クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

欲望との向き合い方

ひと握りの大富豪が、世界の富の過半を握ってる。とか聞くけどさ。

 

庶民が目にする、あるいは庶民の目にさえ晒される大富豪の見た目は質素。TPOをわきまえて、ビジネスシーンでは敢えてそうしてるとも言えるけど、彼らよりも見た目がゴージャスな庶民はそこらにいっぱいいる。

 

上から下までブランド品、あるいは高級品で身を固めて移動する姿は歩く広告塔。身に着けた品そのものよりも、おしゃれを楽しむ姿勢の広告塔。

 

欲しいものはもう何でも持っている、庶民の目にさえ晒される大富豪は、おしゃれを楽しむ姿勢の広告塔になる必要はなく、広告する、モデルケースとなるならきっと別のもの。

 

欲しいものはその気になったら大体何でも手に入る、満たされた人は基本欲望が少ない。

 

欲望が少ないのは、満たされた人が多い証拠でいいことでじゃん。と、一概には言えないのは、欲望の火付け役や欲望によって潤う業界があがったりになるから。東京以北で最大の歓楽街から、欲望が消えたらその景色はきっとずいぶん違うものになる。

 

札幌駅という玄関口からすすきのまでは、距離にすればたったの3キロ程度。どのあたりまでをすすきのと呼ぶのかという解釈によって、距離感もまた変わってくるけれど、基本的にはめっちゃ街なか。

 

ところで、忙しくなると移動時間は惜しくなる。長い移動時間が惜しくなるから、中心部への回帰が進み、マンションなどの集合住宅が無秩序に林立する。それもこれも自由になる土地が少ないからで、土地が少ないと上に伸びるしかなくなる。

 

地面はあっても、それは別の人の土地。わがものではないから、北海道はでっかいどうのはずなのにあんまり雄大さを感じさせない、集合住宅が林立するミニミニ摩天楼な景観が出現して、ミニミニ摩天楼な景色である限り、どこまでいってもここはアジアの一部とその景観が物語ってる。

 

迷惑施設は、自分ちの自宅近くには建てないもの。

 

一般的には迷惑施設なんだけど、欲望をお金に変える金の卵マシーンは、葉っぱを隠すなら森の中で、よそんちの人の近くの金の卵マシーンが集まる場所に置いておけば目立たない。

 

自分がオーナーだとバレると都合が悪かったら、ダミーのオーナーを立てておけばいいだけ。

 

欲望に火を付ける街があることで、どこの誰ともわからない人のフトコロを潤し、どこの馬の骨ともわからない人もいずれは紳士・淑女なニューリッチになる。そういう苦々しい思いを、欲望に火を付けるツアーで国際的に有名になったアジアの歓楽街周辺も、かつては引き受けてきた歴史を思えば、やっぱりどこまでいってもそこはアジアの一部。

 

大富豪よりもお金かかってそうな出で立ちで、その辺を歩いてる人は欲望に忠実な人。欲望に忠実だから局所における経済を回すエンジンとなって、局所からは歓迎される。

 

長い移動時間が惜しいから、できれば職住近接で何があっても職場に駆け付けられる距離に住みたい人、いっぱい居るのにね。東京以北で最大の歓楽街から欲望が消えたら、次に現れるのは緑豊かな公園にも近い計画都市。だったら、ちょっと欧米っぽい。

 

分断社会といえば、持てる者と持たざる者と単純に二分されがち。だけど、緑豊かな公園でのんびりしたい・できる人と、緑豊かな公園では決してのんびりできないししない人との間にある分断も相当なもの。

 

お金のあるなしでは埋められない分断の方が、よっぽど深刻さ。