クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

クリスマスの振り返り

家庭で作るご馳走の限界を決めるのは、冷蔵庫。

 

冷蔵庫が大きいと肉に魚、野菜にくだものに調味料と何でも入るから、テーブルに並ぶ御馳走も豪華で品数の多いものになる。容量が小さいと何でもは入らなくなり、使い回しを考えるようになってハレとケ、日常と非日常も地続きになる。

 

25日の金曜日か24日のクリスマスイブか。

 

ちょっとだけ悩んで、翌日を気にしなくてもいい25日により重点を置いたけど、その実24日と25日とちょーっとづつ食材を使い回していることは、自分だけが知っている。

 

24日はマッシュルームのクリームパスタ。多めに作ったクリームソースは、翌日のチキンジュレタプナードソースの周囲に回しかけて、よりハレの日っぽく演出する。プリンの型で抜いて、何かのハーブでも飾ればよりハレの日っぽく外食っぽくなったかも。

 

白インゲン豆とチキンの煮込みで使った茹でた白インゲン豆も、多めに作って冷凍庫へイン。そのうち何かのスープや煮込みに使う。

 

デザートはフルーツで。洋梨とイチゴサンタで盛り上げる、非日常気分。イチゴサンタの表情を作るのは案外難しくて、かわいくデコレーションすればするほどありふれた素材なのに、ハレっぽさは高まりそう。

 

洋梨もイチゴも完熟なのは、カットした時にわかること。製造と販売の場が近くなるほど、モノは新鮮になってモッタイナイが減る。

 

25日は骨付きのラムステーキがメインディッシュ。前日からマリネ―ドしていたにんじんと、カブも一緒に焼いて付け合わせに。生のラデッシュ、茹でた芽キャベツ、焼いたにんじんにカブと、食感の違う野菜を組み合わせれば、単調さもちょっとだけマシ。

 

北海道は、ジンギスカンの本場だもの。だから、イベントシーズンでもいいラム肉が手に入るのは交易のなせるわざで、大口取引って大事よね~と感じ入る。

 

ちょっとだけ白ワインを足して、オーブンで温めればそのままチーズフォンデュになるフランス産のチーズは、付加価値の塊。フォンデュによく合うライ麦入りパンに芽キャベツ、プティトマト、そら豆を添えて。

 

ブロッコリーの緑の代わりに普段使いしない野菜を使うと、これもやっぱり非日常。

 

デザートは数日前に作り置きしておいたクリスマスプティングに、季節の違う南半球からやってきたというサクランボと、イチゴにクロテッドクリームを添えて。

 

季節の違う場所から持ってくるだけでも付加価値で、残ったサクランボはコンポートにした。

 

ただ混ぜ合わせればいいだけで、オーブンも使わずに作るクリスマスプティングは素朴な味で、おせちに例えるなら栗きんとんか黒豆。

 

いつから非日常の食べ物として定着したのか。ルーツはよく知らないけれど、クリスマスプティングも黒豆もきんとんも、日頃から手に入る材料がハレの日の食べ物に変わったもの。

 

日頃からは手に入らない。その種のものでハレの日の食べ物を作ろうとしてもやっぱり無理で、まず競り負ける。

 

年に一度か二度しか出番がなくても。いつものアレがいつも手に入ると安定を感じて、いつものアレが手に入りづらいと不安定を感じる。不安定が続いたあとは、安定してるかどうかに敏感になって、チェックも厳しくなる。

 

振り返りは、来年のためのもの。選択肢がたくさんあるなかから、さて何を作ろうかと考えているあいだは、家庭よりも大きな冷蔵庫の中身が安定してるってことだから、安心感もマシマシ。