クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

ブランド毀損

ブランド好きな人ほどブランド毀損に熱心という仮説を個人的に持っていて、仮説に対する確信は強まるばかり。補強材料が多過ぎる。

 

以前観光に出掛けた場所でのこと。ほぼ隣接と言っていい位置関係の自治体それぞれの目立つ場所に、同じ業種のライバルになれそうな企業のショップを誘致していて、感じ悪いと思った。

 

Aという自治体にはaという企業のショップがあり、Bという自治体にはbという企業のショップが出来ていた。どちらのショップも以前はなかったもので、どちらかというともっと都会、街中にありそうなお店。

 

街中、もっと都会にありそうなお店が“おらが町”にやってきたら、きっと誇らしい。郷土愛にも郷土愛の表出にも個人差があるから、誰もが誇らしいと思うとは限らないけどさ。とはいえ今までなかったタイプのショップが進出してきたら、今までは素通りしてたに違いないような近隣からも集客が期待できるから、受け止め方としてはおおむね好意的。

 

郷土愛が、おかしな方向に暴走したり暴走させられたりするまでは。

 

ショップの進出そのものは、今までなかった方が不思議なくらいで立地的には妥当に見えた。だからaとb双方のお店がある“あの辺”を回ると、とりあえずその分野の何かにはありつけると認識されるようになって、長い目でみればエリアそのもののカラーにもなっていく。

 

たまにしか訪れない観光客からすると、用意周到に何でも用意してその地に臨まなくても、足りないと思ったちょっとしたものが現地調達できれば便利。

 

空港にユニクロあるいは無印良品のようなお手頃価格のお店があると予めわかっていれば、思ったよりも寒暖差が激しくて持参した服や小物では心許ないと思った時は、現地調達できるから安心なのと一緒。

 

とりあえずの間に合わせで買うものに、過度な流行や個性は求めないから、求める要素はごくわずか。寒暖差や急な雨風をしのげて、なおかつ場違いな印象を与えない恰好でいい。ところがこの種の、求める要素はごくわずかな必需品ともいえるものは、ちょっと地方になればなるほど、その辺ですぐ手に入るというわけにはいかなくなる。

 

この先しばらくコンビニありません。という看板が出ているのは、地方都市あるあるな光景で、この先にないならと手近なコンビニに駆け込むから、きっと看板を出した人の思うツボ。

 

食品に日用品。コンビニは、必需品がそろっているから便利で重宝される。食品や日用品ほどの消耗品とは言えないけれど、シーズンごとに買い替えるあるいは買い足すならそれは、やっぱり必需品。必需品なら毎回配送を頼むよりも、現地にお店を構えてもらった方が早い。

 

現地にお店を構えた方が早いから、進出してきた実店舗。aとb双方のショップがほどよい競争関係を保ったまま、ともに観光地にあるから観光客の落とすお金をストックに回し、そのエリア全体が繁栄していくようになるのが理想形。

 

理想よりも実利を追求し、このエリアに落ちるお金はすべて我々が独占してやると過度な競争に陥ると、エリア全体のバランスも崩れてもとに戻らなくなる。過度な競争が観光客の目にも露わになると、観光に来た観光客もガッカリで、観光客の落とすお金がストックにも回らなくなる。

 

競争そのものを、楽しむだけ楽しみ競争の果実だけはごっそり頂いてハイさようなら!となったあとに残されるのは、焼け野原。

 

競争からフェアが抜け落ちて、何でもありになればなるほど理想から遠くなる。だから理想追求型の人は、最初からフェアプレーを尊びこだわっている。

 

明日から7月とは思えないほど、肌寒い。天候不順は、観光のハイシーズンを迎える観光地にとっては打撃になるだけで、嬉しかないやね。