される。という設定は、世界大戦を経たあとに獲得する視点で視線。

 

新興国はえてして軍事大国になりがちだけど、軍事大国よりも文化大国をめざした方が、国としてあるいは民族としての生存率は高くなる。という刷り込みは、きっとこの頃、ライトノベルが誕生した頃から始まっているんだろう。

 

単に生き残りをかけただけなら滅茶苦茶やればいいけれど、滅茶苦茶にしたあとも国としての体裁を保てるかどうかはまた別。

 

快活な男の子に利発な女の子、その逆でももちろん可。そんな未来は、滅茶苦茶やったあとには生まれにくい。あるいは生まれてこないから。


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(別名勝ち虫とも呼ばれるトンボが止まるバラの名前は、スーパースター。)

空想=ブラジル猫という実在しない生き物や、ほんとかな?というより本当のことなんか他には教えられない有用な科学的知識がもっともらしく語られる。空想科学小説のもっとも大事、かつ後世に伝えたいことは結局はそこなんだと思う。空想科学小説特に少年少女物そのものが細っても、その系譜に連なるものにはきっとそれが伝わっている。

アップルアーモンドケーキ

美味しいりんごが手に入る季節。定番のりんご品種だけでなく、新しい品種も年々増えている気がするりんご。

 

りんご半分、卵1個で作れるりんごケーキのレシピを見つけたので、備忘録として書き起こし。生のりんごを生地に混ぜ込んで焼くタイプなので、りんごが美味しいとより美味しいケーキになる。

 

底6cm×12・5cm×高さ4・5cmの小さめパウンドケーキ1個分。何てったってパウンドケーキ用の焼き型(紙製)に載っていたレシピだから。きっと、知る人ぞ知るレシピ。

 

りんご 1/2個 (1/3は飾り用としてスライスし砂糖をまぶす。残りは1㎝角の角切りに)

⭐︎アーモンドパウダー 60g

⭐︎薄力粉 30g

⭐︎ベーキングパウダー 3g (小さじ1/2強、小さじ1だと多過ぎ)

無塩バター 60g  (常温に30分ほど出して柔らかくなったもの)

卵 1個 (よくかき混ぜておく)

砂糖 50g

塩ひとつまみ (有塩バター使用の場合はなくてもよし)

メイプルシロップ 大さじ1

⭐︎粉類は合わせてふるっておく、オーブンは180℃に予熱しておく

 

①  バターと塩(有塩バターならバターだけ)をボウルに入れて、泡立て器でクリーム状になるまでよく混ぜる。あらかじめ室温で柔らかくしておくと、簡単にクリーム状になる。クリーム状になったら砂糖とメープルシロップを加え、白っぽくなるまでよく混ぜる。

 

②  あらかじめかき混ぜておいた卵を少しずつ生地に流し込んで混ぜ、角切りにしておいたりんごを混ぜる。

 

③ ふるっておいた粉類を混ぜる。泡立て器よりゴムベラやスプーンで混ぜると、こねずにさっくりと混ぜられる。よく混ざれば型に流し込む。

 

④ 180℃のオーブンで20分焼き、一旦取り出してスライスした飾り用のりんごをのせて、さらに20分ほど焼く。生地に竹串を刺して、何もついてこなくなれば焼き上がり。

 

メープルシロップを使うのがポイントのケーキ。はちみつやキャラメルソースでも美味しくできると思うけれど、メープルシロップの甘味とアーモンドパウダーを使っているから出せる風味や食感があると思うので、できればメープルシロップを使いたい。

 

仕上げにジャムやナパージュで艶を出すとより見栄えがよくなるけれど、甘さを控えめにしたい時はそのままで充分。フレッシュなりんごの風味をそのまま味わえる。

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クッキングアップルの代表、紅玉じゃなくてもその時々で美味しそうなりんごで作ってみると、りんごの個性も一緒に味わえそう。生のりんごを使っているので日持ちしない。ひと切れづつにカットして個包装し、冷凍して食べたい時には自然解凍。という方法で、作ってから二週間以上たっても美味しくいただける。

晩夏、冬瓜とりんごが出逢うとき

今シーズン初のりんごを見つけたので、アップルクランブルを作ってみた。

 

小麦粉に冷たいカットバター、砂糖にシナモンなどのスパイスを混ぜてこね、ポロポロにした生地がクランブル。(←クラムと呼んでた気もする。)市販のバターケーキなどに時々トッピングしてある、そぼろ状の甘いもの。角切りにしたりんごとスライスアーモンドの上に被せて焼いただけの、とっても簡単簡易アップルパイのようなデザート。


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(左は焼く前。りんご1個で、耐熱ボウル2個分ができた。小さなココット型だったら4個分はできそう。右は焼き上がったもの)

あまり見たことのない品種のりんごの見た目は紅玉っぽく、クッキングアップルの系統っぽい。火が通りやすく、砂糖とレモン汁をカットしたりんごに合わせて焼いただけで、りんごの甘煮のような食感になった。甘酸っぱくて美味しい。

 

クランブル、一度作ってみたいと思いながらも量が多過ぎるレシピにしり込みしていた。今回りんご1個から作れるお手軽レシピを見つけたので、サクッと作ってみた。りんごは1個、薄力粉は50gでいいからアップルパイ系のりんごスイーツより断然お手軽。

 

クランブルは熱々でも冷たくても美味しいけれど、心の底からあぁバニラアイスと一緒に食べたいと思うりんごのおやつができた。デザートというより、”おやつ”と呼んだ方がぴったりくる素朴さ。

 

スライスアーモンドの代わりにくるみでも、あるいはアーモンドなどのナッツ類をレーズンに変えてもきっとおいしい。ナッツもレーズンも両方入れてももちろん美味しそう。

 

早くもりんごが出回る季節。台風対策で収穫が早まったのかも。

 

冬瓜は、”冬”という文字が入っているけれど夏の食べ物。暑い季節には、出汁のきいた和風の煮物にして冷やして食べると美味しい。暑さで食欲が出ない時期は、ちょっとしょうが汁をきかせると食も進む。

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和風の煮物にしがちだけれど、今回は洋風で。冬瓜の淡白さを生かしてチキンスープで炒め煮にして、黒コショウと香菜をあしらってみた。

 

冬瓜はそもそも淡白な野菜だけど、冬瓜特有の食感や風味は残るから、和食ではない時にも合わせられる副菜ができた。今回は無国籍な洋風を意識して作ったけれど、そもそも淡白だから中華で大根やカブの代わりに使ってもそれなりに使えそう。

 

りんごは年中出回っているけれど、秋を感じる果物。冬瓜は年中出回っていないけれど、夏を感じる野菜。出回り始めのものと、そろそろ旬が終わりそうなものが一緒に並んでいると、いかにも季節の変わり目っぽい。


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(晴れているときの青空は、まだ秋の気配からちょっと遠い。)

水を使わずほうれん草のグリーンカレーを作ってみた

暑さが厳しい時の、よく冷やした水分たっぷりで瑞々しい(みずみずしい)スイカやメロンや瓜(ウリ)などの果物は飲み物代わり。


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この場合の水分たっぷりで瑞々しい(みずみずしい)は、ほめ言葉。

 

一方で、水っぽい・水増しなどと使われる時の水分が多い状態は、本来の成分が薄められているからほめ言葉じゃない。

 

水を使わずに、ほうれん草のチキンカレーを作ってみた。水の代わりは、鶏肉の蒸し汁と白ワイン。

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(トッピングとして添えたのは、枝豆のコロッケ真ん中はカマンベールチーズ)

今回使った鶏肉は、手羽中こと鶏肉スペアリブ約200グラム。蒸すと、1/2カップに足りないくらいの蒸し汁が取れたので、白ワインを足して1カップに。

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電気圧力鍋に、鶏の蒸し汁と玉ねぎをまるごと入れて加圧し、玉ねぎがフォークでも切れるくらい柔らかい状態になったら、あら熱を取ってからジューサーやフードプロセッサーでピューレにする。

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でき上ったピューレの量が多過ぎると思ったら1/2や1/3量だけを取り分けて加減する。ほうれん草は加熱したあと水に晒してアク抜きし、水気を切って一口大にカット。

 

たまねぎのピューレにほうれん草を加え、ジューサーやフードプロセッサーで緑色のピューレにする。

 

みじん切りにしたニンニクを油で熱し、鶏肉を炒めて塩コショウ、ガラムマサラ少々を加える。

 

玉ねぎとほうれん草のピューレを加え、みじん切りにしたトマトを加えてトマトの形が崩れて目立たなくなるまで煮込み、最後にガラムマサラ・カレー粉その他好みのスパイスで好みの辛さに仕上げる。味が薄いようなら、ブイヨンキューブを加えても。

 

スパイスの量を控えめにすると、そう辛くないグリーンカレー、というよりほうれん草とトマトの煮込みカレー風味ができあがる。カレーよりも優しい味で、焼いた肉や魚、あるいは大豆製品例えばカリカリに焼いた厚揚げにかけても美味しいソースになる。

 

スパイスを加える前のグリーンソースorペーストは粘性が欲しい何か、例えばサモサやコロッケを作る時に使うと、いい隠し味にもなった。

 

ほうれん草といえばおひたしやごまあえ、あるいは炒めものとワンパターンになりがち。なので、グリーンカレーにすると目先が変わるだけでなく一気に消費がはかどった。

 

玉ねぎとほうれん草を合わせてピューレにすると、玉ねぎの甘味が加わってほうれん草の青臭さも気にならない。ついでに、みじん切りという工程もすっとばせた。

 

今回は鶏肉を200グラムほどしか使っていないけれど、加熱した鶏肉の使い道が決まっていればもっと鶏肉の量を増やし、鶏肉の蒸し汁もたっぷりと使って白ワイン抜きで作ることもできるかも。

 

めざしたのは水っぽくない、素材のうま味を生かしたカレー作り。ジューサーやフードプロセッサー電気圧力鍋といったツールさえ揃っていれば、家庭でも素材のうま味を生かすことはそう難しいことではなく、美味しいものはやっぱり素材が違うんだと実感する。

 

ついでに、嘘ではなく本当のことで、悪いことではなくいいことで、醜いことや汚いことではなくきれいで美しいこと、真善美で美味しいご飯、それもとびきり美味しいご飯を食べているのなら、その人は成功者。

 

そして、いつも変わらないあの味と呼ばれるようなものは、実はレシピが不変なのではなく素材が不変で、うま味や甘味やその他が安定しているから、変わらぬ味が出せるし続けられるんだろう。

 

安定した素材が揃わなくなった時はまずレシピの見直し時で、どれほど見直しても以前と同じようには作れなくなったときが、いつも変わらない味ではなく新しい味になるときなんだろう。


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夕張メロンが出回り始める頃に咲いていた、ユリノキの花。あぁ夕張メロンというか赤肉メロンを彷彿とさせる色)