クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

それが何なのかは誰も知らない

ホットケーキやパンケーキよりもフレンチトーストの方が断然好きで、断然好きだから滅多にホットケーキもパンケーキも作らない。

 

が、クイックブレッドを作るつもりが面倒になったので、パンケーキを朝食にしてみてわかった。パンケーキ、作るの簡単。材料もシンプルで、普段から料理をする家庭なら必ず常備しているようなものしか使わない。

 

特にめぼしい食材がなくても、お米さえあればおにぎりとお味噌汁でちゃんと食事としてさまになるのと一緒だから、朝食や軽食としてよその国で重宝がられてんだな。それさえ面倒な家庭向けに、冷凍食品となったパンケーキが充実してるところも含めて国民食ってだいたいそんなもん。

 

それがどんなものか。誰もが知ってるから、豪華になったり手が込んでることにもすぐにそうと気付ける。価値のわからない人に高付加価値のものを差し出しても、猫に小判で豚に真珠。

 

突然あぶく銭に恵まれて、どんな高価なものでも入手可能という状態になっても、価値のわからないものには手を出さない。偽物をつかまされても、わからないから。骨董は、騙された、偽物を掴まされた方が間抜けなんだってさ。

 

それがどんなものか。誰もが知ってるものは偽物も作りやすく、チープな偽物を本物と偽って無知な人に売りつけられたら丸儲け。丸儲けで得た大金を、新しい偽物を作るのにそっくり注ぎ込めれば、偽物の精度も上がってますます本物と見分けがつかなくなる。

 

製作者あるいは制作者とのセット売りが基本になると、偽物防止にもお役立ち。誰が製作者あるいは制作者なのか。表に出てこない人でも引っ張り出せて、本人確認にもなって決して表には顔を出さない人に対する包囲もせばまっていく。

 

アンドロイドやクローンに頼るまでもなく、本物の人間のレプリカだって簡単にできそうで、だから偽物が出回ったら困る人ほど露出をコントロールするんだと思ってる。特徴が際立ってる人ほど、偽物も作りやすい。

 

本体が昼寝でもしてのんびりしてる間に、二号機がせっせと活動すれば生産性は二倍。三号機がいれば三倍になる。

 

人と人の絆や関係性が薄くなるほど、家族や疑似家族的なものの繋がりが強まるものだけど、もっとも切りにくいあるいは切れにくいのは、本人とのつながり。切れるわけなんかないから。クローン的な存在だったら、一号機から二号機、あるいは三号機と個体は別でも運命共同体で一蓮托生。

 

絶縁したかったら、顔や容姿はもちろんのこと、成育歴といった個人史も新たに必要となり、クローンとして一体化した歴史が長くなればなるほど、新しい個人となるのは難しくなる。

 

極度の人間不信で、他人と繋がれない。他人と繋がらない、繋がれない代償として個人のスペックは超人的だけど、しょせん個人だから数の力には適わない。という境遇の人が熱望しそうなのは、他人じゃないけど自分でもない個体。

 

超人的スペックをフル稼働させているあいだに二号機を仕込み、自分だったら後回しにしがちなことをさせるか、それとも“影”となれるよう手取り足取り教え込むか。他人を育成しても、結局はみんな巣立っていく。だったら“僕・私“を増やすことにして、巣立ちを心配して何を教えて何を教えまいかと悩むこともなく自分が育ってきた、超人的スペックを身に着けてきた順番通りにやればいいだけだから、きっと楽。

 

お盆を過ぎれば、秋はもうすぐそこ。空にはうろこ雲で、とんぼが飛んでた。

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うろこ雲?いわし雲?とにかく秋っぽい。

のんびりお昼寝を楽しむことも、ボーっとすることも苦手でできない。あるいは機能として、そもそも備わっていない。できることはフル稼働しかなく、フル稼働以外は寝てるだけ。という人がただ作りたいという欲求だけで作ったものは、誰もがそうとはすぐに気付けない、ヘンテコなものになりそうな気がしてる。

 

世間的にお休みでタルタルーンとした雰囲気の時には、わかりやすいことなんて考えたくもない。