クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

金庫番

お酒や煙草に代表される嗜好品にも溺れず、異性に溺れることもない。

 

と聞くと一見面白味には欠けるけど、賭け事にだけは目がなく勝ちに異常に執着し、時にチートやいかさまを使ってでも勝とうとする。そういう性癖持ちを囲い込むのに向いてるのは賭け放題、身を持ち崩し放題の賭場よりも、実は経営者なんじゃないかと思う。

 

勝ちに異常に執着するのは得失、得や損に異常に敏感だからで、だからチートやいかさまを使ってでも得を最大化することにも敏感で、躊躇しない。

 

チートやいかさまといった不正行為がバレたら、チャリンチャリンと日銭を稼いでくれる大事なお財布である会社ごと沈むから、スリルも満点。時にダーティな手段を使ってでも、勝ちに異常に執着する。そういう性癖持ちはきっと、脳内アドレナリンに飢えている。

 

アドレナリンが大放出される。その感覚が快楽だから、その種の性癖持ちを経営者に据えると、快楽を求めて経営というゲームの難易度を勝手に上げていき、ゴールが遠くなるように設定すると同時に、ゴール時の快楽が最大化されるように設計する。

 

感情のもつれや行き違いを演出し、感情のもつれや行き違いがもとで大損する二者を置いてけぼりに、毎回漁夫の利を得るのは四六時中お金のことを考えてるような人や組織。お金に忠実だから、感情なんて気にもせずに後回し。

 

一年365日、一日も休むことなく自分や誰かの胃袋を満たすことを考えているのは、お食事当番。一日も休むことなく、いかに効率よくお金、それも大金を稼ぐことを考えているとすれば金庫番。

 

一日も休まず食事のことを考え続けるのは、食事は消えもので食べたら無くなるから。

 

一日も休まずお金のことを考え続けるのも、どれほど効率的に大金を稼いでも瞬時に消えていく、底の抜けたバケツやブラックホールを抱えているからで、決して満たされる日は来ない。

 

満たされる日なんて永遠に来るわけないのに、四六時中効率よく、それはつまり損をせずに大金を稼ぎ続けるのは、はっきり言って無理ゲー。クリアするのが無理なゲームだから、ゴールも最初からない。ゴールなき無理ゲーの参加者を募ろうと思ったら、できるだけ幼い頃からゲーム漬けにするに限る。分別がつくほど成長したあとでは、遅いから。

 

無理ゲーであってもいったん必需品となったら、あとは勝手に脳内アドレナリンが最大化される瞬間を求めて、勝手にゲームの内容に改変を加えつつ、難易度を限りなく上げていきながら、エネルギー求めてゲーム漬けになる。

 

手のひら、あるいは目の前にあるモニターの大きさ相応のゲームで満足出来たら、無理ゲーになんて魅力を感じないし、参加もしない。

 

ありもの、既製品では満足できなくなった人向けのオーダーメイドは、だいたい高くつくもんだと決まってる。高くついても高くつく、その行為や経験こそがすでに快楽の一種になってしまったら、足を洗うのは難しいやね。