クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

情報量の多いお弁当

お金を持ってないわけではない人達が、財布のひもをピッタリ閉じるのは、払ったお金が結局は誰を豊かにしているのかわからなくなった時。

 

とある日の朝ご飯、前の日に作り置きしておいたお弁当。

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お米は北海道産。新米が出回り始める頃だから、精米日が多少古くても気にしない。そのココロは、“防ごう在庫の積み増し、積み上がった在庫は最終的にどこに行く?”そんな感じ。

 

ご飯の上には、蕪の葉のつくだ煮(自作)。蕪の葉は茎と葉に分け使いやすい大きさにカットして、冷凍庫に常備している。一緒につくだ煮にしたジャコもやっぱり北海道産で、産地に特にこだわりはなかったけれど、決め手は“天日干し”というコピー。

 

蕪とカボチャは、農産物直売所で買ったもの。消費地から離れ、生産者の近くに行くほど安くなる。量が必要な時は、生産地まで足を延ばすに限る。

 

鮭は様似産。シーズン入りしたせいか、大きめの切り身が3切れで税込み699円が100円引きで、とってもお買い得だった。野菜くずやハーブと一緒にスープ煮にして、一切れ×2はタルタルソースで食べ、残りはお弁当のおかずとほぐしてケッパーやマヨネーズとあえてトーストのお供に。

 

タルタルソースは、作り置きのピクルスを細かくカットして、ゆで卵・マヨネーズ・ハーブソルトその他で作った簡単なもの。簡単なものでも自作に慣れていると、特に面倒は感じない。

 

スーパーでたまたま見つけた冬瓜は、最初はあっさり和風だしで煮物にし、残った煮物にやっぱり北海道産鶏ひき肉のそぼろあんをかけた。

 

冬瓜や口直しの柿はさすがに北海道産ではないけれど、その気になればオール北海道産で一食作るのは、わりと簡単。生産から出荷まで北海道産なのか。それとも、最終出荷地が北海道産なのかまではわからないけれど、生産地と消費地が近いと輸送コストは割安。

 

海産物はもちろん。じゃがいも、とうもろこし、メロンにアスパラガス。人によってはタマネギ。北海道産ブランドが確立している農水産物は多々あれど、海外でも通用する北海道産ブランドの農水産物となると、何になるのかよくわからない。

 

陸運・海運・空運。北海道産の農水産物を出荷したあと、農水産物よりも高価なものを運んで戻ってくるのか、それとも物々交換で、その地方ではたくさん獲れて、量には困らないものをのせて戻ってくるのか。さて、どうなんでしょう。

 

お互い量には困らないものが行き来していると物々交換で、欲しいものと交換できるなら出荷したものは貨幣作物として機能している。

 

例えば養殖技術や鮮度保持、あるいはブランドの作り方などなど。今より高価な何かと交換して手に入れたものであったら、生産地が遠くても消費には問題なし。

 

量が必要だから日常使いするものと、贅沢品は別。自分では作れないし、調達するのさえ難しいものだからご馳走になって、ご馳走だから相応の対価にも納得する。

 

出荷した、貴重なはずの貨幣作物で手に入ったもの。あるいは対価や何かに納得がいかないと、財布のひもはピッタリ閉じがち。

 

お弁当一個を買うのに、いつもそこまで考えているわけではないけれど。

 

自作にも自力で調達にも慣れると、注文のうるさい消費者を常に満足させ続けるの難しいとすぐわかる。だから飲食業よりも別ルートで生計を立てる方が、ハードルが低そうに見えるのが値上がりの続く現在地点なのかも。かもかも。

 

輸送コストまで気にするならトレーサビリティとワンセットで、トレースできないものは圏外となる。それは別に、食品に限ったことでもなし。