まだ誰も歩いてない、まっさらな雪の上を歩くと気分はラッセル車。ラッセル車という言葉は知ってるけれど、本物は見たことがない。今でも現役なのか???ササラ電車なら見たことあり。ササラ電車や除雪車が、今夜以降は忙しくなりそうなほど雪がよく降った日。
ここはリトルトーキョーではなく、確かに雪国だった。
時に雪まみれになりながらも雪の中を歩くのは、その方がいい運動になるから。いつもとは違う筋肉を使うせいか、時に思わぬところが筋肉痛になり、所詮どこまで歩こうと真っ平な場所を歩いてるだけでは、筋肉なんかつくわけがない。
帽子では間に合わないほど雪が降ってる時に差す傘は、カッコ悪いけどビニール傘に限る。視界が確保出来て、歩きやすいから。実用より見てくれのよさを取ると著しく機能性を損なって、ただでさえ何もかもが機能しにくく厳しいシーズンが、より厳しくなる。
実用本位が日々の苦しい辛い大変を減らすことに直結するシーズンには、実用性あるものがやっぱり頼りになる。
身に着けるもので重視するのは耐寒性と防水性、あるいは撥水加工かどうか。できたらマイナス何度まで耐えられるのか知りたいくらいで、その辺りの機能について説明責任をきっちり果たしてそうなものは、だいたい次のシーズンでも活躍する。
機能性を重視したものは、おおむね派手さには欠けるんだけどさ。
化学染料を使い始めたことで、普段着の着物の色も鮮やかになったというエピソードは興味深くて、伝統的工法では早々鮮やかな色は出せなかったらしい。洋服のように色鮮やかでモダンな和服が出現する前の、普段着の着物はだから地味。
普段着でも地味を脱して華やかになるのは、だから化学染料のおかげで、天然素材にこだわったナチュラルさがウリのブランドあるいはメーカーのものも、だいたい地味。天然素材にもかかわらず華やかなものは、ものすごく手が込んでいて値が張るようにできていて、高価で利益を出すのが難しくなるから、地味をめざすようになってる気がする。
雪で真っ白になりがちな季節は、鮮やかな色のものを身につけると気持ちも盛り上がる。視認性も高まって、夜でも目立ちやすくなるから、ほんとはそっちの方が実用的。